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第一章
6.竜の宮殿
宮殿に到着してすぐに着替えを済ませるも違和感を感じる。
通常他国に差し出された姫は衣服は全て着替えさせれ、持ってきた私物も取り上げれてしまうのだ。
ウィリアムとアンジェに渡された家宝も取り上げられるかと思えば。
「お持ちになった物はこちらに」
「ありがとうございます」
「衣服に関してはこちらに収納させていただいていりますので」
何一つ取り上げられることはなかった。
湯殿の後も着替えはどうするか聞かれ、着ていた服装も奪われる事はなかった。
「そっか、どうせ食べられちゃうもんね」
嫁ぐわけではないのだから必要ないのだと思いながら納得をしたのだが、通された部屋が生贄にしては随分と豪華だった。
無駄に煌びやかではないが清楚感あふれ、可愛い家具が設置されている。
「ここ、もしかしたら他の人が使っていたのかな?どう見ても生贄の部屋に見えない」
想像では使われていない離宮か、脱出不可能な塔に閉じ込められるとばかり思ったのだ。
待遇は真逆で窓に鍵もかかっていないし、出入りは自由。
ベッドもふかふかで、美しい花が飾られており歓迎しているかのようではないか。
「うーん、すごい待遇だ。そうか、相手は神様だもんね!」
食べる瞬間までは粗末な扱いはしないのかもしれないと思い始める。
辺境地で過ごし、色々ぶっ飛んでいるリリアーナは何事もポジティブだった。
清々しい程に――。
「失礼します」
「はい?」
部屋で好きに寛いでいると若い女性が入って来た。
「私達はこれより姫様のお世話をさせていただきます。フリーダでございます」
「メイリンでございます」
「ウェンディーでございます」
三人の女官が現れ挨拶をする。
「これより陛下より姫様のお世話を仰せつかりました。よろしくお願いいたします」
「つきましてはこれから陛下のお部屋にご挨拶をしていただきます」
「え?」
謁見の間ではなく部屋に行くと言われて驚く。
「私が行ってもいいんですか?」
「何を申されます。陛下は首を長くしてお持ちですわ。さぁ」
公の場で挨拶ならば解るが何故部屋に?
「もしかして…」
この時リリアーナは勘が走った。
(私をどうやって食べるか吟味するのね!そうに違いないわ…彼女達はきっとコックさんだ!)
頓珍漢な事を考えていた。
対する女官達は。
「随分とふくよかな方ですわ」
「ええ、それにあの肌の色」
「そして大きなつぶらな瞳は…」
「「「アザラシのようですわ!」」」
さりげなく失礼な事を考えていた。
互いに誤解が生じる中、廊下を歩くとすれ違うのは人型の姿をしながらも竜の一族や、それ以外の種族も多かった。
「この奥のお部屋でございます」
「はい、ありがとうございます」
「陛下、姫様をお連れ致しました」
メイリンが声をかけ扉を開けようとした時だ。
「こっ、これは!」
部屋には驚くべき光景が広がり、リリアーナを驚かせた。
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