3 / 62
幼なじみと隣の席の女の子
どんどんのめり込む、あやぽん活動
しおりを挟む「ううう、辛いよおお、涼ちゃん」
高校生活が始まって1ヶ月が過ぎた。
避けていたわけでは無かったが、入学してから雪乃とはずっと会っていなかったが、今日、久しぶりに雪乃に会った。
学校から帰り、本屋であやぽんの出ている雑誌を買って、ウキウキしながら家に帰る途中に偶然部活帰りの雪乃と出くわした。
雪乃は見るからに疲れている様だった。やはり名門高校での部活動は大変なのだろうか……。
「部活……大変?」
俺は気持ちを、感情を抑え、雪乃にそう聞いた。
「朝練があって、昼はミーティング、そしてメインの夕練、しかもコーチは鬼、今日はインターバルやらされてもうヘロヘロだよ……今週の土日は試合だし、夏休みは合宿で、遊ぶ暇が無いよおお」
「──へーーそうなんだ」
俺は作り笑顔でそう言った。でも内心ではそんな事に、もう雪乃には全く興味が無い。
どうせ愚痴をこぼしたい為に……また俺を利用しているだけだろ?
そんな下らない愚痴を聞くよりも、俺はあやぽんを見たかった、一刻も早くあやぽんの笑顔を、あの恥じらう様な笑顔を見たかったのだ。
「──何? その態度?」
「……え?」
「私……何かした? 今までそんな素っ気ない態度した事無かった……」
「そ、そう?」
「──なんか……涼ちゃん変わったね……」
雪乃がそう言って不機嫌になる。
雪乃は高校に入り、長かった髪をバッサリ切った。
黒髪のベリーショート、すっかりスポーツ少女になった雪乃に変わったと言われ、俺は一瞬イラっとした。
変わったのはお前のせいだって言いたかった。
でも、そんな事を言った所で、何も始まらない。
もう俺の中では終わった恋なのだから……。
俺は作り笑顔を崩さずに、何も言わず家に向かって歩いた。
隣の雪乃も、何も言わず一緒に歩いている。
家が近いので仕方がない……お互い先に行く事も後から行く事も出来ず、ただ無言で歩いている。
でも、俺達はもうただの幼馴染みだから、いや、雪乃にとってはずっとそうなのだろう、ただの幼馴染み、ただ昔から知っているだけの、ただの知り合い。
俺は今後雪乃には、何もしてやれない、だけど、幼馴染みと言う記憶は、好きだった人、初恋の人と言う記憶だけは残る、それだけはずっと残しておくってそう決めていた。
あの出来事と共に、俺が雪乃の先輩から聞いてしまったあの言葉と共に俺を影で拒絶していた事実と共に、俺はずっと心に残す。
そしてそれは決して、雪乃には話さないって、そう……決めていた。
◈◈◈
「あああああ、やべえ、可愛い、超絶可愛い……」
家に帰ってあやぽんの出ているファッション雑誌を見る、
雪乃に会ってしまった不快感が一瞬で消え失せた。
あやぽんの新しい笑顔が、さっき見た雪乃の記憶を上書きしてくれる。
俺はあやぽんに夢中だった。あやぽんの事を知ってから、ずっとあやぽんの事を調べまくっていた。
でも……あやぽんは謎だらけなのだ。
年齢不詳、住んでいる所も……まあ恐らくは学生なんだろうけど……。
あやぽんは雑誌やイベントに出る時、毎回髪型、髪の色、そして化粧を変えてくる。場合によっては目の色さえ……。
故にどれが本当のあやぽんなのか? それは……誰にもわからない。
服に合わせているのだろうか?
中学生に見える時もあれば、高校生にも、大学生にも見える。
変幻自在、しかもそのどれもが超絶可愛いのだ。
そしてプライベートは徹底して隠している。
イベントでもプライベートは一切話さない。
【インスト】や、【ツイットー】でも学校の事所か、何処に住んでいるのかも書き込まない。
ご飯の画像も家でのみ、どこかで誰と食べたなんて情報も書き込まない。
あやぽんは、年齢経歴その一切が謎だった。
「あうう、あやぽんに会いたい……ぽ」
アイドルではないので握手会とかは無い、雑誌のイベント等で時々人前に出てくるだけ。
俺は行ける時は必ず行っていた。あやぽんに会いに行っていた。
そしていつもあやぽんを遠くから眺めていた。
会場は女子だらけなのであまり近くに行くと浮いてしまうから。
でもそれだけで幸せだった、
好きな人を眺めるだけで俺は幸せだった。
ずっとそうしていたから。雪乃と時から俺はずっとそれで幸せだった……。
──そう……告白しようなんて、雪乃に告白しようと思ったのが間違いだった。
これからは……好きな人を遠くから、見つめるだけでいい……それだけでいい──
もう……それだけで俺は満足だから。
0
あなたにおすすめの小説
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
隣の席のクールな銀髪美少女、俺にだけデレるどころか未来の嫁だと宣言してきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な高校生、相沢優斗。彼の隣の席は『氷の女王』と噂のクールな銀髪美少女、雪城冬花。住む世界が違うと思っていたが、ある日彼女から「私はあなたの未来の妻です」と衝撃の告白を受ける。
その日から、学校では鉄壁の彼女が、二人きりになると「未来では当然です」と腕を組み、手作り弁当で「あーん」を迫る超絶甘々なデレモードに!
戸惑いながらも、彼女の献身的なアプローチに心惹かれていく優斗。これは未来で結ばれる運命の二人が、最高の未来を掴むため、最高の恋をする糖度MAXの青春ラブコメディ。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる