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第二章
閑話4晒される噂③
しおりを挟む公の場では言葉がナイフのようだった。
人はうわさで殺せる。
心無い噂で人を精神的に追い詰めることができる。
これまでオレリアは悪い噂が流れてもキャサリンが耳に入らないようにしていた。
所詮は箱庭の中でしか生きていなかった。
だからこそ噂の恐ろしさを身をもって知ることになった。
「見て、声を上げてなんて下品なのかしら」
「化けの皮が剥がれたのでは?」
「元から図々しい方だったけど顔の皮の分厚さは辞書以上の分厚さね」
ひそひそと囁く令嬢はオレリアを馬鹿にしていた。
「なんですって!」
「オレリア、止めろ」
「どいて!」
この場で騒ぎを起こすのは流石にまずいと思ったロイドだったが、既に遅かった。
「黙って聞いていれば何なの?言いたいことがあるならはっきり言いなさい」
「まぁ、大きな口を開けて下品ですわ」
「やはりキャサリン様がいらっしゃらないと何もできないのね?」
令嬢達はオレリアの虚勢に気づいていた。
これまで社交界で自信に満ち溢れた態度はキャサリンの支えとフォローがあっただけだ。
「先日の実力テストの結果が酷く、次の試験の結果でクラスが下がるかもしれないそうですわね」
「今でも最低なのにね?侯爵令嬢とも…ああ、ごめんなさい?もう侯爵令嬢ではありませんものね」
「何を言っているの!私は…」
「だって、フォーカス家にお嫁に行くんですってね?ジュレイド侯爵家からは感動されたんですって…何かもすてれ真実の愛を貫いたと」
「真実の愛?」
オレリアは絶句した。
社交界の噂がここまで酷いとは思わなかった。
「本当にどういう神経をしているのか」
「幼少期から支えてくださった友人の婚約者の前で仲睦まじくして傷つけて、最後は婚約破棄をして慰謝料も支払わず…あろうことか彼女を悪く言うなんて」
「どうしたらそんなことができるのか…キャサリン様がそんなに邪魔だったのかしら?」
「いくらキャサリン様が妬ましいからと言って殺そうとするなんて」
「何を言っているの!なぜ私がキャサリンなんかを…伯爵令嬢でしかないキャサリンを…逆でしょ!今までは私の友人だからいい思いができたのに!」
「オレリア?」
ロイドはオレリアのあんまりな言葉に耳を疑った。
いくら何でもありえないと思ったがオレリアは自分が何を言ったか理解していない。
感情的になり、頭がついてこなかった。
だからこそ、言ってはならないことを言った後は遅かった。
「伯爵令嬢でしかないキャサリンは私がいたからあの程度の容姿でも評価された。私のおかげなのよ。私がいなかったらあんな女!」
後悔先に立たずとはよく言ったものだった。
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