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47.新たな居場所②
『私は自分の思っていることを言っただけ。
最初に関係ないって言ったろう?あれ本音だからさ。あんたの頭の中なんて私には分からないし、分かってるふりもしない。私は自分の見たもので勝手に判断するさ。ちなみに前を向いているあんたの横顔、嫌いじゃない』
『助けていない』と言っているが、彼女の言葉は十分過ぎるほど助けてくれている。
『嫌いじゃない』という言葉。
肯定的な言葉とは言えないけれども、私にとってはとても温かい言葉だった。
この事がきっかけで私はナンシーと少しずつ話すようになっていった。
他愛もない会話から始まり、だんだんとお互いのことを話すようになっていく。
考え方が似ているわけではない、でもなぜか彼女と話していると落ち着くのだ。
自分にない、物の見方を知っていく。
それは自分を見つめ直す時間を与えてくれ、同時に肩の力が抜けていくのを感じていた。
そのせいだろうか、私を取り巻く環境も良くなっていく気がした。
でもそれは周りが変わったのではなく、私が変わったらしい。
ナンシー曰く『脱皮できて良かったじゃん』ということだ。
『…昆虫になった覚えはないわ』
『いま知って良かったねー』
『……一応聞くけどなんの虫かしら?』
『うーん、蛙かな。えへへ』
虫ではなかったことに喜ぶべきか、悲しむべきか…。
『おいおい、ナンシー。もっといいのを言ってやれ。女性に蛙はいくらなんでも酷いぞ』
『そうだぞ、蝶あたりはどうだ?』
『いいや、玉虫がいい。あれは綺麗だからな』
周りの人達は良かれと思って言ってくれているが、なぜか虫から離れてはくれない。
ふっふふ、もうなんだかな。
こんなふうにやり取りできるようになっていく回数は自然と増えていく。
気づけば仲間として受け入れられていた。
そして5年経った今となっては、この国に自分の居場所を見つけることができた。
それに親友とも呼べる存在もそばにいてくれる。
「シシリア、この前頼んだ資料は用意できたかなー」
「ええ、机の上に置いといたわ。確認してみて、足りないものがあったら言ってね」
今は私もここの一員として数えられるようになっている。魔術を掛ける仕事は出来ないが、事前の準備とか出来ることは任せてもらえている。
「ありがとう、仕事が早くて助かる。ところで今晩久しぶりに夕食でも一緒にどう?」
そういえば最近はお互いに忙しくて一緒にご飯を食べていないことを思い出す。出来れば一緒に行きたかったけれども、このあとまだ仕事がある。
「誘ってくれてありがとう。でもこれから定期報告があるの、だから終わる時間が分からなくて。
だから来週にでも一緒に行きましょう」
「ああ、あの面倒くさい報告会ねー。たまにはさぼっちゃえば?」
冗談ではなく本気で言っているのがナンシーらしい。
でもさぼる訳にはいかない。
「駄目よ、わざわざ開いてくれているのだから」
この国に来てから欠かさずに行われている定期報告会。
それは術の経過を報告する場でもある。
つまり大切な人達がどう過ごしているのか私も知ることができるのだ。これは殿下が私に対して配慮してくれているのだろう。
「はいはい、殿下に負けず劣らずシシリアも真面目だねー。そんな真面目だと殿下みたいに面白おかしく噂されちゃうよ」
最初に関係ないって言ったろう?あれ本音だからさ。あんたの頭の中なんて私には分からないし、分かってるふりもしない。私は自分の見たもので勝手に判断するさ。ちなみに前を向いているあんたの横顔、嫌いじゃない』
『助けていない』と言っているが、彼女の言葉は十分過ぎるほど助けてくれている。
『嫌いじゃない』という言葉。
肯定的な言葉とは言えないけれども、私にとってはとても温かい言葉だった。
この事がきっかけで私はナンシーと少しずつ話すようになっていった。
他愛もない会話から始まり、だんだんとお互いのことを話すようになっていく。
考え方が似ているわけではない、でもなぜか彼女と話していると落ち着くのだ。
自分にない、物の見方を知っていく。
それは自分を見つめ直す時間を与えてくれ、同時に肩の力が抜けていくのを感じていた。
そのせいだろうか、私を取り巻く環境も良くなっていく気がした。
でもそれは周りが変わったのではなく、私が変わったらしい。
ナンシー曰く『脱皮できて良かったじゃん』ということだ。
『…昆虫になった覚えはないわ』
『いま知って良かったねー』
『……一応聞くけどなんの虫かしら?』
『うーん、蛙かな。えへへ』
虫ではなかったことに喜ぶべきか、悲しむべきか…。
『おいおい、ナンシー。もっといいのを言ってやれ。女性に蛙はいくらなんでも酷いぞ』
『そうだぞ、蝶あたりはどうだ?』
『いいや、玉虫がいい。あれは綺麗だからな』
周りの人達は良かれと思って言ってくれているが、なぜか虫から離れてはくれない。
ふっふふ、もうなんだかな。
こんなふうにやり取りできるようになっていく回数は自然と増えていく。
気づけば仲間として受け入れられていた。
そして5年経った今となっては、この国に自分の居場所を見つけることができた。
それに親友とも呼べる存在もそばにいてくれる。
「シシリア、この前頼んだ資料は用意できたかなー」
「ええ、机の上に置いといたわ。確認してみて、足りないものがあったら言ってね」
今は私もここの一員として数えられるようになっている。魔術を掛ける仕事は出来ないが、事前の準備とか出来ることは任せてもらえている。
「ありがとう、仕事が早くて助かる。ところで今晩久しぶりに夕食でも一緒にどう?」
そういえば最近はお互いに忙しくて一緒にご飯を食べていないことを思い出す。出来れば一緒に行きたかったけれども、このあとまだ仕事がある。
「誘ってくれてありがとう。でもこれから定期報告があるの、だから終わる時間が分からなくて。
だから来週にでも一緒に行きましょう」
「ああ、あの面倒くさい報告会ねー。たまにはさぼっちゃえば?」
冗談ではなく本気で言っているのがナンシーらしい。
でもさぼる訳にはいかない。
「駄目よ、わざわざ開いてくれているのだから」
この国に来てから欠かさずに行われている定期報告会。
それは術の経過を報告する場でもある。
つまり大切な人達がどう過ごしているのか私も知ることができるのだ。これは殿下が私に対して配慮してくれているのだろう。
「はいはい、殿下に負けず劣らずシシリアも真面目だねー。そんな真面目だと殿下みたいに面白おかしく噂されちゃうよ」
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