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序章~出会い
5.大工親子
しおりを挟む「何してんだアンタ!」
扉を乱暴にけ破りを現れたのは肝っ玉母ちゃんでした。
「母ちゃん!」
「仕事を探しに行って騒ぎを起こすなんて何考えたんだ!」
「だって…」
「問答無用!」
体格のいいお母様ですが、片手で大人の男性の首を掴むなんて凄い腕力です。
「なんと素晴らしい力でしょう」
「いや、違うますよ!」
見たところ彼のお母様であるならば既に定年している年頃でしょうに。
その後問題を起こした男性はお母様に首根っこを掴まれた後に騒ぎを起こした事を深くお詫びをされました。
「うちの馬鹿息子が申し訳ありません」
「いいえ、私は何も…」
「父親が病気になって、三か月前に長年勤めていた商会を解雇されてしまって。それで慣れない仕事を転々としていたんです。なんとお詫びをしたらいいか…最近は物価の値上がりも酷く、下町の大工ギルドに仕事も減ってしまって」
「大工?大工さんですか」
「ええ、夫は大工ギルドの中では古株で息子も大工何です」
これは良い事を聞きました。
実は新しい家を手に入れる為にも各社で家を立てたかったのですが、少しお話を伺いたいですね。
「実は私は大工さんを探しておりまして」
「え?」
「しかし私のような小娘では相手にしてくれないと思っていたのですが、息子さんは職人の手を持ちですね。しかもかなりの熟練…木材を見る目もおありでは?」
「はい…ですが、どうして解ったんです?」
私は建築関係も携わって来ました。
必要とあれば契約の為に大工さんの元に通う事も少なくありませんでした。
職人の中でも極めている方の中でも木材を目利きする人の目を見れば解ります。
それに胸倉を掴まれた時に手がゴツゴツしていました、木材の匂いがしましたので失業中も大工の仕事をしていたのではと思いました。
「見れば解ります。本物の職人とそうでない人の違いを…そこの方。先ほどは失礼を申しました。ですが、貴方には事務作業は向いていないともいます。大工さん以外はできないのでは?」
「それは…」
「貴方が大工としての天職に誇りを持つならば、止めるべきではありません」
「嬢ちゃん」
女性を軽視する発言は許せませんが、もしかしたら勢いで言ったのでしょうか?
それとも女性関係で嫌な事があったのかもしれません。
「それで貴方はどういった方ならばお仕事を受けてくださいますか?私のような小娘でもちゃんと仕事をしてくださいますか?」
「俺は一度受けた仕事に妥協は許さねぇ!」
職人気質に良い目をお持ちのようですね。
「では仕事をお願いします。良いお働きをしてくださるならば貴方の腕前を私が宣伝して差し上げます。勿論宣伝費用は無償…いかがです?」
「アンタにできんのか?」
「私は出来ない約束はしない主義です。商人は信頼第一です。破ったら首を吊りましょう」
商会を通せば仲介料が発生します。
ですが直接契約ですとその分お安くなるはず、しかも親子で大工とくればお母様も建築に詳しいはずです。
就職活動に来たのですが、思わぬ収穫がありました。
「すいませんが三番の方」
「あ、私です!」
他の受付の方に呼ばれとりあえず、連絡先をと思いましたが。
「まだ名刺がありませんでした!なんたる不覚、なんたる失態!連絡先を交換できません!」
「ひぃ!」
「嬢ちゃん、そんな怒るな。俺達はこの近くに住んでいるからよ。ほらあそこだ」
「解りました、では二時間後に向かわせていただきます」
タイムイズマネーです。
この後仕事を紹介してもらった後にすぐに参りましょう!
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