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すべては幻、隣の庭は枯れ木の庭 1ー29

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快楽でトロリと溶けた瞳でシャルレの瞳を見つめながら、ルークはシャルレの唇に口づけた。
「じゃぁ、俺、今日はこのまま抱いて貰えるんですか?」
「そうね、長い夜になるわよ。『抱いて貰える』って、嬉しいの?カラスウリ使うわよ?」
「嬉しいですよ。今夜姫を独り占め出来るなら、その後一人で自分を慰める破目になっても」
シャルレの指がルークのうなじをクスグり、民族衣裳の結び目をほどいた。
合わせていた布がパサリと小さな音を立ててベッドに落ちた。
首にかけていたフードの部分をルークは自分で外してボディチェーンと下着姿になると、
「布、取ってきます」
と、言って再び枕元に有る筈のいつもの引き出しに向かって這って行こうとして、ふにゃふにゃと崩れてベッドに沈んだ。
「姫、コレこのスライム本当に何?変です。クラクラして、何か核在るし。ヤバイっ、あっはぅ。また、イッちゃうっんっ」
何とか四つん這いの体制を立て直したが、ルークの腹の中で又スライムが活発に動き出してルークは堪らず身をよじった。
反らした胸のクリップにぶら下がっている宝石がキラキラと光りながら跳ねた。
「それね、紫スライムっていう希少種なんですって」
「ぅぇ?」
シャルレが突っ伏したルークの手を取って、中指を根本から先までするり、するり、と撫でた。
ルークの体はそれだけで快感を拾って腰をカクリカクリと不器用に揺らす。
「ひ、姫、すみません。あの布取って下さいませんか。俺、もう腰が溶けそうで動けないです」
ルークが懇願すると、シャルレが何処からともなく手袋を出してきてルークの手にはめた。
「プレゼントよ。布でくるむよりは被虐感無いでしょ?」
そう言ってにっこりと笑った。
手袋は、一見普通の手袋なのだが指が一切動かず、綿わたが詰まっていた。
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