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序章~出会い
6.新たな職場
しおりを挟む私の新しい勤め先が決まりました。
勤め先は商業ギルドです。
最初は事務員から始めようかと思ったのですが、騒ぎを見ていた女性が私に声をかけてくださったのです。
お名前をパトリシア・クレスト夫人。
商業ギルドの副ギルド長をされているそうです。
「実は最近、ギルド職員に対する暴力行為や、問題の多い冒険者が多いんですの。ですが、受付の者は若く特に女性が多いので対応ができないのが現状です。ですので、貴女には商会員をしながらクレーム対応をお願いしたいんですの?引き受けていただけるかしら?」
「こちらとして構いませんが、職務中に怪我をした場合の労災はどの程度まで出ますでしょうか?それから残業手当はいかほどに」
「まぁ、最初からぐいぐい来る方ね?だけど、嫌いではないわ」
「ありがとうございます」
ある程度の危険があるならば、保証をしてもらわなくては困ります。
私自身も一流の営業マンとして、クレーム対応で終わる気はありませんので。
「私はこちらで働きながら商人としてのイロハを徹底的に学びたく思います。故に。売り込みにも行かせていただきたいのですが」
「それは構わないけど…今は不況のあおりを受けていてね。小さな商会は潰される一方で」
「なるほど買収ですか。でしたら私にお任せを」
「え…何をするのかしら」
下町には活気がありませんでした。
先程大工職人さんも不当な解雇をされたと聞きますが、どの時代もブラック企業なる物はワンオペをしては火の粉を被るのは職人さんです。
「して、その商会は何処でしょう?」
「ブリリアント商会よ?うちもあそこにはちょっかいを出されて、織物独占販売をされた所為で困っていてね」
「そうですか」
私が一番最初に立ち寄った商会でお金さえ出せばどのような仕事もしてくださるそうですが、やり方が少々荒いようですね。
ですが、悪徳商会とまでは行かないと思います。
私もああいう手の人間は見てきているのでなんとなく察しました。
「では私が彼から仕事を奪ってまいります」
「は?ちょっと!」
この業界は契約を取った物のが勝ち。
違法にならない程度ならば、手段は選びません。
ええ、法律に触れない程度ならば問題ありません。
プレゼンは私の最も得意とするもの。
そして売り込みも得意中の得意ですので、やりがいがあります。
「大手に喧嘩。いいではありませんか。堂々と喧嘩を売ってカチコミます」
「ただし、今家で作っている商品はこれよ」
見せられたのはコートでした。
綿を使っていますが機能性に欠けているのですが改良の余地があります。
「ではこの一着をお借りします」
「えっ…ええ」
こうして私は初日に売り込みを行う事にしました。
あちら側は質は一級品、ですが問題点が多く。
何より価格が高すぎて下町の皆さんは絶対に買えませんが、そこに勝機があります。
見ていなさいライバル商会。
この私は営業のプロ。
誰にも負けません。
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