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第二章 小さな白竜との出会い
閑話 ユキナのかくれんぼ①
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「姫様~!どこに行ったのですか~?」
「そっちにいたか?」
「いや、毎回毎回どこ隠れているんだ?」
広い城の中を衛兵やメイドたちの声が響いている。
「姫様のかくれんぼ」は城に仕える使用人たち数人かがりで行われ、今日も姫様を探すべく走り回っていた。
切り立った山に囲まれているこの城は、白を基調とした壁に竜のレリーフが施されている。まるでこの城の主を現しているかのようだ。
ワタル達がいる妖魔の森の北側、いくつかの川と街を越えた先にあるビーガーデン山脈。
シーロード王国内でも特に神聖視されたこの山の中腹にそびえる「ホワイトパレス」と呼ばれている城は、人族が来れるような場所ではない。
ホワイトパレスは高い山を越える事が出来る白竜族が百人程で生活している場所だ。
「ほら見つけた」
この城のエントランスに飾ってある肖像画を指差して宣言したのは、第一王子のヒュウガ・ホワイト。
雪のような長髪を腰まで伸ばし、薄い青色の王族衣装を身に着けている。スラリとした長身を肖像画に向けながら金色の目で見つめていると
「むぅ~ヒュウガ兄様はすぐ見つけるからつまんない・・・」
この城の王族全員が描かれた肖像画の一部がふてくされている声を出した後、ピクリと動き出した。
「今回は考えたねユキナ。絵に擬態するなんて、他の者には考えつかない」
「でもヒュウガ兄様はすぐに見つけた。きっとズルしてる」
「ははは・・・俺はどこに隠れてもユキナを見つける能力があるだけさ」
「次は見つからない」
ユキナはパタパタと小さな羽を動かし、ヒュウガの腕に飛び込んだ。ヒュウガはユキナを優しく包み込みこむのは、かくれんぼが終わった後のいつもの光景だ。
「人化の魔法はできるようになったかい?」
「うん・・・まだ少しだけど・・・ねぇ兄様約束覚えている?」
「ああ、ユキナがちゃんと人化の魔法ができるようになったら人族の街に連れて行ってあげるよ」
「それじゃ練習頑張る」
ユキナール・ホワイト・・・城主デュトロ・ホワイトの末娘であり、姫様と呼ばれている存在だ。
二人の兄がおり、長兄はヒュウガ・ホワイト、次兄はフブキ・ホワイト。
兄二人は、精魔大戦の時は幼すぎた為、参戦できず、ユキナはデュトロが眠りにつく直前に誕生したため大分歳が離れている。
デュトロは精魔大戦の戦いで大量の魔力を消費した影響で長い眠りについている。
そのため実質このホワイトパレスをヒュウガが取り仕切っていた。
ホワイトパレスの麓には、森が広がっており、その先に1000人ほどの人族の街がある。
「クサラ」と呼ばれるその街は広く白竜の精霊を信仰しており、ビーガーデン山脈を臨む神殿には毎日多くの信者がデュトロの像に向かって祈りを捧げていた。
・・・・・・・・・
数年後
「あー兄貴!ユキナの奴はどこに行ったんだ?」
「フブキか。ユキナは森にいるよ。ちゃんと分かっているから大丈夫だ」
「そうか。ならいいが。ユキナはドンドンずる賢くなって、城の者じゃ見つけられるのは兄貴と俺くらいだからな」
ヒュウガに走り寄ってきたのは、2番目の王子であるフブキ・ホワイト。
兄とは対照的で、白い髪の短髪で、やんちゃそうな顔をしている。
ヒュウガよりも若干背が低いが、それでも平均的な人族の身長よりも高い。
白竜族の騎士団の団長である彼の腰には無骨な剣を履いており、白銀の鎧を纏っている。
「確かに人化はうまくなったけどな・・・」
「目立ちすぎて心配だ・・・」
そうつぶやきながら、溺愛する妹のユキナがいるであろう森の方へ二人は不安げな視線を向けた。
・・・・・・・・・
「ふんふ~ん♪」
人化の魔法を使いこなせるようになったユキナは、森の中を歩いている。
人族の街へ行ける約束がもうすぐ叶いそうなのでユキナはご機嫌だ。
「もうどこからどう見ても人族。幼霊さんもそう思うでしょ?」
フヨフヨ浮いている白の幼霊に話しかけるが返事はない。
「むぅ~喋らないからつまらない・・・」
確かに姿形は人族の少女だが、その容姿が問題だった。つまり人族基準で美しすぎるのだ。
兄2人に似た白髪を肩で切りそろえ、白の刺繍が付いた青いワンピースを着ている。小さな顔に大きな金色の目。長いまつ毛にスッと通った鼻筋。
そして、全体的に漂う高貴な身分のオーラ。
街を歩けば、その美少女に誰もが振り返るだろう。
「早く行きたいな人族の街。きっと楽しい所・・・む?」
森の外縁部から遠く見えるクサヤの街を見ていたユキナは木の下でうずくまる何かを発見した。
「あれは人族・・・初めて見た・・・」
パキッ
「あ・・・やってしまった・・・」
「だれっ?魔獣なの?」
「ッ!?私は魔獣じゃない・・・失礼な人族」
ユキナは木を踏んでしまった音で気付かれた人族の娘に答える。
本の中で見た町娘という格好をしている。
歳の頃はユキナと変わらず10歳ほどで、茶色がかった髪を三つ編みにして、手にはかごを持っている。
「キレイな女の子・・・」
「む?」
「ごめんなさい・・・魔獣と勘違いして・・・私はリッシュっていうの」
「ユキナール・・・みんなユキナって呼ぶ。リッシュは何してるの?ここは結構危ない」
「お母さんが病気で、薬草を探してるの。なかなか見つからなくて・・・」
「ふ~ん。どんなヤツ?見つけてあげる」
「えっ?いいの?ユキナも危ないんじゃないの?」
「ここは私の庭だから平気・・・」
「庭?」
「そう庭。いつも遊んでるから平気」
「そうなんだ。手伝ってくれると嬉しい」
ニコッ
初めて人族と話して頼られた。その不思議な感情にユキナ自然と笑顔になった。
「そっちにいたか?」
「いや、毎回毎回どこ隠れているんだ?」
広い城の中を衛兵やメイドたちの声が響いている。
「姫様のかくれんぼ」は城に仕える使用人たち数人かがりで行われ、今日も姫様を探すべく走り回っていた。
切り立った山に囲まれているこの城は、白を基調とした壁に竜のレリーフが施されている。まるでこの城の主を現しているかのようだ。
ワタル達がいる妖魔の森の北側、いくつかの川と街を越えた先にあるビーガーデン山脈。
シーロード王国内でも特に神聖視されたこの山の中腹にそびえる「ホワイトパレス」と呼ばれている城は、人族が来れるような場所ではない。
ホワイトパレスは高い山を越える事が出来る白竜族が百人程で生活している場所だ。
「ほら見つけた」
この城のエントランスに飾ってある肖像画を指差して宣言したのは、第一王子のヒュウガ・ホワイト。
雪のような長髪を腰まで伸ばし、薄い青色の王族衣装を身に着けている。スラリとした長身を肖像画に向けながら金色の目で見つめていると
「むぅ~ヒュウガ兄様はすぐ見つけるからつまんない・・・」
この城の王族全員が描かれた肖像画の一部がふてくされている声を出した後、ピクリと動き出した。
「今回は考えたねユキナ。絵に擬態するなんて、他の者には考えつかない」
「でもヒュウガ兄様はすぐに見つけた。きっとズルしてる」
「ははは・・・俺はどこに隠れてもユキナを見つける能力があるだけさ」
「次は見つからない」
ユキナはパタパタと小さな羽を動かし、ヒュウガの腕に飛び込んだ。ヒュウガはユキナを優しく包み込みこむのは、かくれんぼが終わった後のいつもの光景だ。
「人化の魔法はできるようになったかい?」
「うん・・・まだ少しだけど・・・ねぇ兄様約束覚えている?」
「ああ、ユキナがちゃんと人化の魔法ができるようになったら人族の街に連れて行ってあげるよ」
「それじゃ練習頑張る」
ユキナール・ホワイト・・・城主デュトロ・ホワイトの末娘であり、姫様と呼ばれている存在だ。
二人の兄がおり、長兄はヒュウガ・ホワイト、次兄はフブキ・ホワイト。
兄二人は、精魔大戦の時は幼すぎた為、参戦できず、ユキナはデュトロが眠りにつく直前に誕生したため大分歳が離れている。
デュトロは精魔大戦の戦いで大量の魔力を消費した影響で長い眠りについている。
そのため実質このホワイトパレスをヒュウガが取り仕切っていた。
ホワイトパレスの麓には、森が広がっており、その先に1000人ほどの人族の街がある。
「クサラ」と呼ばれるその街は広く白竜の精霊を信仰しており、ビーガーデン山脈を臨む神殿には毎日多くの信者がデュトロの像に向かって祈りを捧げていた。
・・・・・・・・・
数年後
「あー兄貴!ユキナの奴はどこに行ったんだ?」
「フブキか。ユキナは森にいるよ。ちゃんと分かっているから大丈夫だ」
「そうか。ならいいが。ユキナはドンドンずる賢くなって、城の者じゃ見つけられるのは兄貴と俺くらいだからな」
ヒュウガに走り寄ってきたのは、2番目の王子であるフブキ・ホワイト。
兄とは対照的で、白い髪の短髪で、やんちゃそうな顔をしている。
ヒュウガよりも若干背が低いが、それでも平均的な人族の身長よりも高い。
白竜族の騎士団の団長である彼の腰には無骨な剣を履いており、白銀の鎧を纏っている。
「確かに人化はうまくなったけどな・・・」
「目立ちすぎて心配だ・・・」
そうつぶやきながら、溺愛する妹のユキナがいるであろう森の方へ二人は不安げな視線を向けた。
・・・・・・・・・
「ふんふ~ん♪」
人化の魔法を使いこなせるようになったユキナは、森の中を歩いている。
人族の街へ行ける約束がもうすぐ叶いそうなのでユキナはご機嫌だ。
「もうどこからどう見ても人族。幼霊さんもそう思うでしょ?」
フヨフヨ浮いている白の幼霊に話しかけるが返事はない。
「むぅ~喋らないからつまらない・・・」
確かに姿形は人族の少女だが、その容姿が問題だった。つまり人族基準で美しすぎるのだ。
兄2人に似た白髪を肩で切りそろえ、白の刺繍が付いた青いワンピースを着ている。小さな顔に大きな金色の目。長いまつ毛にスッと通った鼻筋。
そして、全体的に漂う高貴な身分のオーラ。
街を歩けば、その美少女に誰もが振り返るだろう。
「早く行きたいな人族の街。きっと楽しい所・・・む?」
森の外縁部から遠く見えるクサヤの街を見ていたユキナは木の下でうずくまる何かを発見した。
「あれは人族・・・初めて見た・・・」
パキッ
「あ・・・やってしまった・・・」
「だれっ?魔獣なの?」
「ッ!?私は魔獣じゃない・・・失礼な人族」
ユキナは木を踏んでしまった音で気付かれた人族の娘に答える。
本の中で見た町娘という格好をしている。
歳の頃はユキナと変わらず10歳ほどで、茶色がかった髪を三つ編みにして、手にはかごを持っている。
「キレイな女の子・・・」
「む?」
「ごめんなさい・・・魔獣と勘違いして・・・私はリッシュっていうの」
「ユキナール・・・みんなユキナって呼ぶ。リッシュは何してるの?ここは結構危ない」
「お母さんが病気で、薬草を探してるの。なかなか見つからなくて・・・」
「ふ~ん。どんなヤツ?見つけてあげる」
「えっ?いいの?ユキナも危ないんじゃないの?」
「ここは私の庭だから平気・・・」
「庭?」
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「そうなんだ。手伝ってくれると嬉しい」
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初めて人族と話して頼られた。その不思議な感情にユキナ自然と笑顔になった。
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