Re:二周目の公爵令嬢〜王子様と勇者様、どちらが運命の相手ですの?〜

星井ゆの花

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第2章 二周目

第04話 魔法使いデビュー

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 小学生としての生活にだいぶ慣れてきた頃、ついに知恵の輪大会当日を迎えました。この大会は、ただの知恵の輪技術を競う目的ではなく、参加者の『魔力的潜在能力』を測定することが可能。
 一周目のわたくしは、典型的な箱入り娘で花嫁修行を行う女学校に通っておりましたので。そのため攻撃魔法はおろか、女子ならひとつは覚えていそうな魅了魔法なども、一切使えませんでした。

 今思うと、他の女子達と随分差がつけられていたんですのね。高校からは、簡単な魔法を習える選択授業があったものの、トラブルの多さから自宅学習に変更。最後まで一周目のわたくしは、魔法と縁のない人生でしたわ。

(けれど、二周目のわたくしはひと味違いますの。大した魔法は使えないんでしょうけど、ちょっとした魔法使いになれるかも。この大会を機に自分の魔力の才を見極めてやります。ふう……思えばこの1ヶ月、辛い修行の日々でした)

 サイドアップに髪の毛を結い上げて、ちょっぴりいつもよりアクティブなわたくしの完成。さらに、何故か大会の必須アイテムとして、指定されている魔法の杖を装備。

(まるで、本物の魔法使いですわ。それにしても、随分と知恵の輪や魔法基礎に詳しくなりましたね、わたくし)

 可愛い顔して案外スパルタなフィヨルドの熱意のある特訓を振り返り、感慨にふけっていると誰かがドアをノックする音。

「おはようヒルデ。お邪魔するよ、準備はいいかい?」

 知恵の輪の師匠であり、優勝候補者のフィヨルドが、わたくしの部屋に入ってきたのです。フィヨルドは高学年部門、わたくしは低学年部門に参加するため、お互いぶつかることはありませんが何だか緊張が走ります。

「おはようございます、フィヨルド。いよいよ大会当日ですわね。わたくし今日は冒険者なファッションで決めてますのよ! 今日から、魔法使いデビューです」

 生まれ変わったわたくし師匠フィヨルドに見せたくて、クルンと回転しながら新品の【藍色魔法使いローブ』を見てもらうことに。胸元についている薔薇のコサージュが、今回のオシャレポイント。
 強くなりたければ形から入るのが、わたくし流なのです。

「ふふっ可愛い。そういえば、珍しく魔法使い用のローブを羽織っているんだね。うん、よく似合っているよ。てっきり冬だから、コート代わりにしているのかと思ったけど。もしかして、ヒルデはこの大会を機に魔法使いを目指すのかな?」

 さりげなく、将来の進路について問われてちょっとだけ考えてしまう。けど、優勝者候補のフィヨルドならともかく、わたくしなんかがこの大会で大きく進路を変わることはないでしょうし。趣味が増えた程度の扱いで良いか、と思いながら将来の方向性を語ることに。

「プロの魔法使いに慣れるかは分かりませんが、趣味の範疇で嗜む程度にはなりたいですわ」
「へぇ。それじゃあ進路は、魔法講座のある学校を選ばないとね。おっとそろそろ時間だから、行こう!」
「はいっ!」

 十二月の冷たい風が吹き付ける中、師匠フィヨルドと仲良く手を繋ぎ、高級車に乗り込むわたくし。まさかこの大会をきっかけに、わたくしの二周目人生が大きく変動するとは想像もしていなかったのです。
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