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お姫様扱い

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お姫様扱い

小さな頃から、私はお姫様のように育てられた。

広い城に住み、侍女たちが身の回りの世話をしてくれた。

好きな物は何でも手に入り、行きたい場所へはいつでも行けた。

誰もが私を「お姫様」と呼び、私の言うことを何でも聞いてくれた。

私は、自分が世界の中心にいるような、特別な存在だと信じていた。

しかし、10歳の誕生日を迎えた時、その幻想は壊れた。

父王が亡くなり、母后は病に倒れたのだ。

王位継承者は兄であり、私は王女として国に残ることはできない。

私は、自分が今まで生きてきた世界とは全く違う、厳しい現実を突きつけられた。

それでも、私は希望を捨てなかった。

いつか、またお姫様のような生活に戻れると信じていた。

私は、毎日懸命に勉強し、武術を磨いた。

いつか、自分の力で国を治め、人々を幸せにしようと決意した。

そして、18歳の時、ついにそのチャンスが訪れた。

兄が戦争で亡くなり、私が王位を継承することになったのだ。

私は、王として国を統治し、人々を幸せにするために全力を尽くした。

厳しい政策を実行し、腐敗を正した。

また、民衆の声に耳を傾け、彼らの生活を向上させるために努力した。

私の努力は、実を結んだ。

国は繁栄し、人々は幸せになった。

私は、再びお姫様のように扱われるようになった。

しかし、以前とは違う。

私は、自分が特別な存在だからではなく、人々のために尽くしたから尊敬されていることを知っていた。

私は、これからも王として国を統治し、人々を幸せにするために努力していく。

そして、いつか、私の国を世界で一番美しいお姫様のような国にすることを夢見ている。

後日談

王女は、王として国を繁栄させ、人々から尊敬される存在となった。

彼女は、王位継承権を持つ王子と結婚し、幸せな家庭を築いた。

そして、二人の子供にも、お姫様のように優しい心と強い意志を育てていった。

王女は、かつて自分が夢見たお姫様とは違う存在となった。

しかし、彼女は、自分の人生に満足していた。

なぜなら、彼女は、自分の力で人々を幸せにすることができる、真のお姫様になったからだ。
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