悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ

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第一章廃嫡と婚約解消

24王都の変化~王妃side

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春の季節は花が咲き、王宮内の庭園を見るのが何よりも楽しみだった。


ここは私にとっても思いで深い場所。
薔薇や百合が庭園の向こうにはカモミールの花が咲いている。


私はカモミールが大好きで、あの子が良く摘んできてくれた物だわ。


「王妃陛下、お手紙が届いております」

「何方から?」

「公爵家からともう一通です。もう一通がベルナール様です」


国王の代理として視察に出向いていた王弟。
兄よりも優秀であるが王座に興味がなかったが、国を思う気持ちは強い。


「帰って来るのかしら」

「はい、早々に仕事を片付けて帰って来られるそうです」

「そう。楽しみね」


他の使用人は真っ青な表情をしている。
なんせ彼は王の補佐として有能であるけど癖のある人だわ。


「フィルベルトを廃嫡にして王都から追い出したことは」

「既にご存じかと。その…王都では噂に尾ひれがついておりまして」

「そうね?何故か悲劇の主人公になっているものね?」


公爵令嬢と王太子殿下の婚約解消問題は出来るだけ噂を抑え込んだけど」


あくまで王宮内での話。
人の口に戸は立てられぬとはよく言ったものだわ。


「卒業パーティーに参加していた記者が正しく書いてくれたのではなくて?」

「フィルベルト様は平民、商人…特に中位貴族に対しても親しく付き合いをされていましたから」


物を知らない貴族達は高位貴族のご機嫌取りをすべきと考えているようだけど逆だわ。
高位貴族なんて国の何割だと思っているのかしらね。

対して中位貴族、商人との渡りをつけておく方が確実だわ。
確かに権力はあるけど、平民の中には他国と強い繋がりを持つ者は少なく無い。


辺境貴族に対してもそうだわ。
彼等は国を守る武人でもあるのだから国の守り手だった。


「今回の廃嫡に関して辺境貴族達の心は完全に離れるでしょうね?王宮に仕えていた文官も地方に行くことを望んでいるわ。他にもフィルベルトが福祉に関して力を入れていたものね」

「マリアンナ様の信頼は失墜するのも時間の問題かと」


彼女は自分の立場を勘違いしているわ。
学園内ではフィルベルトの行動を非難する者は多かったでしょうけど、彼女も問題を起こしていたのだから。


「婚約者がいながら不義を働いていた悪女という噂ができているわ」

「実際、卒業パーティーの会場に関係ないアルセウス様を騎士代わりにしていましたから」

「ええ」


他にも親しい男性を傍に置いていたようだもの。
どっちが悪いかなんて目に見ているし、あの状況でフィルベルトが皆の前ですべての罪を背負った事で半信半疑だった生徒はマリアンナ嬢を黒と判断したでしょうね。


アルセウスも野心家だったから信憑性はあったのでしょうね。


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