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第三章雇われ国王物語
15親心~エリシャside
しおりを挟む窓から二人を見守りながら私は、安堵した。
「結局表向きな婚約となったか」
「陛下、これ以上はダメですわ」
娘の思いは届くか解らない。
だけど二人が一緒に歩く未来はそこまで遠くないかもしれない。
「今は傍にいる、それだけでも感謝しなくては」
「これ以上望むのは許されぬか」
今回の縁談話で陛下は誰よりも喜ばれていた。
その理由はリーシェの思いを汲み取っての事だった。
「人の縁とは解らない物ですわ。でも、感謝いたします」
リーシェの思いは捨てなくてはならない思いだった。
他国の王太子殿下に思いを寄せるなど許されなかったけれど、今は違う。
「フィルベルト様ならば我が国を悪い様に致しません。万一縁談が纏まらずとも、養子縁組をすれば国に戸泊ってくださるでしょう」
「そうだが…」
「リーシェが他の殿方に心を向けるなんてありえませんわ」
解るわ。
母として女として。
リーシェが覚悟を決めれば動くはず。
「何が何でも振り向かせる手を考えるでしょう」
あの子は一度覚悟を決めたら諦めないわ。
「マリアンナ嬢に感謝しなくてはなりませんわ。自ら宝を手放してくださったのですから」
「エリシャ…」
ランタニア王国の問題はしっかりと耳に入っているのだから。
彼女がフィルベルト様を罠にかけてしようとしたこと。
「同盟の事は…」
「ええ、手紙が届いております。グレタ姫からも」
既にアルセウス殿下の無能さは隠せるものではないわ。
臣下がどう頑張ろうとも不可能でしょう、対するフィルベルト様の功績は他国に伝わっているわ。
「ただルーティン帝国が黙っていない事ね」
「うむ…」
ジューリア陛下が大人しく黙っているとは思えないけど。
「何を考えているのだ」
「いいえ、いい事を思い出しましたの」
帝国の聖女と呼ばれるエセリラ皇女の事は耳にしているわ。
フィルベルト様が手紙や贈り物で元気づけ、現在は病気を治すべく腕利きの医師を派遣したとか。
なんて罪な方なのかしら。
そんなことをしたらエセリラ皇女はどんな思いを抱くか。
「最悪、我が国でハーレムが出来てしまいますが」
「それはそれでまずいのではないか」
「陛下、その時はその時です」
でも悪くないのではないかしら?
側妃を迎えるのは国の利益になるのだから。
でも問題はフィルベルト様ね。
あの方はある意味では貴族や王族らしかぬ一面がある。
そこが良いのだけど。
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