訳あり伯爵夫人の憂鬱な溜息~旦那様が今日もブチ切れそうで困っています!

ユウ

文字の大きさ
42 / 48
第一章婚約破棄事件

29.第三者視点~セレニティーside③

しおりを挟む





あの後ギャアギャ叫んでいるだけだった馬鹿を放置して邸に帰ることにした。


「おい待て!」


「きゃああ!誰かぁー!」


人通りの多い場所で私は悲鳴を上げる。

「助けてください!」

「なっ!貴様!」

私の腕を掴み乱暴な行動をするのを見せつければ、学園の警備隊が急いでかけつける。

「どうされました!」

「この方が、いきなり私の腕を掴んで…それで」

「また貴方ですか」

「まったく、今度はアスガルト伯爵令嬢に手を出されるなんて」


学園内では馬鹿一行の問題行動は教師からも頭を抱えていたのだ。
皇太子殿下や高位貴族ならまだしも没落寸前の下級貴族で粗鋼も悪く成績が悪い所為で留年している生徒ならある程度乱暴な事をしても問題ない。


「何をする!俺はあの女の婚約者だぞ」

「何を世迷言を。第一婚約者をあの女等と呼ぶなどお育ちを疑いますね」

「無礼にも程がある」


「離せ!貴様達!俺にこんな事をしていいと思っているのか!」


後ろでギャーギャー騒いでいるけど。
私は怯える素振りを見せながら内心では笑ってやったわ。


「セレニティー様!」

「大丈夫ですか!」


騒ぎを聞きつけクラスメイトが来てくれた。

「まったく本当に迷惑な人だわ」

「頭がおかしいのではなくて?」


絶対頭にウジ虫が湧いているわね。
二人は未だに周りを警戒しながらも馬車が来るまでの間、傍いてくれた。



そして私は邸に戻り、今日の事をお父様に報告すると。


「あの親子はそろって頭がおかしいな」

「お父様、あんな頭の悪い連中とお母様は恋人だったの?正直男の趣味を疑うわ」

「断じてない。婚約はしていたが、義理だ。それに他の女に浮気をして、追剥のように何もかも奪い支度金代わりに父君から送られた家も奪って身一つでレティーを追い出したんだ」

「フーン、親子そろって常識がないのね」

「ああ…まぁ、最終的に花嫁道具は取り戻し、慰謝料も最低限であるがもぎ取ったがな」

「流石お母様」


きっと婚約だってお母様の本位じゃなかったのでしょうね。
じゃなきゃありえないわ。


「でも、どうして私とあの男が婚約するなんて話になったのかしら?」

「あー…それはだね」


お兄様が怪我をした事もだけど随分と詳しいわね。

当事者じゃないと知らないことをあそこまで詳しく知っているなんて妙だと思った。


しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果

藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」 結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。 アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。 ※ 他サイトにも投稿しています。

嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後

綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、 「真実の愛に目覚めた」 と衝撃の告白をされる。 王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。 婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。 一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。 文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。 そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。 周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?

処理中です...