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第一章婚約破棄事件
33.蓄積された怒り~ケネシーside②
しおりを挟むビラを破り苛立ちを抑えながら思う。
そもそも、何を間違えたらあんな愚行ができるのか解らない。
結婚直前で他の女性に浮気したまでは理解したくないが、ある程度は解らなくもない。
社交界では愛に生きるべきだと馬鹿な事を言う貴族少なくないのだから。
私自身もレティーに出会わなかったら結婚する気もなかったし、恋等愚かだと思っていた。
恋に溺れ役目を失い、周りを不幸にする様子を見て来たからだ。
侯爵様のように覚悟を持っているならばいい。
だが、大半は恋に恋をして溺れて、一時の感情に支配されたにすぎない。
貴族である以上責任が伴い我らの行動一つで他人の命を簡単に奪う事ができることを自覚しなくてはならない。
ジャスパーの行動も同じだろう。
レティーがもし自殺でもしていたら、知らなかったで許されない。
生存遺言でちゃんとした誓約書を書いたにもかかわらず、父親が死んだからと好き放題して許されると思っている時点でアウトだ。
「何処までも馬鹿な治らないのか」
「心中お察しいたします」
隣でヴィルマが憐れみの表情を向けるも、このまま大人しくしているつもりはない。
「既に不敬罪だけでは飽き足らず、実害を受けている。このまま裁判に持ち込むまでもないな」
「はい、既に町のど真ん中でやらかしていますので」
セレニティーは意図して、あの馬鹿息子を刺激して暴言を吐かせている。
学園から追い出されるのも時間の問題だろうし、学園内で馬鹿をした子息達の首も斬られるだろう。
「奥様が子爵夫人と共に動かれております」
「あれな…本当に容赦なく潰す気だな」
同情はしない。
レティーが止めなければ金に物を言わせてでも彼等を国外追放にしていたかもしれないが。
「レティーが償いをさせるべきだと言っていたが…」
「ええ、このまま謹慎処分なんて生ぬるいですもの」
「流石奥様です」
マークもうんうん頷いている。
「手紙では、社交界で恥をかかされた令嬢を集めてお茶会をして慰めているそうだな」
「表向きは…ですわね」
本当の目的は婚約者を失った彼女達に新たな良い相手を探したり、婚約者との婚約が破談になり婿入りが望めないので爵位を継承できるように助言をしているそうだ。
婚約者を蔑ろにした彼等は絶対に婚約解消をされない自信があったようだが。
勘違いをしている。
いくら自分よりも身分が下であろうとも、爵位を引き継いでいない令息に権限はないのだから。
後から痛い目に合うのは自分だと言う事を思い知ればいい。
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