訳あり伯爵夫人の憂鬱な溜息~旦那様が今日もブチ切れそうで困っています!

ユウ

文字の大きさ
43 / 48
第一章婚約破棄事件

30.お忍びの会話

しおりを挟む



社交界では私が姿を消したことで勝手に噂が流れていいました。


「レティシア様、計画通りですわ」

「ええ、本当に社交界は恐ろしい場所です事」


現在私はチェルベロ子爵家にお邪魔していた。
勿論お忍びで訪問し、今後の作戦会議をしていたのだ。


「皇太子殿下の怒りを買い、社交界だけでなく商会にも顔を出す事もできずに領地で謹慎処分を言い渡しているのだと噂をする者が増えています」

「そのようですわね…」


私が社交界に出ないことを良い事に私の後釜を狙おうと思っている方も多いでしょうが、そう簡単に行きません。

今の私の地位を築くのに十年の歳月と多くの方の協力があって為す事ができたのです。
そう簡単に行くわけもないのです。

「現在レティシア様の考えたブランドを真似たドレスやアクセサリーを社交界に流行らせようとしているそうですが」

「流行とは、タイミングがあります。それに似たようなアクセサリーは意味がありませんわ」

「同感ですね。私も帝国一の宝石商を営む者として呆れましたわ」

チェルベロ子爵夫人はジュエルデザイナーとしての誇りがあるのでしょう。
模造品ならばともかくまったく同じデザインで売り出す事はデザイナーの誇りがないと思ってしまわれても仕方ありません。


「それに、装飾品は安全性が命です」

「ええ、肌に優しい物を使わなくてはならないのですが…軽はずみに銀を使って肌に影響がでないといいのですけど」

「そこまで計算しているとは考えにくいですわ」


他のアクセサリーも同じです。
宝石の石が大きければ一度は目につきますが重すぎてもダメなのです。

宝石の保存に関してもです。
売ってしまえば終わりという考えではお客様からの信頼を得ることはできません。

「見た目だけ派手な宝石など意味がありません。宝石だけではなく」

「ええ、服や靴にアクセサリーはあくまで鎧なのです。私達が戦う為の」


社交界は戦場でもあるのです。
他家に舐められないように着飾りながらも相応しい恰好をして戦いに挑む鎧。

流行だけを考え一度着てはい終わりは二流の考えなのだとこの十年で学びました。


「本当の意味で女性の事を考えないで作った場合、どうなるか」

「すぐに結果は解りますわ」


私達は笑みを浮かべながら次なる作戦を考えるのでした。
服飾品の流れを止めた後に次に痛手となるのは、食料であり、特に塩の貿易です。

別に止めたりはしませんよ?
そんなことをしたら民が困りますが、外国から輸入しづらくなるようにするだけ。

そして貴族達が口にする上質な塩がなくなり民が口にしている塩を口にするだけなのですから。



しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果

藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」 結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。 アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。 ※ 他サイトにも投稿しています。

嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後

綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、 「真実の愛に目覚めた」 と衝撃の告白をされる。 王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。 婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。 一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。 文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。 そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。 周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?

処理中です...