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ルークの初恋 3ー27

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どう思い直しても、今のシャルレの表情は、怒ってる時の笑顔だった。
「姫?」
「それで、誰にも話した事の無いその初恋とやらの話を、何でジェイコブ王子に話す事になったのかしら?」
「あー・・・えっと・・」
どうやらルークがジェイコブ王子に自分の初恋の話をしたのがご機嫌ナナメの理由の様だけれど、どうしてそんなに不機嫌になるのかが分からない。
だって、この恋は、ルークの今の恋は片思いなのではないのか・・・。
「『えっと?』なんなの?」
そんな事をグルグル思い悩んでると、シャルレ姫がルークの腹をつついて先を急かして来た。
「その・・・その初恋の人が歌っていた歌を、僕は調べても全然分からなかったのに、ジェイコブ王子が大道芸で演奏したんです。それで曲について聞いたらその内僕の初恋の話になって」
「・・・その歌が、『賢者の灯火』?」
「はい」
『賢者の灯火』と聞いて、シャルレ姫は呆れた様な、呆気にとられた様な複雑な表情を作った。
「あれ、相当無粋な歌劇の歌よ?今も政府がショーパブや娼館以外での公演を禁止にする位酷いシナリオなのに、お前の初恋は一体いくつ何歳の時に来たのよ」
「九歳です」
「本当にどこで聞いたのあんな歌!?」
何だか話の流れがジェイコブ王子の時と似たような流れになって来た。
今度は失敗しないぞ、っと思って、ルークは余計な所は全て端折はしょった。
「魔道鏡の放送で」
ジェイコブ王子はあの女の子の事をシャルレ姫が全部知っていると言っていた。
本当だろうか?
でも、たとえジェイコブ王子の話が本当だとしても、ルークにはシャルレ姫にそれを問う気は全然ない。



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