傲慢エルフと変態キメラ Vo1

◇マヤ

教会５

「教会で娼夫が営業活動・・・・」
ガルフは嫌そうに顔をしかめた。
それを見てザッツは喉で笑う。
面白そうだから詳細は敢えて教えないでおこうと決めた。
「お前、そもそも多くの宗教で聖職者が性交を禁止されてる理由何だと思ってるの？大体の宗教はな、発祥時のメンバーなんて王公貴族や豪商の嫡子でない子供だからだよ。不用意に血縁残されても相続問題に発展するだけだろう？信者の子供同士が結婚したら実は近親相姦でしたなんて目も当てられねぇ。頭の悪いヤツ程節操がネェヤツが多いからな。」
次の報告が楽しみだ。
真面目な顔で部下にアドバイスを続ける。
「上映中の役者の中にそのマヤとやらがいてもいきなり飛び込んで劇をぶち壊すなよ、あそこで集まる金は辺境の思うように金の集まらない協会の運営資金になるんだ。」
「分かってますョ」
というガルフの悪態を吐く様な返答を最後に二人は通信を切った。
ウロボロス本部の自室に居たザッツは、暫しギィギィと椅子の背もたれを鳴らしながら思案したのちおもむろに立ち上がると部下達が働くオフィスに駆け込んだ。
「オィ！ガルフが初恋に陥ったかも知れない話聞くか？！」
一瞬静まり返ったオフィスは一気に沸いた。
「キクー！！！」
『やだ、何それ面白そう』『初恋？！今ごろ？あいつ百歳越えてるだろ！？』『これは良い酒の肴が』などと言いなかがら、各々手を休めて上司の廻りに集まって来た。
ウロボロス第一諜報部隊は今日も皆仲良しだ。