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1.大恋愛の末
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「カリナ、君を誰よりも愛している。ぜ、絶対に幸せにするから僕と結婚してください」
「は、はい、喜んで!サリム愛しているわ」
私は恋人のサリム・ロイアンから、平凡だけど世界一素敵なプロポーズをされた。お互いに顔を真っ赤にしながらゼンマイ仕掛けの人形のようなコチコチな動きをして、サリムが用意していたバラの花束とルビーの指輪を私が受け取ったりしていた。
場所はムードなんて皆無のただの近所の公園で、憧れているお芝居のワンシーンとはかなりかけ離れていたけど、私達にとっては生涯忘れられない思い出になった。
******************************
私カリナ・ギャロとサリムは一年前に友達の紹介で知り合った。お互い一目惚れですぐにお付き合いを始め、時間を作っては毎日のようにデートを楽しんでいた。時には些細なことで喧嘩をしたり、お互い意地を張って一週間も口をきかない日もあったけど、その都度ちゃんと話し合い仲直りをし愛を育んできたのだ。
お互いに美男美女ではないし欠点もあるけど、私達ならきっと結婚しても楽しい家庭を築いていけると漠然と思っていた。
---彼と結婚したら、普通の幸せな奥さんになるんだろうな。
彼は商家の跡取りだけど、私も平民としては裕福な両親の元で育っているので身分的にも釣り合いが取れていて問題はなかった。お付き合いをしている段階でお互いの両親には紹介をしていて、可愛がっても貰っていたし、『いつ結婚するの?』と冗談交じりに聞かれる事はよくあった。
なのでお互い結婚の意思を確認した後は、すぐさまロイアン家とギャロ家に報告に行った。
どちらの両親も私達の結婚を喜んで受け入れてくれて、私は嬉しさと共に正直ホッとした。
そして家族に祝福されて、私達は正式な婚約者となった。
私は19歳でサリムは22歳、二人とも結婚適齢期なのですぐに結婚をしようと考えていた。
ある日、ロイアン家に結婚式の相談でお邪魔した時にサリムの両親からある提案がされた。
「すぐに結婚だと、商家出身でないカリナが嫁いだ時に戸惑うことが多くて辛い思いをするんじゃないかしら。まずは三ヶ月間我が家で花嫁修業をして慣れてから結婚式を挙げるほうがいいんじゃない?」
「そうだぞサリム。お前はすぐに結婚しても可愛い妻が出来るだけで環境は変わらないからいいだろう。けれども我が家に嫁ぐカリナは違うんだぞ。新しい家族と新しい生活の中で一人だけ大変な思いをすることになるんだ。
カリナを大切に想うなら、彼女のペースを考えてあげないといけないぞ」
サリムの両親は優しい人で、結婚後に掛かる私への負担を少しでも減らすことを真剣に考えてくれていた。その心遣いに私の心はじんわりと温かくなり『この家に嫁ぐことが出来て幸せだ』と胸に込み上げてくるものがあった。
「どうするカリナ?僕は早く愛する君と結婚したいけど、カリナが慣れる期間が欲しいならそうするよ」
サリムが隣に座る私の顔を覗き込み、優しい口調で訊ねてきた。最初は私もすぐに結婚する気でいたが、ロイアン家の義父母の提案を聞いた後にはその考えが揺らいでいた。
---いきなりより徐々に覚えるほうが私にとっていい事かもしれないわね。それに義父母の好意を無にするような事をして結婚前に印象を悪くしたくないかな…。
私は少し迷ったけど、義父母の申し出を受けることにした。
「そうね。私も結婚前に花嫁修業が出来たならより安心して嫁げると思うわ。お義父さんとお義母さんの優しい気持ちに甘えさせてもらっていいかな?」
私のこの一言で、結婚式は半年後に挙げ、その前に三ヶ月間の花嫁修業を行う事に決まった。世間でも花嫁修業はよくある事だし、友人の何人かは結婚前に経験したと言っていたので、私はそれになんの抵抗もなかった。
ただ私の両親だけはロイアン家での三ヶ月間の花嫁修業に渋い顔をしていた。その理由は通いではなくロイアン家に住み込みで花嫁修業を行うという点だった。
『何も住み込みでなくても…』と何度も言われたが、実際に毎日通いで行くのは距離的に大変なのは事実だ。ロイアン家もそれが分かっていたから、住み込みでどうかと言ってくれていたのだ。私の決意が固いのが分かると、両親も最後には『カリナが納得しているのなら』と許してくれた。
そして明日から待ちに待った花嫁修業が始まる。
『必要なものはロイアン家で用意するから身一つで来て大丈夫よ』と義母から言ってもらっていたので、私は必要最低限の荷物をバックに詰めるだけで準備は終わっていた。
すべてが順調で、私は半年後に控えている結婚式のことを想像しながら幸福感に包まれていた。
これから私を待ち受ける現実がどんなものか考えもせず、このまま何事もなく幸せな花嫁になれると信じ切っていたのだ。
「は、はい、喜んで!サリム愛しているわ」
私は恋人のサリム・ロイアンから、平凡だけど世界一素敵なプロポーズをされた。お互いに顔を真っ赤にしながらゼンマイ仕掛けの人形のようなコチコチな動きをして、サリムが用意していたバラの花束とルビーの指輪を私が受け取ったりしていた。
場所はムードなんて皆無のただの近所の公園で、憧れているお芝居のワンシーンとはかなりかけ離れていたけど、私達にとっては生涯忘れられない思い出になった。
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私カリナ・ギャロとサリムは一年前に友達の紹介で知り合った。お互い一目惚れですぐにお付き合いを始め、時間を作っては毎日のようにデートを楽しんでいた。時には些細なことで喧嘩をしたり、お互い意地を張って一週間も口をきかない日もあったけど、その都度ちゃんと話し合い仲直りをし愛を育んできたのだ。
お互いに美男美女ではないし欠点もあるけど、私達ならきっと結婚しても楽しい家庭を築いていけると漠然と思っていた。
---彼と結婚したら、普通の幸せな奥さんになるんだろうな。
彼は商家の跡取りだけど、私も平民としては裕福な両親の元で育っているので身分的にも釣り合いが取れていて問題はなかった。お付き合いをしている段階でお互いの両親には紹介をしていて、可愛がっても貰っていたし、『いつ結婚するの?』と冗談交じりに聞かれる事はよくあった。
なのでお互い結婚の意思を確認した後は、すぐさまロイアン家とギャロ家に報告に行った。
どちらの両親も私達の結婚を喜んで受け入れてくれて、私は嬉しさと共に正直ホッとした。
そして家族に祝福されて、私達は正式な婚約者となった。
私は19歳でサリムは22歳、二人とも結婚適齢期なのですぐに結婚をしようと考えていた。
ある日、ロイアン家に結婚式の相談でお邪魔した時にサリムの両親からある提案がされた。
「すぐに結婚だと、商家出身でないカリナが嫁いだ時に戸惑うことが多くて辛い思いをするんじゃないかしら。まずは三ヶ月間我が家で花嫁修業をして慣れてから結婚式を挙げるほうがいいんじゃない?」
「そうだぞサリム。お前はすぐに結婚しても可愛い妻が出来るだけで環境は変わらないからいいだろう。けれども我が家に嫁ぐカリナは違うんだぞ。新しい家族と新しい生活の中で一人だけ大変な思いをすることになるんだ。
カリナを大切に想うなら、彼女のペースを考えてあげないといけないぞ」
サリムの両親は優しい人で、結婚後に掛かる私への負担を少しでも減らすことを真剣に考えてくれていた。その心遣いに私の心はじんわりと温かくなり『この家に嫁ぐことが出来て幸せだ』と胸に込み上げてくるものがあった。
「どうするカリナ?僕は早く愛する君と結婚したいけど、カリナが慣れる期間が欲しいならそうするよ」
サリムが隣に座る私の顔を覗き込み、優しい口調で訊ねてきた。最初は私もすぐに結婚する気でいたが、ロイアン家の義父母の提案を聞いた後にはその考えが揺らいでいた。
---いきなりより徐々に覚えるほうが私にとっていい事かもしれないわね。それに義父母の好意を無にするような事をして結婚前に印象を悪くしたくないかな…。
私は少し迷ったけど、義父母の申し出を受けることにした。
「そうね。私も結婚前に花嫁修業が出来たならより安心して嫁げると思うわ。お義父さんとお義母さんの優しい気持ちに甘えさせてもらっていいかな?」
私のこの一言で、結婚式は半年後に挙げ、その前に三ヶ月間の花嫁修業を行う事に決まった。世間でも花嫁修業はよくある事だし、友人の何人かは結婚前に経験したと言っていたので、私はそれになんの抵抗もなかった。
ただ私の両親だけはロイアン家での三ヶ月間の花嫁修業に渋い顔をしていた。その理由は通いではなくロイアン家に住み込みで花嫁修業を行うという点だった。
『何も住み込みでなくても…』と何度も言われたが、実際に毎日通いで行くのは距離的に大変なのは事実だ。ロイアン家もそれが分かっていたから、住み込みでどうかと言ってくれていたのだ。私の決意が固いのが分かると、両親も最後には『カリナが納得しているのなら』と許してくれた。
そして明日から待ちに待った花嫁修業が始まる。
『必要なものはロイアン家で用意するから身一つで来て大丈夫よ』と義母から言ってもらっていたので、私は必要最低限の荷物をバックに詰めるだけで準備は終わっていた。
すべてが順調で、私は半年後に控えている結婚式のことを想像しながら幸福感に包まれていた。
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