幼馴染に良い様に使われた、だから俺は彼女を見返す為にいい女と付き合う事にした。そして出会った女子はモデル活動をしていた隠れ美少女だった。

新名天生

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幼なじみと隣の席の女の子

いつもと違う綾波

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 結局俺は綾波の事をよくわかっていない。
 っていうか、何もわかっていない。

 だから知ろうって、もっと知ろうってそう思い学校に来たが……。
 休みだった。

 どうしたのか? 風邪か?
 
 そう言えば、俺は綾波と連絡先を交換してなかった。

 そんな事もしてないで友達かと思ったが、よくよく考えてみたら、雪乃の連絡先も知らない……。
 まあ、雪乃とは家が3件隣、と言ってもうちの小窓から雪乃の家の廊下の窓が見えるので、子供の頃用があったらそこから大きな声を出せば気付くレベルだし。
 まあ、今は近所迷惑なのでしないけど……。

 てか……そう考えたら……俺は雪乃とも綾波とも……本当に友達なんだろうか?

「せっかく夏服が見れると思ったのに……」
 なんてキモい事を周りに聞こえない様に呟いた。

 綾波がいないと全く楽しくない学校を終え、帰宅した俺はそろそろ期末試験の準備をしなければと机の前に……そして参考書を開く前にまずはあやぽんで癒そうとノートPCを開く。

「お! 【インスト】更新してる」
 昨日の夜は更新されてなかったなと、俺はわくわくしながらアップされた写真を見る。

「かわええなあ……」
 いつ見てもかわええ、あやぽん。毎回毎回雰囲気違う。明るい感じの時と少し陰のある感じと両方を上手く使い分けている。
 服によって代えてるのだろうけど……。

「それにしても……あれ? こんな所にほくろあったっけ?」
 今日は珍しく下からあおっている構図、顎の下にほくろが見える。

「こんな所に付けぼくろなんて付けないよな……」
 あやぽん写真は隅から隅まで見ている。今まで見えた事はない……まあ、そこまで高解像度で写っているわけではないのと、アップの写真もあまり上げないので、気が付かなかっただけなのかも知れないと……俺はさして気にする事なくPC閉じて試験勉強を開始した。

◈◈◈

 翌日学校に来ると既に綾波が席に着いていた。
 俺はホッとして、綾波に声をかけた。

「おはよう!」

「え? ああ、おはーー」
 夏服を纏った綾波が俺に手を上げて挨拶する。

「……おは?」

「……ああ──えっと……おはよ」

「おはよ……」
 そう言うと綾波はわざとらしく顔を伏せる。
 なんだろうか? 何か、いつもと雰囲気が違う……。

「あ、昨日どうしたの?」

「え! ああ、うん、ちょっと具合悪くて」

「え? 大丈夫? どこか調子悪かったの?」

「え? ああ、うん、ただの生理生理」

「……え! ああ、うん」
 なんだ? 今日の綾波はどこかおかしい……そんな事を言う人じゃない……。

 さらに俺の疑問は続く……今日の綾波は……普通なのだ。
 授業中も普通、休み時間も普通、うつ向く事なく真っ直ぐ前を見ている。

 そして、なんと言っても一番の疑問が……。

 今日は一度も本を読んでいない……。

「綾波さ、今日は本読まないんだ?」

「え? ああ、うん……そうね、読むかな」
 そう言うと鞄から本を取り出し読み始める。
 いつもの綾波のスタイル……なんだけど……違和感が……。

「──あのさ……あまりじろじろ見ない方が良いと思うよ」

「え! ああ、うん、ごめん」

「……あ、ううん、こっちこそ…………しまった……」
 
「しまった?」

「いえ……こっちの事」

 なんだかわけがわからなかった。
 昨日の話も一切聞いてこない……。
 そして授業が終わると、綾波は俺に挨拶もせずに、そそくさと帰って行った。
 一体なんだったんだろう? やっぱり一昨日の事で怒らせたか? 俺は色々不安になっていた。
 
 そして翌日……綾波が学校に来ると……。

「……おはよ……この間は……大丈夫だった?」

「え?」

「え?」

「あ、いや、うん大丈夫、後でゆっくり話す」

「そか、良かった」

「でも……何で昨日聞かなかったの?」
 1日開けて聞いてくる理由が俺にはわからなかった。気になっているなら昨日聞けばと……なので俺は率直にそう聞いてみた。

「え? 昨日? 昨日は……あ!」
 そう言うと綾波は慌てて鞄からノートを取り出す。
 そしてそのノートを見るなり、プルプルと震え出した。

「ど、どうしたの?!」

「…………な、何でも……ないよ、うん、昨日はちょっと……多分調子悪くて……」

「多分って……そうなんだ、なんか雰囲気違ったから」

「……うん、大丈夫……ごめんね」
 綾波はそう言って俺を見て笑った。
 そして今日は……いつもの綾波だった。じゃあ昨日は一体……。


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