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33.悪役令嬢の過ち~シャーロット

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私が前世の記憶を思い出したのは10歳の頃。
シュバリエ公爵家のご令嬢として生を受け、王太子殿下の婚約者として選ばれた私は政略結婚ながらもアレンディス殿下に憧れていた。


だけど、10歳の頃。
熱を出して、ここが乙女ゲームの世界であると気づいた。


そしてヒロインの当て馬である悪役令嬢であることに。


けれど、そこまで絶望していなかった。
アレンディス殿下に対しては憧れ程度で前世からの推しは別にいたのだから。


その人は――。


七色の宝石を君の続編のメインヒーロー。
アクアパレス王国の王太子殿下のウィルフレッド・アクアパレス。

海の国の王子様で、続編前は攻略対象ではなかったけど。
続編では攻略対象になっていた。


隠しルートには悪役令嬢ルートが存在する。
婚約者に冷たくされ、それでも耐え忍ぶ悪役令嬢を慰め、交流する中で恋愛フラグが立つものだった。


なのに、何処で間違えたのだろうか。


「シャーロット。正式にお前とアレンディス殿下との婚約が白紙になった」

「はい…」

「なんて事をしてくれたのだ!」


執務室で机を叩き、お父様は私を睨みつける。


「学園で騒動をお越し、恋愛事で殺人沙汰になるとは…公爵家は終わりだ」

「お父様!」

「お前は学園を即退学になった後に北の領地の修道院に入ることが決まっている。それまで懺悔をしながら過ごすが良い」

「北の領地…」


それは、悪役令嬢が追放される場所だった。



「この度の一件で辺境伯爵家が事を構えるつもりだ。お前は隣国の王太子妃に手を出したのだ」

「王太子妃?」

「ジゼル嬢は、ウィルフレッド殿下に婚約を申し込まれたそうだ」


どうして彼女が。

攻略対象の婚約者に過ぎないのに。


「彼女は自分の身を犠牲にして、他の生徒を守った事で賛美を受けている。対するお前は公爵令嬢でありながら取り巻きを制止する事も出来なかった」


「ですが!」

「もはや後の話だ。我がシュバリエ家の権威は失墜だ。笑い者になるだろう」


お父様の言葉が痛かった。


私は何もしてないのに。


何もしなかったのがいけなかったの?


「部屋に戻り、修道院に行くまでの間懺悔して過ごすが良い」


「失礼します」


私は幸せになりたかっただけなのに。

悪役令嬢だから幸せになれないの?


誰に聞いても解らない。


ただ言えるのは、私は選択を間違えたと言う事だけ。

ここがゲームの世界だとしか思わなかった私の過ちだったのかもしれない。


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