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第6話 噛み痕
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第6話 噛み痕
朝。
目を覚ました瞬間、首筋が熱かった。
寝違えたような痛み。
でも、それはもっと内側から燃えるような熱だった。
枕元には、見覚えのない赤いワインの染み。
手で触れると、かすかに鉄の匂いがする。
「……血?」
喉が乾いて声が出ない。
昨夜の記憶が断片的に浮かんでは消える。
古びた館、ステンドグラス、蝋燭の炎。
そして――彼の瞳。
「……あれは、夢?」
洗面所へ行き、鏡を覗き込む。
首筋には、うっすらと二つの赤い点が並んでいた。
指で触れると、微かな痛み。
それなのに、心臓が跳ねるように高鳴る。
「なんで……こんな」
頬が熱い。
冷たい水で顔を洗っても、火照りは収まらなかった。
体の奥から何かがうごめくような感覚。
心臓の鼓動が、皮膚の下で強く脈を打っている。
トクン、トクン――
その音が、自分のものではない気がした。
*
「おいルイ、大丈夫か? 顔、真っ赤だぞ」
昼休み、教室でカズが心配そうに覗き込む。
「うん……なんか、寝不足みたい」
「また夜更かしか? ゲームやりすぎだって」
「ちがう、そういうんじゃ……」
言いかけて、言葉が喉で止まる。
“夜”という言葉に、胸の奥がざわついた。
窓の外では秋の日差しがまぶしく光っている。
その光が、今日はやけに痛い。
目の奥が熱く、視界が少し霞む。
「熱あるんじゃね?」
カズが手を伸ばしてきた瞬間、類は思わず身を引いた。
「触らないで!」
声が鋭く響いた。
クラスの空気が一瞬止まる。
「……ごめん、なんか、びっくりして」
「お前、マジでどうしたんだよ」
類は苦笑いを作って席を立った。
「保健室、行ってくる」
「ついてこうか?」
「いい。一人で行く」
廊下に出ると、心臓の鼓動がさらに速くなった。
耳の奥で、誰かの声がした気がする。
――ルイ。
「……え?」
振り向いても、誰もいない。
空調の風が髪を揺らし、消毒液の匂いが流れる。
けれど、その声は確かに聞こえた。
“君はもう、僕のものだ”
喉が乾き、胸が苦しい。
足元がふらつく。
保健室までの距離が、やけに長い。
世界が、現実ではないように揺らいで見えた。
*
放課後。
夕陽が校舎を朱に染める。
類はひとり、屋上にいた。
風が冷たい。
それなのに、体の内側は灼けるように熱い。
「なんなんだよ、これ……」
首筋に触れる。
指先に脈動が伝わる。
自分の心臓じゃない。
誰かの――彼の鼓動が、そこにある気がした。
“ルイ……”
また、声。
耳の奥、頭の中。
囁くように、甘く、湿った声。
「やめろ……やめてくれ……」
風の音に混じって、その声は微笑むように続く。
“君の血は僕を呼ぶ。
夜が君の中に流れ始めている”
「そんなの知らない! 勝手に……!」
言葉とは裏腹に、体が疼く。
痛みと快楽が同時に走る。
足の力が抜け、フェンスに手をつく。
“逃げなくていい。
だって君は、僕を望んでる”
「ちがう……!」
“望んでるよ。
その鼓動が、証拠だ”
胸に手を当てる。
心臓が激しく脈打ち、血が全身を駆け抜ける。
頭が真っ白になり、息が乱れる。
熱い。
誰かに触れられているみたいに、全身が熱い。
「ヴァン……どこにいるんだ……!」
呼んでしまった瞬間、自分の声にぞっとした。
その名を口にしただけで、空気が揺らいだ。
“ここにいる”
背後から、囁き。
風が頬を撫で、背中に気配を感じた。
振り向くと、そこに――ヴァンがいた。
夜の影のように静かに立っている。
黒い外套が風に翻り、赤い瞳が沈むように光る。
「どうして……学校まで……」
「呼ばれたから」
「呼んでない!」
「でも、君は僕の名を呼んだ」
「っ……!」
ヴァンが近づく。
その動きは音もなく、風だけが残る。
「顔色が悪いね」
「あなたのせいだ!」
「そうだね。
君の血を吸った時から、僕らの間に“契約”ができた」
「契約……?」
「血の契約。
君が生きている限り、僕も君の中で呼吸する」
「やめて……そんなの、いらない」
「いらないと言っても、もう流れ始めている」
ヴァンの指が類の顎を持ち上げた。
その手は冷たいのに、触れられたところから火がついたように熱が広がる。
「君の体温、上がってる」
「離せ!」
「熱いね。
それは君が僕を拒めなくなっている証だ」
「うるさい!」
「怒ってもいい。
でもその心拍の速さは、僕を呼んでる」
心臓が痛いほど脈を打つ。
目の奥が焼けるように熱い。
ヴァンの瞳が紅く揺れ、世界の色が滲んでいく。
「やめろ……!」
「君の中の夜が目を覚ましてる」
「そんなもの……知らない!」
「嘘をつくと、傷が疼くよ」
その瞬間、首筋の噛み痕が熱を帯びた。
まるで内側から光るように、火照りが広がる。
痛い。
でも、気持ちいい。
その相反する感覚が、頭の奥を狂わせていく。
「やめろ……お願いだ……!」
「ルイ」
「っ……」
「君の中の鼓動、僕にも聞こえる。
だから、君の“やめて”は、もう届かない」
「どうして僕なんだ……」
「君だけが、僕を見た。
あの夜、あの視線で」
ヴァンの声が、風のように頬を撫でる。
その距離は、もう数センチ。
類は必死に目を逸らす。
「僕……もう、普通じゃいられないのか」
「普通なんて退屈だ。
夜は、君の新しい名前を呼んでいる」
「新しい名前……?」
「ルイじゃない。
“ルイ・ヴァン”――僕のものだ」
耳の奥で、その名前が響くたび、
心臓がどくん、と跳ねた。
快楽と恐怖の境界が、完全に溶けていく。
ヴァンがそっと手を伸ばし、類の胸に触れた。
「この鼓動、僕とひとつになってる」
「やめて……」
「もう、夜が君を選んだ」
ヴァンの唇が近づく。
その瞬間、世界が闇に飲まれた。
心臓の鼓動、熱、息――すべてが遠のく。
ただ、耳の奥で囁く声だけが残る。
“ルイ……君はもう、僕のものだ”
その声に、抗う力はなかった。
類はただ、ゆっくりと闇の中へ堕ちていった。
(つづく)
朝。
目を覚ました瞬間、首筋が熱かった。
寝違えたような痛み。
でも、それはもっと内側から燃えるような熱だった。
枕元には、見覚えのない赤いワインの染み。
手で触れると、かすかに鉄の匂いがする。
「……血?」
喉が乾いて声が出ない。
昨夜の記憶が断片的に浮かんでは消える。
古びた館、ステンドグラス、蝋燭の炎。
そして――彼の瞳。
「……あれは、夢?」
洗面所へ行き、鏡を覗き込む。
首筋には、うっすらと二つの赤い点が並んでいた。
指で触れると、微かな痛み。
それなのに、心臓が跳ねるように高鳴る。
「なんで……こんな」
頬が熱い。
冷たい水で顔を洗っても、火照りは収まらなかった。
体の奥から何かがうごめくような感覚。
心臓の鼓動が、皮膚の下で強く脈を打っている。
トクン、トクン――
その音が、自分のものではない気がした。
*
「おいルイ、大丈夫か? 顔、真っ赤だぞ」
昼休み、教室でカズが心配そうに覗き込む。
「うん……なんか、寝不足みたい」
「また夜更かしか? ゲームやりすぎだって」
「ちがう、そういうんじゃ……」
言いかけて、言葉が喉で止まる。
“夜”という言葉に、胸の奥がざわついた。
窓の外では秋の日差しがまぶしく光っている。
その光が、今日はやけに痛い。
目の奥が熱く、視界が少し霞む。
「熱あるんじゃね?」
カズが手を伸ばしてきた瞬間、類は思わず身を引いた。
「触らないで!」
声が鋭く響いた。
クラスの空気が一瞬止まる。
「……ごめん、なんか、びっくりして」
「お前、マジでどうしたんだよ」
類は苦笑いを作って席を立った。
「保健室、行ってくる」
「ついてこうか?」
「いい。一人で行く」
廊下に出ると、心臓の鼓動がさらに速くなった。
耳の奥で、誰かの声がした気がする。
――ルイ。
「……え?」
振り向いても、誰もいない。
空調の風が髪を揺らし、消毒液の匂いが流れる。
けれど、その声は確かに聞こえた。
“君はもう、僕のものだ”
喉が乾き、胸が苦しい。
足元がふらつく。
保健室までの距離が、やけに長い。
世界が、現実ではないように揺らいで見えた。
*
放課後。
夕陽が校舎を朱に染める。
類はひとり、屋上にいた。
風が冷たい。
それなのに、体の内側は灼けるように熱い。
「なんなんだよ、これ……」
首筋に触れる。
指先に脈動が伝わる。
自分の心臓じゃない。
誰かの――彼の鼓動が、そこにある気がした。
“ルイ……”
また、声。
耳の奥、頭の中。
囁くように、甘く、湿った声。
「やめろ……やめてくれ……」
風の音に混じって、その声は微笑むように続く。
“君の血は僕を呼ぶ。
夜が君の中に流れ始めている”
「そんなの知らない! 勝手に……!」
言葉とは裏腹に、体が疼く。
痛みと快楽が同時に走る。
足の力が抜け、フェンスに手をつく。
“逃げなくていい。
だって君は、僕を望んでる”
「ちがう……!」
“望んでるよ。
その鼓動が、証拠だ”
胸に手を当てる。
心臓が激しく脈打ち、血が全身を駆け抜ける。
頭が真っ白になり、息が乱れる。
熱い。
誰かに触れられているみたいに、全身が熱い。
「ヴァン……どこにいるんだ……!」
呼んでしまった瞬間、自分の声にぞっとした。
その名を口にしただけで、空気が揺らいだ。
“ここにいる”
背後から、囁き。
風が頬を撫で、背中に気配を感じた。
振り向くと、そこに――ヴァンがいた。
夜の影のように静かに立っている。
黒い外套が風に翻り、赤い瞳が沈むように光る。
「どうして……学校まで……」
「呼ばれたから」
「呼んでない!」
「でも、君は僕の名を呼んだ」
「っ……!」
ヴァンが近づく。
その動きは音もなく、風だけが残る。
「顔色が悪いね」
「あなたのせいだ!」
「そうだね。
君の血を吸った時から、僕らの間に“契約”ができた」
「契約……?」
「血の契約。
君が生きている限り、僕も君の中で呼吸する」
「やめて……そんなの、いらない」
「いらないと言っても、もう流れ始めている」
ヴァンの指が類の顎を持ち上げた。
その手は冷たいのに、触れられたところから火がついたように熱が広がる。
「君の体温、上がってる」
「離せ!」
「熱いね。
それは君が僕を拒めなくなっている証だ」
「うるさい!」
「怒ってもいい。
でもその心拍の速さは、僕を呼んでる」
心臓が痛いほど脈を打つ。
目の奥が焼けるように熱い。
ヴァンの瞳が紅く揺れ、世界の色が滲んでいく。
「やめろ……!」
「君の中の夜が目を覚ましてる」
「そんなもの……知らない!」
「嘘をつくと、傷が疼くよ」
その瞬間、首筋の噛み痕が熱を帯びた。
まるで内側から光るように、火照りが広がる。
痛い。
でも、気持ちいい。
その相反する感覚が、頭の奥を狂わせていく。
「やめろ……お願いだ……!」
「ルイ」
「っ……」
「君の中の鼓動、僕にも聞こえる。
だから、君の“やめて”は、もう届かない」
「どうして僕なんだ……」
「君だけが、僕を見た。
あの夜、あの視線で」
ヴァンの声が、風のように頬を撫でる。
その距離は、もう数センチ。
類は必死に目を逸らす。
「僕……もう、普通じゃいられないのか」
「普通なんて退屈だ。
夜は、君の新しい名前を呼んでいる」
「新しい名前……?」
「ルイじゃない。
“ルイ・ヴァン”――僕のものだ」
耳の奥で、その名前が響くたび、
心臓がどくん、と跳ねた。
快楽と恐怖の境界が、完全に溶けていく。
ヴァンがそっと手を伸ばし、類の胸に触れた。
「この鼓動、僕とひとつになってる」
「やめて……」
「もう、夜が君を選んだ」
ヴァンの唇が近づく。
その瞬間、世界が闇に飲まれた。
心臓の鼓動、熱、息――すべてが遠のく。
ただ、耳の奥で囁く声だけが残る。
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