66 / 85
65.幽霊の正体①
‥‥またしても犬である。
子犬だからきっとあの5年前の恩知らずの犬ではないだろうが、それでも犬は私にとって鬼門だ。
ど、どうする…?
無邪気に入っていちゃった。
誰も子犬には危険な場所を教えてないの?!
教えておきなさいよー。
『ここは幽霊出没あり』って!
見ないふりをしたかった。本当に心の底からそう思った…嘘ではない。
だけれど気づけば勝手に身体が離宮へと入って行き、あの能天気な子犬を探していた。
‥‥本当に馬鹿である。
自分のことをこれほど恨んだのは初めてだ。
「ワンちゃん、どこにいるの?ここは立ち入り禁止なんだよ、知らなかった?あとね…ここ幽霊が出るんだって、捕まったら大変だから早く一緒に逃げよう」
怖くて震えているけど必死に子犬に呼び掛けてみる。だが能天気な子犬の返事はない。
嫌な予感がしてきた。
もしかしたら子犬は入って早々に幽霊に捕まっているのかもしれない。
自分だけ逃げようかと考え始めたその時、奥の部屋から微かに『キャン』という鳴き声が聞こえてきた。
えっ…、なんか聞こえちゃった。
逃げようとした時になんで聞こえちゃうかな。
うっう、逃げたいよ…。
で、でも見捨てるなんてできない。
自分のよく聞こえる自慢の耳が今だけは恨めしくて堪らない。
‥‥耳の馬鹿。
足音をたてないように子犬がいるだろう奥の部屋へと進んで行く。部屋の前につくと涙目になりながら扉をそっと開く…つもりだったのに使われていないせいか盛大な音を立て扉が開いて行く。
ゴゴ、ギッギギーーー。
‥‥もう馬鹿じゃない、それを超越してしまった。
あんな音を立てたら誰でも気づく。それは部屋にいた七不思議の幽霊にもしっかりと聞こえていたようだ。
子犬を捕まえている幽霊はゆっくりと振り向いてくる。
いやー、やめて!駄目、振り向かないで!
今ならまだやり直せるから。
目が合わなかったらきっとなかったことになる?…よねっ!
心の中で盛大に訳の分からない事を叫んでいると、なんと幽霊が話しかけてきた。それも低い声で…。
「ここでなにをしている…」
子犬だからきっとあの5年前の恩知らずの犬ではないだろうが、それでも犬は私にとって鬼門だ。
ど、どうする…?
無邪気に入っていちゃった。
誰も子犬には危険な場所を教えてないの?!
教えておきなさいよー。
『ここは幽霊出没あり』って!
見ないふりをしたかった。本当に心の底からそう思った…嘘ではない。
だけれど気づけば勝手に身体が離宮へと入って行き、あの能天気な子犬を探していた。
‥‥本当に馬鹿である。
自分のことをこれほど恨んだのは初めてだ。
「ワンちゃん、どこにいるの?ここは立ち入り禁止なんだよ、知らなかった?あとね…ここ幽霊が出るんだって、捕まったら大変だから早く一緒に逃げよう」
怖くて震えているけど必死に子犬に呼び掛けてみる。だが能天気な子犬の返事はない。
嫌な予感がしてきた。
もしかしたら子犬は入って早々に幽霊に捕まっているのかもしれない。
自分だけ逃げようかと考え始めたその時、奥の部屋から微かに『キャン』という鳴き声が聞こえてきた。
えっ…、なんか聞こえちゃった。
逃げようとした時になんで聞こえちゃうかな。
うっう、逃げたいよ…。
で、でも見捨てるなんてできない。
自分のよく聞こえる自慢の耳が今だけは恨めしくて堪らない。
‥‥耳の馬鹿。
足音をたてないように子犬がいるだろう奥の部屋へと進んで行く。部屋の前につくと涙目になりながら扉をそっと開く…つもりだったのに使われていないせいか盛大な音を立て扉が開いて行く。
ゴゴ、ギッギギーーー。
‥‥もう馬鹿じゃない、それを超越してしまった。
あんな音を立てたら誰でも気づく。それは部屋にいた七不思議の幽霊にもしっかりと聞こえていたようだ。
子犬を捕まえている幽霊はゆっくりと振り向いてくる。
いやー、やめて!駄目、振り向かないで!
今ならまだやり直せるから。
目が合わなかったらきっとなかったことになる?…よねっ!
心の中で盛大に訳の分からない事を叫んでいると、なんと幽霊が話しかけてきた。それも低い声で…。
「ここでなにをしている…」
あなたにおすすめの小説
いつも隣にいる
はなおくら
恋愛
心の感情を出すのが苦手なリチアには、婚約者がいた。婚約者には幼馴染がおり常にリチアの婚約者の後を追う幼馴染の姿を見ても羨ましいとは思えなかった。しかし次第に婚約者の気持ちを聞くうちに変わる自分がいたのだった。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
私の存在
戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。
何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。
しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。
しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…
好きでした、婚約破棄を受け入れます
たぬきち25番
恋愛
シャルロッテ子爵令嬢には、幼い頃から愛し合っている婚約者がいた。優しくて自分を大切にしてくれる婚約者のハンス。彼と結婚できる幸せな未来を、心待ちにして努力していた。ところがそんな未来に暗雲が立ち込める。永遠の愛を信じて、傷つき、涙するシャルロッテの運命はいかに……?
※十章を改稿しました。エンディングが変わりました。
【完結】無関心夫の手を離した公爵夫人は、異国の地で運命の香りと出会う
佐原香奈
恋愛
建国祭の夜、冷徹な公爵セドリック・グランチェスターは、妻セレスティーヌを舞踏会に残し、早々に会場を後にした。
それが、必死に縋り付いていた妻が、手を離す決意をさせたとも知らず、夜中まで仕事のことしか考えていなかった。
セドリックが帰宅すると、屋敷に残されていたのは、一通の離縁届と脱ぎ捨てられた絹の靴。そして、彼女が置いていった嗅いだことのない白檀の香りだけだった。
すべてを捨てて貿易都市カリアへ渡った彼女は、名もなき調香師「セレス」として覚醒する。
一方、消えた妻を追うセドリックの手元に届いたのは、かつての冷たい香りとは似て非なる、温かな光を宿した白檀の香水。
「これは、彼女の復讐か、それとも再生か——」
執念に駆られ、見知らぬ地へ降り立った公爵が目にしたのは、異国の貿易王の隣で、誰よりも自由に、見たこともない笑顔で微笑む「他人」となった妻の姿だった。
誤字、修正漏れ教えてくださってありがとうございます!
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
嘘つきな貴方を捨てさせていただきます
梨丸
恋愛
断頭台に上がった公爵令嬢フレイアが最期に聞いた言葉は最愛の婚約者の残忍な言葉だった。
「さっさと死んでくれ」
フレイアを断頭台へと導いたのは最愛の婚約者だった。
愛していると言ってくれたのは嘘だったのね。
嘘つきな貴方なんて、要らない。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
11/27HOTランキング5位ありがとうございます。
※短編と長編の狭間のような長さになりそうなので、短編にするかもしれません。
1/2累計ポイント100万突破、ありがとうございます。
完結小説ランキング恋愛部門8位ありがとうございます。
魔法のせいだから許して?
ましろ
恋愛
リーゼロッテの婚約者であるジークハルト王子の突然の心変わり。嫌悪を顕にした眼差し、口を開けば暴言、身に覚えの無い出来事までリーゼのせいにされる。リーゼは学園で孤立し、ジークハルトは美しい女性の手を取り愛おしそうに見つめながら愛を囁く。
どうしてこんなことに?それでもきっと今だけ……そう、自分に言い聞かせて耐えた。でも、そろそろ一年。もう終わらせたい、そう思っていたある日、リーゼは殿下に罵倒され頬を張られ怪我をした。
──もう無理。王妃様に頼み、なんとか婚約解消することができた。
しかしその後、彼の心変わりは魅了魔法のせいだと分かり……
魔法のせいなら許せる?
基本ご都合主義。ゆるゆる設定です。