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第三章時を超えた想い!純白の絆が奇跡を生む!
63契約は強制的に
一方的に契約をすると言われるがディアナからしたら迷惑だった。
「いえ、私は…」
「何じゃ?断ると申すか?風の精霊王が直接契約してやるのじゃ」
「いえ…」
(厄介すぎる!)
これが貴族ならば喉から手が出る程欲しがるだろうがディアナは精霊との契約を望まない。
契約する上で面倒なことになりかねない。
「私と契約すれば貴女様が不快に思われることがございますし。私は何も持たぬのです」
ここでひらめいたのは、契約してもう何の利益もないことを押すことだ。
精霊王が貧しい立場にある人間に加護を与えても見返りはほとんどないのだから。
「現在は貴族でありますが私は、平民となる身でございます。政治的立場もなく錬金術師でしかございません」
地位、名誉はほぼない。
学園を卒業したら自給自足をしながら錬金術で生計を立てて森の中で暮らそうと考えていたのだから。
「流石に私のような者が風の精霊王様の加護を頂くのは身の程知らずでございます」
ディアナ自身は己を卑下した覚えはない。
身の丈に合わない地位はいずれ身を亡ぼすことを知っているからだ。
なのだが、その態度が余計に己の首を絞める行為となるのだった。
「ますます気に入った」
「えっ…」
「契約じゃ。ほれ…」
嫌がるディアナの気持ちを無視して勝手に契約される。
「これで契約完了じゃ。そなたが死んでも契約は子々孫々続く…まぁ千年程度じゃ。お試し契約じゃから短いじゃろ?」
(短くない!)
神と同様に永遠の時間を生きる精霊からすれば千年等長い時間ではないのだ。
「ちなみにじゃが、そなたは闇落ちした精霊を救った功績は既に妾が他の精霊王に流したからの?」
「そんな勝手な!」
「義に熱き火の精霊王は捨て置かぬな。礼節を重んじる水の精霊も接触はあるであろうな?」
(摘んだ…)
精霊達は常に人間を見定めている。
特に王となるものはその人間の内にある欲と悪意を察知するに特化している。
(この娘、まるで欲がない…無さすぎる)
風の精霊王はディアナの欲の無さすぎに危うさを感じていた。
生きとし生けるものは皆、欲の為に生きている。
どんな聖人君主でも良くない人間はいない。
そんな人間は死人と同じだとも思っていたのだから。
だが、賢者となる人間は皆そうだった。
属する世界に執着心がない者が多く、そういった者は短命だった。
だからこそ、無理やりにでも契約という形を取り庇護下に置くことを決めたのだ。
(我が子を救った人間をそのままにはできぬ)
口では人間を愚かだと言いながらも風の精霊の本質は深い慈しみでできていた。
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