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42-2 麻紗美との家デート

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「はいどうぞ~~」

「おおおおおおお」

 食卓に並ぶ色とりどりの料理……すげえどこかのホテルのバイキング?

「昨日の夜からぁ作ったのぉ、お口にぃ合うとぉいいな~~」

 左からポテトサラダ、マカロニグラタン、餡かけ唐揚げ、鮭のカルパッチョ、卵焼き、肉じゃが、キンピラゴボウ、味噌汁、ご飯……どれも凄く旨そうなんだけど、なんか変な組み合わせ……

「ちょっとぉ頑張り過ぎちゃったぁ」
 ニコニコ笑って俺を見る……

「じゃあ、いただきます」

「召し上がれぇ」
 俺が食べ始めるも麻紗美は見てるだけ……えっとまさかこれを俺一人で……

「麻紗美は食べないの?」

「うん、朝にぃ味見で一杯食べすぎてぇ」

「へーーーそうなんだーーー」

「ケーキもぉ焼いてあるからねぇ」

「はははは、ソレハタノシミデスネ」

「なんでぇカタコト?」

 えっと……これってやっぱりなんか怒ってる?……
 そう思いながら食べると……

「あ、でもすげえ旨い……」
 本当に旨いよ、レストラン並み……

「よかったぁありがとう……」

「なんで?こっちが礼を言わなくちゃ」

「ううん……美味しいって言って貰えるってぇ、凄く嬉しいんだよぉ」

「そうか……旨いよ、すげえ旨い」

「ふふふ、でもぉ得意料理ばっかりぃ出しちゃったらぁ変な組み合わせにぃなっちゃったぁ」

「なるほどそれでか」
 逆に言うと、もっと得意料理があったら、とんでもない事に……
 さて……、じゃあこれで済んで良かったと言う事で……

 俺は気合いを入れてお昼御飯を食べた……


 #####



「ご、ご馳走さ……ま」

「ふええええ、全部ぅだべちゃったぁ」

「旨かった……」

「ありがとうぅ、でもぉ、私途中でぇ無理しなくてぇいいよってぇ言ったよねぇ」

「いや……出された物は……全部食べる主義なんで」

「本当にぃ裕は中学の時からぁ変わらないんだからぁ……もう少しぃ自分勝手にぃなった方がぁいいよぉ、人にぃ気を使いすぎてるぅ、裕のぉ欠点だよぉ」

「欠点?」
 麻紗美は台所に皿を持っていきながら俺にそう言った、人に気を使う事が欠点……

「うん、そうだよぉ、遠慮ばかりぃして自分をぉ主張しない……、殻にぃ閉じ籠ってるぅ、昔の私みたいにぃだから友達いないんだよぉ」
 皿を片付け、水と胃薬を俺の前に置くと向かいに座る。

「友達ねえ、一応少しはいるぞ、麻紗美だってそんないないだろ」
 全然いなくは無い……少しはいるんだって……いや本当に

「私はぁ最近一杯できたかなぁ」

「マジか!!」
 やっぱりか!!う、裏切り者おおおおおお

「うん、まあぁ裕とぉ栞ちゃんのぉおかげだけどねぇ」

「俺と栞の?」

「そうだよぉ、裕がぁ私のぉ殻を破ってくれてぇ自信をくれたのぉ、そして栞ちゃんがぁそれをぉ後押ししてくれた……」
 俺は話しを聞きながら胃薬を口に放り込み、水を飲む……うう水飲むのがキツイ……

「お昼一緒にぃ食べてぇくれたじゃない?あれからぁクラスのぉ子達が一緒に食べようってぇ」

「ああ、あれか……何故か俺と栞が食べようとすると麻紗美を誘うようになったよな」

「うん、一緒に食べてぇわかったんだけどぉうちのクラスってぇ栞ちゃんがぁ絶対的な存在なんだよねぇ、うちのクラスって言うかぁもう1年全部がぁ、2年生にもぉ3年生にもぉ人気があってぇ、凄いよねぇ栞ちゃんて」

「ああ、他校にも友達が結構いるらしいな」
 恐ろしい……栞の交遊関係……よく俺にベッタリでそれを維持できるよな……

「うん、その栞ちゃんのぉ力がぁあるからぁ私もぉお昼に誘って貰えるようになったんだよねぇ」

「でもそこから友達作ったのは麻紗美の力だろ」

「そうなのかなぁ、でもそうしたらぁそれはぁ裕のおかげだねぇ」

「そんな事ないよ」

「ううん、そうなんだよぉだからお礼がしたくてぇ今日家にぃ呼んだのぉ……本当はぁ栞ちゃんもぉ呼んだんだけどねぇ」

「栞も?」

「うん、昨日電話したらぁ、お兄ちゃんとぉ二人でいたいでしょ、私は大丈夫ってぇ、でもぉもしかしたらぁ来てくれるかなって……、一杯作っちゃったのはぁそのせい……」

「2人前だったのか、どうりで」

「二人にはぁ感謝してるんだぁ、ありがとう……」

「そうか……俺はともかく栞には言っておくよ」

「うん、でもねぇ、栞ちゃんにはそこまであまり感謝はしてないんだよねぇ」

「は?」
 なにその手のひら返し?

「私の事を皆がぁお昼に誘ってくれるようにぃなったのってぇ、なんでかわかったからぁ」

「え?理由とあるの?栞が誘えって言ったとか?」
 そんな押し付けがましい事を妹がするとは思えないんだが

「ううん違うよぉ、あのねぇ栞ちゃんてぇ異常な位にぃみんなに好かれてるのぉ、私、今までぇあまりみんなとぉしゃべらなかったからぁわからなかったんだけどぉ、想像してるよりぃ凄いのぉ」

「どう凄いんだ?」
 ああ、また俺は聞いちゃいけない事を聞いている気がする……

「あのねぇクラスのぉ子達はぁ裕とぉ栞ちゃんがぁ付き合ってるんじゃないかってぇ思ってるのぉだから邪魔しないようにぃって」




「え?……えええええええええええええええええええええええええええええ」
 まじか、ええええまじで?

「えっとねぇ厳密にはぁそうじゃないかってぇ程度の事なんだけどぉ直接はぁそんな話しをしてないんだよねぇ、でもそんな空気がぁあるのぉ」

「まじか、それで石垣の時に……」

「ごめんねぇ、そうなんだぁ、でもぉ本当にぃ誰も直接はぁ言わないんだよねぇ、噂話にもぉなってないのぉそれを言っちゃいけないってぇ空気があるのぉ」

「それで何故にクラス全体が動くんだ?」

「だからそれがぁ栞ちゃんのぉ凄い所なんだよねぇ、絶対に栞ちゃんのぉ困る事はしないってぇ感じ?それをクラス全体がぁ感じ取って動いているのぉ」

「俺には全然わからんのだが……」
 それ俺に友達が少ないせいなのか?

「男子にはぁ分からないと思うよぉ私も含めてぇクラスのぉ女子にぃ栞ちゃんを裏切る人はぁ一人もいないからぁ、絶対にぃそんな話しはぁ直接は言わない、多分仲の良い友達同士がぁそれぞれ、そうなんじゃないかなぁ程度のぉ話しをしてると思うのぉ」

「まじか……絶対女王……」
 それで突然邪魔が入らなくなったのか……

「この話しぃ言おうかどうかぁ迷ったんだよねぇ、多分栞ちゃんもぉ知らないんじゃぁないかなぁ、あ、でもぉ、栞ちゃんならぁわかってるかもぉ、そういう子だしぃ……裕は当事者だしぃ知っておいた方がぁいいかなってぇ」

「いや、ありがとう教えてくれて」

「私がぁ言ったってぇ言っちゃダメだよぉ、私クラスからぁ消されるかもぉ」
 身体を抱いて震える麻紗美……

「いやいやいやいや、消されるって、そもそも言えないよこんな事……」

「まあ、そうだよねぇ、もうちょっとでぇ夏休み終わるしねぇ、2学期も大変かもねぇ」
 ケラケラと笑う麻紗美、最近よく笑うようになってくれて凄く嬉しい、麻紗美の笑顔は本当に癒される。

「そうだな~~中学までは本ばかり読んでたのに、高校に入ってここまで色々あるとは……」

「でも……私はぁ裕とぉ栞ちゃんをぉ見守るって事はぁしないからぁ、ちゃんと主張するからぁよろしくねぇ」

 そう言うと麻紗美は俺にウインクをした。

 もうじき2学期が始まる……でもその前に多分……この2日間の反動が来るんだろうな……耳掻きで済むはずがない……

 今のうちにもうちょっとだけ麻紗美に癒して貰おう、そのあとも夕方まで麻紗美とゆったりとした時間を過ごした……勿論……ケーキはお持ち帰りで……



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