巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

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49.男には厳しく~シアンside





本当に馬鹿すぎて涙すら出てこないわ。


「最初に婚約者を裏切り、他の女性に走ったのは何方だったかしら?」

「えっ…」

「婚約破棄宣言がブームになっているのは知ってますが、言っていい事と、悪い事の判断がつかないのかしら?家柄だけのボンクラは本当に頭が悪いです事」

「なっ!」


私を田舎貴族と馬鹿にしていたのだから屈辱でしょうね?
でも道徳が欠けているこの男に私を批難することはできないわ。

今では立場を追われ、噂では両親から勘当同然と聞くわ。


「所詮辺境地に住まうは貴族…ですが、辺境伯爵家と宮廷貴族でしかない伯爵家の次男ではどちらが上なのかしら?ああ、そんなことも知りませんでしたのね?ごめん遊ばせ」

「ぐっ…」

爵位から言えば我が辺境伯爵家は王都に住まう侯爵家よりも上。
しかも実績があるから目の前のボンクラよりもずっと格上になるのだから。

「お嬢様!」

「エイル!」


そんな中、彼女の家の使用人らしき男性が現れる。


「大丈夫ですか」

「ええ…シアン様が助けてくださって」

「シアン様、ありがとうございます」

これはこれは…二人はそういう関係なのね。

「どういうことだ!」


完全に蚊帳の外である状態だった。

でもすごくお似合いね。


「お嬢様と貴方は既に関係ないでしょうに…いい加減にしてくれますか」

「民草の分際で…」

「嫌がる女性に迫る男に言われたくありませんわ。気持ち悪いですわね」

「気持ち悪い…」

他の女性を追いかけていた癖に、あっちがダメでこっちだなんて。

「コロコロ変わって気色悪いですわ。本当に害虫のよう」

「あんまりです!」

「あんまりなのは貴方ではなくて?どうして今頃関係を戻すと?他の女性を選んで都合が悪くなって…なんて女性は貴方にとって欲を満たす道具ですの?この場にいる女性への侮辱ですわよ」

「えっ?」


後ろを振り向くと、突き刺さるような視線を向け睨みつける女子生徒。

あれだけ騒げば目立つに決まっているのに、本当に馬鹿な男。


「最低ね」

「女性を何だと思っているのかしら」

「本当に…」

視線で殺すとはまさにこのことを言うのかしら。

いい気味だわ。
この視線に耐えられなくなるのも時間の問題だけど。


私は退散しようと思ったが――。


「シアン!」

そうもいかなかったようだ。


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