婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ

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117友の為我ゆえに~チャールズside

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我が国では次の王を選ぶには先代の王と王妃の承認が必要だ。
現段階では既に決定事項であるが…


「俺も悪いとは思っている」

「だったらせめて…」

「その時間がない。シオンの命を狙う輩が見つかった」


何だと!
シオンの命を狙うだと。


「これまでは雑魚だったが、貴族派の残党が結託しているんだ」

「だが…」


「シオンの命を狙うだけならまだ対策はできる」


だが、それだけではないと?


「貴族派が王家を潰そうと躍起になっている」

「そんな…」

「このまま新たな王太子が誕生しても殺される。だがシオンならある程度は大丈夫だ」


事はここまで手の施しようがない程だったのか。


「故に貴族派を完全な形で潰す。それしか生き残る方法はないだろ」


「シオン…」

「そんな顔をするな。シオンを俺達で守ればいい…それに世継ぎができれば問題ない」


それまでの間シオンはどれ程苦労するか。


「シオンには公の場でどっしり構えてればいいんだよ」

「傀儡にする気か」

「させねぇよ。王を支え、守るのが臣下の役目だ。第一王がすべてする必要ないだろ」



それでも王族としてシオンに負担を強いている事が申し訳なくなる。


「シオンとずっと騎士団で共に戦いたかった」

「はぁー…お前な」


呆れた表情をするディアッカ。
馬鹿だと言えばいいだろう。


子供だと罵られてもいい。

それでも私にとってシオンは初めて出来た友で、一生友人でいたい。
共に競い合える腹心の友だと思っていたんだ。


「まるでもう一緒に入れないい方だな。お前馬鹿だろ、本当に馬鹿だろ。将軍を見ろ」

「将軍?」

「あのおっさんは引退しても戦場に出ているだろうが…別に死ぬまで王じゃないだろ。十数年我慢してもらだけだ」

「は?」


十数年?
そんな話聞いてない。


「国を立て直し新体制には十数年あれば十分だろ。その間に両陛下…というか王妃陛下が制圧されるだろう」

「待て待て、そんな短時間で」

「短期決戦だ」


いくら何でも可能なのだろうか?
十数年で国を作り変えるなんて無理ではとも思ったが。


脳内で想像する王妃陛下の笑みを思い出す。


いや、あの方ならやりかねないが。
こうなると陛下が哀れになるな。

悪い王ではないのだ。

無理な戦を仕掛けることなく、民にも重税を強いる事もない。
その一方で貴族派に馬鹿にされているが。



「どっちに転んでもシオンが哀れだ」



私の声は空しく響き渡ったのだった。


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