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26, ご主人様の師匠
しおりを挟む次の日の早朝、旅支度をしたユジンと俺様は見送りのグイドに手伝われながら馬に荷物を積み込んだ。
シャルドーレの街の教会で司教をしているアリエスというユジンのお師匠様に会いに行くためだ。
馬に乗って行けば2日で着くらしい。
「お忘れ物は無いですか?」
「ああ。」
ユジンが馬に乗せられた鞍の状態を確認しながら返事をする。
グイドはそれから俺様を見て、小さく口を開いた後閉じて困った風に笑った。
それに少し寂しくなって、グイドの手を握ろうと手を伸ばした。
「グイド、こいつは昨日私が抱いたらお前の事なんて忘れて中だけでイき狂っていたから気にしなくて大丈夫だ。」
「は!?」
ユジンの言葉に俺様は手を止めて目を見開く。
グイドも変な顔をした。ほっぺが少し赤くなっている。
『ユジン!姦淫の内容は恥ずかしい事だから人に話しちゃダメなんだぞ!』
グイドに教わった事を頭の中でユジンに教えてやる。
「恥ずかしい?あれだけイかせてイかせてって喚いておいて恥ずかしいもないだろう。」
「だってユジンがずっと気持ちいい事するくせにおちんちんを縛るからっ……」
俺様もつい口に出して言ってしまい、はっとする。
「ユジン様、謝りますからもう勘弁して下さい。リュスも、本当に昨日はすまなかったな。気をつけて行ってこいよ。」
「グイド……。ううん。過去は変えられないから、グイドが悪魔を許せなくても仕方ないのだ。」
俺様はグイドをまっすぐ見た。
悲しくて優しい目なのだ。
「でも、未来は決まってないと思うのだ。だから未来ではグイドが笑ってたらいいなって思う。」
俺様の言葉にグイドは小さくありがとうと言った。
それからユジンと2人で馬の背に乗った。俺様は1人で馬に乗れないから、ユジンの前に抱えてもらう乗り方だ。
落ちないようにユジンの腕が俺様の腰を抱きしめてくる。
それに何だか胸がドキっとした。
何これ。昨日まではこんな事なかったのに。
ユジンが手綱を操作すると馬が駆け出す。グイドがいつまでも手を振ってくれた。
初めて乗った馬は最悪だった。
揺れて気持ち悪くなるし、乗っていると身体中が痛くなる。
何度も休憩をお願いしながら、夜遅くに泊まる予定の町に着いた。
「ううぅ~背中と肩が痛いのだぁ……。」
宿のベッドに寝転んで呻く。
「揺れる時に体を変に強張らせるからだ。」
ユジンが平然と言う。もっと俺様を心配しろ!
睨んでいると、寝ている俺様の横に来た。
体を屈めてキスをしてくる。
口を開くと舌と一緒に唾液を送り込まれたからこくりと飲み込んだ。
胸がドキドキしてきて、顔がだんだん熱くなる。
ぐちゅっ、ぐちゅっと何度か唾液を飲まされた後、水音を立てて口が離れていく。
その次を考えるとお腹がムズムズしたのに、ユジンはまた体を起こして自分のベッドに向かった。
「シャルドーレは城塞都市だ。門が閉まる前に入りたいから、明日は今日より早く出発する。もう休んで回復しておけ。」
そう言って自分もさっさと布団に入ってしまう。
「精液は取り込まなくていいのか?」
まだ熱い体のまま思わず聞いた。
「唾液は与えたし、昨日散々搾り取ったんだから大丈夫じゃないか。お前善がり声うるさいからな。ここじゃ宿に筒抜けになるだろ。」
「そっそれはユジンが気持ちよくするからなのだっ」
「ほらうるさい。黙って寝ろ。」
「むぅっ」
昨日は嫌って言ってもシたくせにっ。別に俺様が姦淫したいわけじゃないけどな!
キスでムズムズした体で何度も寝返りを打ちながらそのうちに眠った。
次の日はユジンの決めた通りにまだ暗いうちから出発した。
馬に乗るのも慣れて昨日よりは体が痛くならない。
そのおかげで日没前に城門に辿り着き、シャルドーレの街に入れた。
街はユジンの教会がある町よりレンナより大きい。マーケットには美味しそうなお菓子を売る店が沢山あった。
「人が多いから私から離れないように。強い邪心や穢れの気配を見つけたらすぐに言え。」
ユジンに言われたとおりに気をつけながら後をついていくと、街の一角にある小さな建物で立ち止まった。玄関扉の上に掲げられた十字のシンボルで教会とわかる。
ユジンが扉を押し開けて中に入ると、礼拝堂が正面にあった。ユジンの教会の礼拝堂より小さいけど、装飾や壁画が沢山で綺麗だ。
何人かの人がベンチに座ってお祈りしている。
「ユジン?」
2人で祭壇の方に進むと、祭壇横の椅子に座っていた人が立ち上がって声をかけてきた。
胸くらいまでの緩く波打つ髪は薄めの茶色で、ユジンと同じ緑の瞳。顔は色白で目が大きくて少し女の人みたいなんだけど、顔の右下半分に浅黒い大きな痣があって、襟の中まで続いている。背はユジンと同じくらい大きくて、もっと細身。
歳は俺様にはよく分からないけど、グイドよりは若いと思う。
立ち上がる時に左手に杖を付いていて、右足が動かないみたいだった。右手もダラリとしている。
「お久しぶりです。アリアス司祭。」
ユジンが呼びかけると、とても優しくて明るい顔でニコリと笑った。
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