訳あり伯爵夫人の憂鬱な溜息~旦那様が今日もブチ切れそうで困っています!

ユウ

文字の大きさ
7 / 48
序章~出会い

6.新たな職場

しおりを挟む


私の新しい勤め先が決まりました。

勤め先は商業ギルドです。
最初は事務員から始めようかと思ったのですが、騒ぎを見ていた女性が私に声をかけてくださったのです。



お名前をパトリシア・クレスト夫人。
商業ギルドの副ギルド長をされているそうです。

「実は最近、ギルド職員に対する暴力行為や、問題の多い冒険者が多いんですの。ですが、受付の者は若く特に女性が多いので対応ができないのが現状です。ですので、貴女には商会員をしながらクレーム対応をお願いしたいんですの?引き受けていただけるかしら?」

「こちらとして構いませんが、職務中に怪我をした場合の労災はどの程度まで出ますでしょうか?それから残業手当はいかほどに」

「まぁ、最初からぐいぐい来る方ね?だけど、嫌いではないわ」

「ありがとうございます」


ある程度の危険があるならば、保証をしてもらわなくては困ります。
私自身も一流の営業マンとして、クレーム対応で終わる気はありませんので。

「私はこちらで働きながら商人としてのイロハを徹底的に学びたく思います。故に。売り込みにも行かせていただきたいのですが」

「それは構わないけど…今は不況のあおりを受けていてね。小さな商会は潰される一方で」

「なるほど買収ですか。でしたら私にお任せを」

「え…何をするのかしら」


下町には活気がありませんでした。
先程大工職人さんも不当な解雇をされたと聞きますが、どの時代もブラック企業なる物はワンオペをしては火の粉を被るのは職人さんです。


「して、その商会は何処でしょう?」

「ブリリアント商会よ?うちもあそこにはちょっかいを出されて、織物独占販売をされた所為で困っていてね」


「そうですか」


私が一番最初に立ち寄った商会でお金さえ出せばどのような仕事もしてくださるそうですが、やり方が少々荒いようですね。


ですが、悪徳商会とまでは行かないと思います。
私もああいう手の人間は見てきているのでなんとなく察しました。


「では私が彼から仕事を奪ってまいります」

「は?ちょっと!」


この業界は契約を取った物のが勝ち。
違法にならない程度ならば、手段は選びません。

ええ、法律に触れない程度ならば問題ありません。





プレゼンは私の最も得意とするもの。
そして売り込みも得意中の得意ですので、やりがいがあります。



「大手に喧嘩。いいではありませんか。堂々と喧嘩を売ってカチコミます」

「ただし、今家で作っている商品はこれよ」


見せられたのはコートでした。
綿を使っていますが機能性に欠けているのですが改良の余地があります。


「ではこの一着をお借りします」

「えっ…ええ」


こうして私は初日に売り込みを行う事にしました。

あちら側は質は一級品、ですが問題点が多く。
何より価格が高すぎて下町の皆さんは絶対に買えませんが、そこに勝機があります。


見ていなさいライバル商会。

この私は営業のプロ。

誰にも負けません。


しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果

藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」 結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。 アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。 ※ 他サイトにも投稿しています。

嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後

綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、 「真実の愛に目覚めた」 と衝撃の告白をされる。 王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。 婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。 一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。 文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。 そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。 周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?

処理中です...