真夜中の太陽 ルークの初恋

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

文字の大きさ
63 / 128

ルークの初恋 4ー4

しおりを挟む
「なんだ、まだそんな質問覚えてたのか、人の事爆笑して忘れたのかと思ったのに」
『だってふしぎじゃないか。いくら証拠の昔あげた魔石を持っていたからって、魔石は小さくても高く売れる。あの子が誰かにあげたとか、売った可能性だって有るじゃないか。何で記憶の主がシャルレ姫だって簡単に信じたのか、理由が全く分からないよ。自分自身の記憶の箱にすらフタをして、大事に仕舞い込んだ程の思い出じゃないか。用心深いアンタが、本人がそう名乗りだ出ただけで簡単に信じちゃうなんて、変だよ。ジェイドなんて名前の人、いくらでもいるじゃないか、愛しの歌姫だからかい?』
「バカ言え、むしろショックだったわ。俺は歌姫シャルレは姫だと思ってたんだぞ。」
『じゃぁ、何でだい?何もかも記憶と違うじゃないか、顔なんか成長しすぎて分からないし、同じなのは髪の色位、でもこの国じゃ茶色い髪の色なんていくらでもいる。声なんか声変わりしちゃって当然全く違うし、あの子と断定出来る所なんて何一つ無いじゃないか』
「本当だよな、この国の人間て何であんなに幼児から成人後の顔形が違うんだ?!変わりすぎててビックリしたわ!」
『だから、何でそれであんなに簡単に信じたんだよ』
「それでもそっくりだと思ったから」
『は?』
「それでもそっくりだと思ったから、何もかも違うのに、それでも面影が重なるから。特に性格なんか素になればなる程ソックリ!あの、お人好し過ぎて心配になる程優しい所なんか昔のジェイドから何一つ代変わって無いよ。三つ子の魂百までとは、昔の人もよくも言ったモノだよね」
『それだけ?』
「そうだよ」
『本当にそれだけで信じたの?』
「最初はね、今はもうひとつ出来た」
『何さ』
「愛する人の言うこと一つ位、微塵も疑わず頭から信じたって良いじゃない」
ルークがふわりと笑って言うと『ルー』は呆れた顔をして、
『なんだいソレ』
とだけ言うと、そこで魔力が切れた様で小さな揮発音と共に弾けて消えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

幸せな復讐

志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。 明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。 だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。 でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。 君に捨てられた僕の恋の行方は…… それぞれの新生活を意識して書きました。 よろしくお願いします。 fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。

仕方なく配信してただけなのに恋人にお仕置される話

カイン
BL
ドSなお仕置をされる配信者のお話

何故か男の俺が王子の閨係に選ばれてしまった

まんまる
BL
貧乏男爵家の次男アルザスは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。 なぜ男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へ行く。 しかし、殿下はただベッドに横たわり何もしてこない。 殿下には何か思いがあるようで。 《何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました》の攻×受が立場的に逆転したお話です。 登場人物、設定は全く違います。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...