幼馴染に良い様に使われた、だから俺は彼女を見返す為にいい女と付き合う事にした。そして出会った女子はモデル活動をしていた隠れ美少女だった。

新名天生

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幼なじみと隣の席の女の子

綾波と雪乃とあやぽん

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俺は家に帰ると机に向かい頭を抱えた。
 勘違い? 本当に?
 それが本当だとしたら、俺のこの数ヶ月は一体なんだったんだ?
 
「うせやろ……」
 あれだけ悩み、あれだけ苦しみ、あれだけ泣いた。
 それが……勘違い?
 
 いや……でも……俺が雪乃に疑惑を持ったのはそれだけじゃないんだ。
 子供の頃からずっと一緒だったんだ。あいつの事はよく知っている。

 さっきだって別れ際に雪乃はこう言ったんだ。

◈◈◈

「わかってくれた?」
 家の前で立ち止まり雪乃は笑顔でそう言った。

「あ、うん……」
 
「それでさ、涼ちゃんがまだ付き合う様な人がいないなら、彼氏の振りはしてて欲しいんだけど」

「え?」

「ほら、さっき一緒に居た人は趣味の友達なんでしょ?」

「……うん」

「じゃあ問題無いよね、ほら、さっき先輩に言われたでしょ? 彼氏の教育を……とかって」

「教育って……」

「あ! ううん、別に涼ちゃんを教育するって事じゃなくて、ほらそれで直ぐに別れたら色々と角が立つでしょ?」

「……まあ」
 角が立つ……か……。
 まただ、またそれだ……さっきもそうだ……いくら先輩だからって先に言ってきたのは向こうだ。なのに雪乃は……俺に何も言わせなかった。

「だから……ね? お願い!」
 雪乃はそう言って手を合わせて片目を瞑る。
 いつものパターン、いつものお願いの仕方……そして俺は、この雪乃のお願いを断った事が無い。断る事が出来なかった。

 俺には……もう断る理由が……無かった。
 わかっているのに……断る事が出来なかった。

「──ああ、まあ……いいよ」

「やった嬉しい! ありがとう涼ちゃん!」
 雪乃はそう言うと、俺の両手を持って上下にブンブンと振った。

◈◈◈

 そう……やはり雪乃は俺を利用してきた。
 そして俺には断る理由が無くなっていた。
 利用されていると……わかっていても……。

 俺は今……綾波が気になっている……綾波の事を好きになりかけている。いや、好きなんだろう。
 でも、雪乃の事も……。
 ずっと好きだった、狂おしい程に好きだった……そう簡単に忘れられるわけがない……そして俺は一応雪乃の彼氏って事になっている。

「あああ……」
 聞かなければ良かった……どうせ手に入らないのだから……。
 雪乃はあやぽんと一緒だ。
 崇拝するだけの存在、手に入らない雲の上の存在。

 だから俺には……綾波が合っている。俺だけが知ってるあいつの笑顔、あいつの優しさ……。

 え? ちょっと待て……俺は知っているのか? 綾波の笑顔を?

 俺は綾波の笑顔をはっきりと見た事が無い。
 口元だけで判断しているだけ、実際笑っているかはわからない……。

 綾波の優しさ? 心配された事もあるし、言葉の端々に優しさは滲み出ているが、心配された事が優しさなのか? そもそも友達なんだから、女の子なんだから、それくらいの優しさは誰にもあるだろう? 雪乃だって近くに居ればあれくらいの優しさはある……あった。

 いや、そもそも……俺は綾波と付き合える様な前提で好きとか言ってるが、綾波は俺に好意を持っているのか? 人見知りが慣れただけなのでは?
 
 ボッチ同士だから仕方なく一緒にいる? 本の事を話せるだけの存在?

 綾波も俺を……利用している……だけなのでは?

 いや、それを言ったら、そもそも利用するのが当たり前なのでは?

 暇潰し、楽しさ、快楽、経済、友達やカップル、夫婦って……人間って、そう言う物なのでは? お互い利用しあってるのでは?

「うわあ……」
 駄目だ考えがおかしな方向に、こんな事考えてたら人間不信になる。

 俺は立ち上がり部屋の壁一面を占めている本棚、ほぼ全部ラノベなのだが、その本棚に一番下に唯一ある雑誌を数冊取り出し、それを持ってベットに寝転ぶ。

 そして、今、俺が間違いなく確実に一番好きな人を眺めた。

「──あああ、やっぱり可愛い……美しい……俺の……あやぽん」
 考えても仕方がない時、気分が悪い時、イライラしている時の最高リフレッシュ方法。
 俺は大好きな、最愛のあやぽんを眺め……現実逃避をする。

 とりあえず……なるようになる。なるようにしかならない……。
 
 俺はそう……思う事にした。

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