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第二章新生活
12.リリーの計画
しおりを挟むマカロンのコーナーに行き、早速お皿に取ろうと思った時だった。
柱に隠れている人物に気づく。
「あら?アッサム?」
「あっ…コーデリア」
「まぁ、もしかしてお仕事でいらしているの?白衣をきてらっしゃるものね」
柱に隠れていたのはアッサムだった。
仮装するのも忘れており、普段の白衣のままだったのだ。
「あっ…マーガレット夫人には何度かケーキの注文をいただいていたんだ」
「そうなの?アッサムのお菓子は世界一ですもの」
(世界一…)
アッサムは思い人の賛美に天にも昇る気持ちだった。
「どうぞ」
「ありがとう」
お皿には綺麗に盛り付けられたマカロンを差し出す。
「わぁー綺麗」
(君の方が綺麗です)
ポーッとなりながらコーデリアに見惚れる。
(我がダリア…)
リリーにお膳立てされたのに、またしてもヘタレさを発揮していた。
「ダメだこりゃ」
「ダメだな」
そんな二人のやりとりを柱の影から見ていたリリーとラスティ―は呆れていた。
「お膳立てしてあげたのに」
「まぁ、来ただけでも良しとしよう」
「甘いわ。生クリームにメイプルシロップを入れるよりも甘すぎる!」
「え?」
ラスティ―の甘さにプンプン怒るリリーは次なる計画を立てていた。
「こうなったら適度の刺激を与えないとね」
「刺激?何を企んでるんだ」
「今日のイベントに参加する予定のサーカス団の皆さんに協力を頼んだの」
「はぁ?」
万一の事を考えて、リリーは作戦を決行する事にしていた。
アッサムがコーデリアにアプローチが取れないならば窮地に追い込もうとしていた。
「これ台本」
「台本ってなんだ?」
渡された台本を律儀に読むラスティ―はダラダラと汗を流す。
「べた過ぎないか?この内容」
「べたでいいのよ!当て馬を用意して、姉様をかっこよく助けるの!そうすれば二人の距離は縮まるってマーガレット夫人が言ってたわ」
「おい、脚本を書いたのはマーガレット夫人か!」
「そうよ、私のお願いを態々聞いてくださったんだから」
なんてお節介な奥様だと呆れながらも、ラスティ―自身も親友でもあるアッサムと義姉のコーデリアには幸せになって欲しいと心から望んでいた。
「団長さん、よろしく」
「任せて置けリリー。俺達パッキャラパオ一座にかかれば簡単だ」
ドヤ顔をする筋肉質の団長が満足げに胸をポンと叩く。
「まぁ、台本通りに行けばダンスの時間に彼女にトムが強引にコーデリアさんをナンパしてダンスに誘い出せばいいのよね?」
「そこであの兄ちゃんが助けるって事でいいな?」
「トムにはちゃんとそれらしく変装して貰っているから問題ないわ」
うんうんと頷きながら計画は完璧だと思っていたが番狂わせな状況になるのだった。
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