朱の緊縛

𝓐.女装きつね

文字の大きさ
24 / 47

朱い柄巻

しおりを挟む

 鏡子さんが運転する朱い車は、私と奴代ちゃんを乗せて一層深い山中へと入っていく。茂る木々に月明かりが遮られ夕刻とは思えない程に漆黒を増していた。

 スピードを弛める事なく走る車は山中の砂利道を弾く石の音を響かせながらお尻を遠慮無しに突き上げる。これ気を抜いたら舌を噛みそうだよ、奴代ちゃん……よく爆睡していられるなぁ。

 揺れる視界の中、照らすヘッドライトに大きなフェンスが見えると鏡子さんは脇に逸れて車を停めた。ここが目的地? こんな所にいったい何があるというのだろう。

 エンジンを掛けたまま車を降りた鏡子さんは、フェンスの正面でキョロキョロと何かを探しているように一周を見渡し、おもむろに大木の幹に手をかけた。幹の溝に指先をこじ入れているみたいだけど……木の皮でも剥がそうとしているのか?

 するとカチャッと音を立てて大木の表皮ひょうひが開き、インターホンのような機械が蛍のように薄明かりを見せる……なにかの秘密基地みたいだな、まるで。

 うなるエンジンの音に良く聞き取れなかったけど、鏡子さんは誰かと会話をしているようだ。前もって約束していたかのようにごく短い時間でインターホンと大木の表皮を元に戻すと、錆びた音を立てながらフェンスがゆっくりと開いていった。

 開き始めたフェンスを背中にスタスタと運転席に戻ってきた鏡子さんはステアリングを持ち直してヘッドライトを向ける。暮れる闇の中でギシギシと開かれていく赤黒い扉……それはまるで地獄の入り口のようだった。

 私達三人を乗せた車がそのおぞましさすら感じるフェンスを通りすぎた瞬間、窓先に三、四人の人影が見えた……見間違えてなどいない、ライフルを構えていた彼らは間違えなく軍人だ。その様に思わず口を塞いだ私に鏡子さんはケラケラと笑いながら「お前は二度と来ない場所だろうから今夜は貴重だぞっ」と言った……こんな怖い所にひとりで来るわけないだろ、とツッコミたくなる。

 だけど……なんだかんだ言っても鏡子さんに頼りっぱなしだ。鏡子さんがすごく強い人なのは分かるけど、大切な人なのに何も力になれていない自分が時折すごく悲しくなる。しかし、鏡子さんは超能力者なのか? そんな事を考えていると必ず頭をパシッと叩くんだ、まったくもうっ。

 減速する事もなく少しの時間を過ぎた頃、ヘッドライトが照らす先に思考を更に混乱させる光景が飛び込んできた。

 えっ……ま、街?

 まるでそぐわないこの場所に三階建て、五階建ての建物が建ち並び、街路樹までもがそびえている……田舎の集落なんかじゃない、これは街だっ。

 その異質に唯一明かりが灯る三階建てのビルの前まで車を走らせた鏡子さんは、そこでキーを廻しエンジンを切った。勢い良く運転席のドアを開け、私達に背中を向けたまま右腕を揺らして早く来いとうながす。

 あたふたと置いていかれるよう車を降りて、微睡まどろむ奴代ちゃんを揺すり起こした。奴代ちゃんも緊張して疲れていたのかな? にしても、お弁当全部たいらげたのに寝起きでお腹すいたはないだろっ、

 既に建物の中へ入っている鏡子さんを追った背中に遅れて着いてくる奴代ちゃんを余所よそに、私は至極当たり前の力でドアを引いた。

 と、あれ? んっ! ……お、重っ、

 見た目は普通の扉に見えていたけど、金属製の扉は私の腕力では微動にもしないっ、壁に脚を掛けて懸命に引いてもまるっきりだと諦めた時、その重い扉があっさりと開き私と奴代ちゃんを部屋の照明が眩しく照らした。

 フラフラと尻餅をつきそうになった目の前に格闘ゲームのキャラクターのような大柄な男性が飛び込んだ。美女は大歓迎だと言いながらさす顎髭あごひげがことさら卑猥ひわいだ……女性になる前だったら絶対に目を逸らしていたな、うん。

 部屋の中に導かれると鏡子さんは早くもソファーに身体を投げてすっかりくつろいでいた。その雰囲気だと、この平田ひらたさんという男性はどうやら鏡子さんにとって日の浅い相手ではなさそうだ。

 私は鏡子さんの隣に、奴代ちゃんは対面のソファーにテーブルを挟んで座ると、鏡子さんが「私の嫁と娘に悪さするなよ?」とケラケラ笑い声を上げた。やれやれと腰を下ろす平田さんとのやり取りは何か “ 親友 ” のようにも映る程だ。

 それ以上筋肉つけたら動けなくなるんじゃないかと言う鏡子さんに、美女三人じゃ生殺しだと平田さんが笑う……どうにも話題がエロい方向になっているような気がするなぁ……おぉ~い鏡子さぁあん、まだ男性相手は処女なんですよぉ。

 一時の間を置いて鏡子さんに用件を伺いかけた平田さんがため息をつき、たまには色っぽい理由で訪ねて欲しいもんだと呆れたような口調で鏡子さんを見た。なにかを語る事なく二人は用件を把握できたのだろう。

 鏡子さんはニヤニヤしながら『仕上がりを確認したいが平田以外は勝負にならないのだから仕方がない』と言いながら肩をぐるぐると回している。勝負って何の事だろう? 平田さんと喧嘩したら負けそうだぞ、さすがの鏡子さんでも。

「ったく、んじゃ勝者のご褒美は嫁さんってならいいぜ」

 待て、ご褒美? 嫁って私の事かっ、おい、ごらあぁ鏡子さぁあんっ!

 平田さんは落としていた腰を上げ「待っていろ」と奥の部屋に入っていく、即座に鏡子さんの腕に手を添え辞めるように促した。冗談でもあんな屈強な人と喧嘩なんかしたら無事で済む訳がないものっ。

 すると鏡子さんは軽い遊びだから心配は無用だと私の髪をなぞる「私が優を誰かに抱かせたりする訳ないだろ」って、いやそうじゃなくてっ、それもまぁ大切だけど鏡子さんに何かがあったら私は……と、時間を待たずに姿を見せた平田さんが「年代物の割には完璧な仕上がりだぞっ」と鏡子さんに細長い物を投げ渡した。

 見間違えてなどいないっ、柄巻つかまききがあかいそれは日本刀だ……き、鏡子さん。

 金属製の扉が開き、私の不安を余所に二人の脚が外へと向かう。街の景観を残したまま人間だけが消えた異質の真ん中で、二人は冬の空を仰いでいる。何かを話しているようだがとがっていく空気にそれは掻き消されていた……やがてゆっくりとさやを抜いた刀が月明りを照らし、跳ねた鏡子さんを映す。それはひどく妖艶ようえん、まるで魔焰まえんのようだ。

 持ち直した柄にやがて夜風が止まった時、尖った空が割れた。

 鏡子さんの持つ刃渡り一メートル程の朱い柄巻きの刀が、平田さんの首筋近くの空を切ると、そのままからすねを狙い、次は側転、後中転で平田さんの刀を避ける。

 映画やテレビで見るように刀同士を激しく合わせたりはしていない。まるで新体操のリボン競技のように刀を操り相手の刀を避ける二人……私は事の危険さも忘れ、その美しすぎる光景に魅入られていた。

「奴代ちゃん。あ、あれって」

「剣術ってヤツです。剣道と違って殺傷さっしょう術ですよ、刀同士をぶつけたりしては切れなくなりますからね。鏡子さん……かなり強いですよ、動き的にあれはたぶん神陰しんいん流の種。でもあの強さは死を覚悟している強さです、人を呪わば穴二つってやつですよ。命への執着をも捨てて、己を貫いているんです鏡子さんは。にしても……あの速さは人間技じゃありえないような」

 人間技じゃないってと言葉を詰まらせた時、遠い耳元に鈴のが響き始めた。

 鏡子さんの首筋に揺れる鈴音、あれはそう “ 夏稀さんの形見 ” だ。

 その音色がひとつ響くたびに鏡子さんの刀は次第に加速していくようだった。鳴り響く鈴の音と共にそれまで互角だったはずのバランスが崩れ始める。

 平田さんの表情に苦しさが浮かび始めた。鏡子さんの刀を避けるだけで精一杯のようだ……いや、どうやら避けきれてもいないらしい、鏡子さんの刀はまるで容赦無く平田さんの身体のあちらこちらから鮮血を飛び散らせていく。

 極限のような光景……だが鏡子さんのさまを見ながら何度も眼を擦り疑った。

 鏡子さんの隣に夏稀さんが見える、いや、そこに居る。似ているから見間違えているとかそういう事じゃない、鏡子さんの姿と重なるように巫女みこのような服を着た夏稀さんが間違い無くそこに居るんだっ。

 夏稀さんも刀を持ち鏡子さんとは違う方向から平田さんを狙い刀を奮っている。二つ刀が舞うその早さはまるで千手観音のようだ……奴代ちゃんにもそれが見えているのだろう、身を乗りだし瞬きを忘れた眼を見開いている。

 その光景に私達が魅入られていた時、平田さんの鮮血が私の頬にまで飛び散り、ようやく我に還った。

 あれでは平田さんが死んでしまうと急ぎ止めに入りかけた時、突然眩しい光が照らし、殊更ことさら大きな音が闇を裂いた。鏡子さんと平田さんの僅か手前で車が止まり、ヘッドライトが周囲を煌々こうこうと照らすと張りつめていた空気が一気にゆるんだ……私は忘れていた呼吸に胸を撫で下ろした。

 目の前に現れた軍事車両のような車の運転席から男性が何やら平田さんに言葉を伝えている。私達の方に振り向いた平田さんが唐突に今から仕事が始まるから部屋に入れと声を荒げた。何か先程までとは違う雰囲気だ。私達は平田さんの言うまま部屋に入り、重い金属製の扉に鍵をかけた。

 しかし、あの鏡子さん……というか夏稀さんは一体何だったのだろう、あの様はまるで “ 鬼 ” そのものだ。

 部屋に戻りさっきまでの戦慄せんりつを飲み込んでいると、それを無理矢理吐き出させるかのように、突然外から戦争映画のような銃音や爆発音が響き渡った。鏡子さんの腕に思わずしがみついた私は余程不安な表情をしていたのだろう、鏡子さんは訓練の一環だと微笑んだ。

 しかし、この後に続いた鏡子さんの説明に私は言葉を失った。

「ここはな “ SAT ” テロリスト対策特殊部隊の演習場さ、演習といっても限り無く実戦に近いがな。さっきの車に乗っていた人間は全員死ぬだろう、仮想のテロリストとして。あの車に乗って居たのは身寄りのない死刑囚さ、三十分逃げ切れば自由の身っていう希望を抱えここに来たんだ。テロリスト役としてな」

 その事実に事知れぬ絶望を感じ、何かが激しく葛藤した。自分でも分かる程に身体中の震えが止まらない。鏡子さんは胸元に私を抱き寄せ、優しく耳をふさいでくれている……でもその暖かさの中でも葛藤は収まりを許せなかったようだ。

 いくら死刑囚だからってそんな事……お、おかしいよ、こんな争いばかりの世界なんて。


――一刻を過ぎた頃、聞こえていた喧騒けんそうが消え静寂せいじゃくが戻ると平田さんが顔を覗かせた。爆風のせいなのか、その身体は土埃つちぼこりまみれだ。平田さんは数回深呼吸をして息を整えた後、おもむろにシャツを脱ぎ捨てた。

 キャッ、ってあれぇ……な、何で照れているんだぁ、私ぃ。反射的に顔を覆ってしまった……なんか自分の心情がわからなくなってきたぞ。

「ところで鏡子。どうせお前の事だ、だけじゃないんだろ?」

 私を胸膝に抱いたまま鏡子さんは頬杖をして微笑むと平田さんに問い掛け始めた。まるで点を繋げるようにキーワードが流れてくる。

「黒い九月とアウム教の残党はまだ刈れてないのか、平田ぁ」

「いや、前回の青森で全滅させたよ。思考を継ぐような分子もことごとくな」

「青森? また随分な場所に潜伏していたんだな」

「核の処理場……中間貯蔵施設に潜んでやがった。まぁ物好き以外は近づきもしない場所だろうからな。俺達も政府も随分と発見に時間がかかっちまったけど」

「前回の作戦で分子含め、制圧させた」

「あぁ、まず間違いないな」

 何かが噛み合わないのだろう……鏡子さんは頬杖を顎にあてその思量を改めている。と、突然に電話を貸せと声を荒げ立ち上がった。

 その顔には僅かに焦りが匂っているようだった。平田さんがほらよと電話機をテーブルに上げる。軍仕様なのかやけにゴツゴツとしたレトロな電話機だ。鏡子さんはそれを取りすぐさまダイヤルを回し始めた。

 どうやら電話の相手は先程の老人らしい……鏡子さんが話す電話の内容に奴代ちゃんの顔付きは鋭利に変わった。全部は聞き取れなかったが、どうやらあの川崎という男は私達を騙していたようだ。目的は奴代ちゃんの身柄という可能性が高いらしい。鏡子さんの会話は川崎の身柄を保護ではなく確保してくれとの内容だった。

 平田さんとの僅かな会話の中で、昏迷こんめいに絡んだその糸口を掴んだ鏡子さんに、私はまたも魅入られてしまっていた。間に合ったと安堵あんどした表情で受話器を置いた鏡子さんはソファーにドカッと腰を落とすとニヤケ顔で平田さんを呼んだ……それは普段の鏡子さんらしい口調だ。

「あのさぁ~M686とM3913。また恵んでくださいっ」

「んぁあ? やっぱりそれかいっ」

「手入れ頼んどいた刀引き取るついにでにさぁ、わりぃ期限切れしちまって」

「へっ、むやみやたら使われても困るけどな。待ってろ」

 平田さんは小さめの箱を引き出しから二つ取り出しそれを鏡子さんに投げた。投げられた箱。その外側に書いてある絵が視界に入っていた……銃弾? えっ、鏡子さん……じゃあアレはオモチャなんかじゃなかったの?

 鏡子さんはそれを紙袋に入れ、一度眼を閉じるとソファーから立ち上がってゆっくりと顎を上げる。まるで自分の思考を改めて確信しているようだ。

「おっしっ、おいとまするぞ。優ぅ、奴代。平田ぁ、さんきゅーなっ」

「ハッ……うっせーよ、またなっ」

 鏡子さんの運転する車に戻り、来た山道を引き返す。私はまたお尻の痛みに耐えなくてはならないようだ。

 結局あの川崎って男性が言っていた事は全部デマカセだったのだろうか……鏡子さんいわく男性の話しの辻褄はあっているらしい、だからこそ踊らされたと。しかしカオダボという名前が出なかったら鏡子さんは依頼を断っていただろう。それは鏡子さんも引っ掛かっているらしく、この後に調べに回るようだ。

 そもそもカオダボってと鏡子さんに尋ねると、ベトナムの宗教団体らしいが宗教団体というのはマヤカシで、三万の独自軍隊を持ち各方面にも名前の通るテロリスト集団らしい。 “ アイツらは世界中の宗教に喧嘩を売っているようなものだ ” と鏡子さんは言った。まぁ、はからずともそんな人達が相手じゃなくて良かったのだと思う。

「これでもう終わったようなもんだ。優と奴代は家で降ろすな、多少だが時間にブランクがあったからな、ここからは私一人で片付けるさ。奴代を連れ回して存在をこれ以上漏らす方がリスクだ」

 すっかり暮れた山中をヘッドライトが照らす……その外側は眼を閉じるよりも漆黒しっこくに見えた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

処理中です...