29 / 36
29.それぞれの言い分④
しおりを挟む
「母さんいい加減にしてくれ、なんで素直に謝ってくれないんだ!さっきの俺の話を聞いて同じなんてよく言えるな?全然違うだろう。
カリナに使用人や従業員と同じ仕事をさせて、少しは済まなかったと思わないのか!」
サリムが本気で義母に対して怒鳴りつけているが、義母の口から出てきたのは謝罪ではなく反論だった。
「あなた達も花嫁修業と同じことをしていたって言っていたくせに。今になって私だけが悪いって言うの?そもそもこれはカリナの為にやってあげている事だわ。
未来のお嫁さんの為にここまでしてあげる婚家なんてないわよ、カリナは恵まれているの。
それに我が家の嫁になる子なのだから、我が家流に歩み寄るのは当然だわ!ねえ?カリナ」
「アマンダ、お前はなにを言ってるんだ。我が家流ってなんだ?そもそも結婚前に花嫁修業なんてロイアン家ではした事なんてないだろう。勝手な事を言ってないで自分のしたことを反省しなさい」
義父の言葉は興奮気味な義母には逆効果だった。今まで聞いたことが無いようなヒステリックな声で義母は叫んでいる。
「なによ!サリムもあなたも花嫁修業も部屋の用意もすべて私に押し付けてきたくせに。私なりに一生懸命考えてしたのよ!それを今になって私だけ悪者にして済ませようとするなんてあんまりだわ」
そう言うなり義母は応接室から飛び出してしまった。
残された私達は義母をどうするべきか思案していると、リリアンがおずおずと手を挙げてきた。
「あの…、私がお母さんを追いかけようか。きっと連れ戻せないとは思うけど、一人にしておくのも心配だし。いいかな?」
「ああ、リリアン頼む。私とサリム達はまだ話し合わなくてはいけないからな」
リリアンは義父の許可が出ると立ち上がり部屋から出ていこうとした。だが扉の前まで行くとくるりと振り返り私を見て勢いよく頭を下げてきた。
「カリナ姉さん、本当にごめんなさい。私、勘違いしていた」
それだけ言うとあっという間に部屋から姿を消していた。なんかリリアンらしい『謝罪とは言えないような謝罪』だったが、そこに嘘は感じられなかった。
サリムは申し訳なさそうに『がさつな謝り方で済まない』と言ってくれたが、私は反省してくれたのが分かったので十分だった。
---まあ、あのリリアンにしては上出来じゃないかしら。あれでも頑張ったんだろうな。
外では通用しないだろうけど、ふふふ、いつかは分かるでしょう。
無神経な人だけど悪人ではないみたいだしね…。
カリナに使用人や従業員と同じ仕事をさせて、少しは済まなかったと思わないのか!」
サリムが本気で義母に対して怒鳴りつけているが、義母の口から出てきたのは謝罪ではなく反論だった。
「あなた達も花嫁修業と同じことをしていたって言っていたくせに。今になって私だけが悪いって言うの?そもそもこれはカリナの為にやってあげている事だわ。
未来のお嫁さんの為にここまでしてあげる婚家なんてないわよ、カリナは恵まれているの。
それに我が家の嫁になる子なのだから、我が家流に歩み寄るのは当然だわ!ねえ?カリナ」
「アマンダ、お前はなにを言ってるんだ。我が家流ってなんだ?そもそも結婚前に花嫁修業なんてロイアン家ではした事なんてないだろう。勝手な事を言ってないで自分のしたことを反省しなさい」
義父の言葉は興奮気味な義母には逆効果だった。今まで聞いたことが無いようなヒステリックな声で義母は叫んでいる。
「なによ!サリムもあなたも花嫁修業も部屋の用意もすべて私に押し付けてきたくせに。私なりに一生懸命考えてしたのよ!それを今になって私だけ悪者にして済ませようとするなんてあんまりだわ」
そう言うなり義母は応接室から飛び出してしまった。
残された私達は義母をどうするべきか思案していると、リリアンがおずおずと手を挙げてきた。
「あの…、私がお母さんを追いかけようか。きっと連れ戻せないとは思うけど、一人にしておくのも心配だし。いいかな?」
「ああ、リリアン頼む。私とサリム達はまだ話し合わなくてはいけないからな」
リリアンは義父の許可が出ると立ち上がり部屋から出ていこうとした。だが扉の前まで行くとくるりと振り返り私を見て勢いよく頭を下げてきた。
「カリナ姉さん、本当にごめんなさい。私、勘違いしていた」
それだけ言うとあっという間に部屋から姿を消していた。なんかリリアンらしい『謝罪とは言えないような謝罪』だったが、そこに嘘は感じられなかった。
サリムは申し訳なさそうに『がさつな謝り方で済まない』と言ってくれたが、私は反省してくれたのが分かったので十分だった。
---まあ、あのリリアンにしては上出来じゃないかしら。あれでも頑張ったんだろうな。
外では通用しないだろうけど、ふふふ、いつかは分かるでしょう。
無神経な人だけど悪人ではないみたいだしね…。
101
あなたにおすすめの小説
【完結】貴方の望み通りに・・・
kana
恋愛
どんなに貴方を望んでも
どんなに貴方を見つめても
どんなに貴方を思っても
だから、
もう貴方を望まない
もう貴方を見つめない
もう貴方のことは忘れる
さようなら
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
二年間の花嫁
柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。
公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。
二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。
それでも構わなかった。
たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。
けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。
この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。
彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。
やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。
期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。
――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる