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12.花嫁修業~商会②~
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あっさりと置き去りにされた私が入口のところで戸惑っていると中から出てきた年配の男性従業員が声を掛けてきてくれた。
「お嬢さん、ロイアン商会に何か御用ですか?」
「はい、私はカリナ・ギャロといいます。今日からこちらでお手伝いする予定なんですが、」
「ああ!貴女が坊ちゃんの婚約者のカリナ様ですか。私がトムです、話は奥様から聞いてますよ。
ところでここまで一人で来たんですか?」
「いえリリアンがここまで連れてきてくれましたけど、」
「ははん、置き去りにされましたかー。最後まで案内しない適当なところはリリアン様らしいですな、ハッハッハ」
「あはは…」
どうやらロイアン商会の従業員の間では、リリアンの評価は正しくされているようだ。ただ私が『そうよね』と同調する訳にいかないので笑って誤魔化しておいた。
私の指導を任された古参従業員のトムは気さくなおじいさんという感じで、私に軽い調子で話してくる。
「なんで奥様が教えるんじゃなく、私がカリナ様に教えるんでしょうねー?これは花嫁修業の一環だと聞きましたが、男の私が花嫁修業の指導なんて可笑しいですよね。ハッハッハ」
「あはは、どうでしょうね…」
その通りだと思ったが、私は苦笑いするしかない。お互いこれはおかしいと思っていても、トムにとっては商会夫人から、私にとっては未来の義母からの指示なので断ることは出来ないのだから。
トムも困った顔をしながら義母から言われたことを私に伝えてきた。
「奥様からは雑用やお使い等を夕方までカリナ様にしてもらうように言われています。仕事内容は難しくないものをお願いしますが、量があるので大変だとは思います。
だから休憩を挟みながら、気楽にやりましょう。奥様には内緒でね!」
「はい、頑張るのでよろしくお願いします」
こうしてトムから教わりながら、商会での手伝いを始めることになった。彼が言ったように難しい事は頼まれなかったが、目が回るほど忙しいのは本当だった。
けれどもそれは私だけではく年配者のトムも同じなので不満はなかった。それに周りからは『頼りにしてます』や『有り難う』と言われるので、仕事を大変に感じると言うより充実していた。
雑用・備品の買い出し・近くの他の商会へのお使いなどで、あっという間に一日が終わった。
トムから『今日はお疲れ様でした』と声を掛けられた時には、正直ヘトヘトになっていて『お疲れ様でした、そして有り難うございます』と辛うじて返事がすることが出来たくらいだ。
「カリナ様、大丈夫ですか?坊ちゃんに言って花嫁修業の内容をもう少し軽くしてもらってはどうですか。奥様には言えませんが、私個人としてはこんな厳しくなくていいと思いますよ」
「お気遣い有難う。私もちょっとサリムに話してみます」
「ああ、それがいい!」
「ではお先に失礼します」
夕方になり商会での仕事を終えると、疲れたけれどなんとも言えない充実した気持ちでロイアンの屋敷に戻っていった。
「お嬢さん、ロイアン商会に何か御用ですか?」
「はい、私はカリナ・ギャロといいます。今日からこちらでお手伝いする予定なんですが、」
「ああ!貴女が坊ちゃんの婚約者のカリナ様ですか。私がトムです、話は奥様から聞いてますよ。
ところでここまで一人で来たんですか?」
「いえリリアンがここまで連れてきてくれましたけど、」
「ははん、置き去りにされましたかー。最後まで案内しない適当なところはリリアン様らしいですな、ハッハッハ」
「あはは…」
どうやらロイアン商会の従業員の間では、リリアンの評価は正しくされているようだ。ただ私が『そうよね』と同調する訳にいかないので笑って誤魔化しておいた。
私の指導を任された古参従業員のトムは気さくなおじいさんという感じで、私に軽い調子で話してくる。
「なんで奥様が教えるんじゃなく、私がカリナ様に教えるんでしょうねー?これは花嫁修業の一環だと聞きましたが、男の私が花嫁修業の指導なんて可笑しいですよね。ハッハッハ」
「あはは、どうでしょうね…」
その通りだと思ったが、私は苦笑いするしかない。お互いこれはおかしいと思っていても、トムにとっては商会夫人から、私にとっては未来の義母からの指示なので断ることは出来ないのだから。
トムも困った顔をしながら義母から言われたことを私に伝えてきた。
「奥様からは雑用やお使い等を夕方までカリナ様にしてもらうように言われています。仕事内容は難しくないものをお願いしますが、量があるので大変だとは思います。
だから休憩を挟みながら、気楽にやりましょう。奥様には内緒でね!」
「はい、頑張るのでよろしくお願いします」
こうしてトムから教わりながら、商会での手伝いを始めることになった。彼が言ったように難しい事は頼まれなかったが、目が回るほど忙しいのは本当だった。
けれどもそれは私だけではく年配者のトムも同じなので不満はなかった。それに周りからは『頼りにしてます』や『有り難う』と言われるので、仕事を大変に感じると言うより充実していた。
雑用・備品の買い出し・近くの他の商会へのお使いなどで、あっという間に一日が終わった。
トムから『今日はお疲れ様でした』と声を掛けられた時には、正直ヘトヘトになっていて『お疲れ様でした、そして有り難うございます』と辛うじて返事がすることが出来たくらいだ。
「カリナ様、大丈夫ですか?坊ちゃんに言って花嫁修業の内容をもう少し軽くしてもらってはどうですか。奥様には言えませんが、私個人としてはこんな厳しくなくていいと思いますよ」
「お気遣い有難う。私もちょっとサリムに話してみます」
「ああ、それがいい!」
「ではお先に失礼します」
夕方になり商会での仕事を終えると、疲れたけれどなんとも言えない充実した気持ちでロイアンの屋敷に戻っていった。
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