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2.妻はにこやかに執行猶予をつける
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「……えっと、……ちょっとだけ待ってくれ」
頭を抱えながら夫は懸命に考えている。ここでどう答えるのが正解なのかを。
適当に誤魔化そうとしないところは褒めてあげたい。でもこのままではたぶん落第生になる。
男の感覚では娼館通いは裏切り行為ではない。
確かに妻にバレたくないことだが、妻を心から愛しているのは本当だし、誠心誠意謝ったら許される事くらいに捉えているから。
ある騎士の妻は煮えたぎる怒りを心の奥に隠し、贔屓がいる娼館に通いつめている夫にやんわりと釘を差した。
『あなた、ほどほどにしてくださいね』
『あれは商売だから、外で食事をするのと同じだ。心はちゃんと君にある』
『そんなの屁理屈だわ。後ろめたい事をしている自覚があるから内緒にしているんでしょ?』
『後ろめたい訳じゃない。高めの外食をしたら勿体ないと妻は怒るものだろ?だから、男はわざわざ言わない。それと同じだ。それに小遣いの範囲なんだから迷惑を掛けていないだろ?騎士の妻はこれくらい笑って許すもんだぞ』
騎士は妻の言葉を笑い飛ばしたそうだ。
開き直っているのではなく、それで済む話だと思っているようだったとその妻は言っていた。
ただ慰めることしか出来なかった私は、『もう疲れちゃったな…』と呟いた妻のその表情が忘れられない。
以前は涙を滲ませながら愚痴っていたが、その目にもう涙はなかった。
――宿っていたのは諦めだけ。
彼女はその一ヶ月後に家を出ていった。離縁はまだしていないと聞いている。
夫婦でその後どんな会話をして、その決断に至ったのかは知らない。
いや、何も話していない気がする。
夫にとっては話す価値もない些細なこと、だから彼女は夫に背を向けたのだろう。
その気持ちを妻達は理解できた。
でも夫達は違った。
『元気だしてください、副団長』
『飯に困っているでしょ?良かったらうちに食べに来てください』
『暫くしたらケロッと帰ってきますよ。奥さんはへそ曲げているだけですから』
夫曰く、こんなふうに励ましているという。
その騎士も『妻が帰ってきたら温かく迎えるつもりだ』と妻の帰りを待っており、仲間達からは『心が広い奴だ』と褒め称えられているらしい。
どちらも本音。悪気なんてないし彼女を見下しているつもりも毛頭ない。
本当に嫌になっちゃうくらい分かっていない。
――どんなに妻の心を傷つけているかを。
温かく迎えるって、なんで上から目線で言っているのっ?
心が広いって、妻が浮気をして夫が出ていった場合もそんな台詞を妻に言うのか?
――きっと言わない。出ていかれて当然だと呆れる。
それにね、ただ待っていても帰って来ない。
それが分からないから良き妻は出ていったのに…。
今ならまだ間に合うかもしれないのに、それにさえ気づけないでいる。
その騎士は妻を心から愛しているのは本当。
いつか大切な人を失ったことが分かったら、その騎士は後悔するのだろうな……。
可哀想だと思わない。
――他人の夫には厳しい私。
彼女は『騎士の妻の鑑のような人』で、その夫である騎士も部下に慕われている良い人だ。
それでもこうなるのだ。
時代とともに女性側の意識が変化していったら、何年後または何十年後にこんな夫婦がきっと増えるのだろう。
このままでは、リヴァイだって……。
そんな彼は見たくないな。
愛ゆえに自分の夫には甘くなる。
だから私が彼を変えると心に誓った。
愛しの旦那様の未来は私が守って見せますとも!
リヴァイ、覚悟はいいかしら?
いつの日かこんな妻を持ったことを彼が感謝する日がくるはず。
それは遠くない未来かな……
その時には私は救いの神のように崇められるかもしれないと思うと、ちょっとだけ気分がいい。
『女神様、仏様!』
『むむっ、私は死んでないわよ、リヴァイ!』
『うぁっ、間違えた!ごめん、カサナ』
こんなくだらない会話をして二人で笑いたい。
……出来たらいいな……
ライラがふにゃふにゃと動き出した、これはあと少しで目覚める前兆。
「時間切れよ、リヴァイ」
「待ってくれっ、あと少しだけ――」
「自分でちゃんと考えようとしているのは偉いと思う。でも時は金なりよ、時間が勿体ないわ。だからヒントをあげる」
『時間切れ=離縁』ではないと分かって、夫は少しだけ安堵している。でも私の本気が伝わっているから、正座は崩していない。
足が痺れているのだろう、ぷるぷると震えているのに必死に我慢している。
こういう真っ直ぐなところは可愛い。思わず足を崩せばと甘い言葉が出そうになる。
……絆されちゃ、だめだめ。
ここはビシッと締めていこう。
「あなたは何をすればいいか分からないのでしょ?まずはこの人達から話を聞いてきて」
「話を聞くだけでいいのか…?」
私が差し出した紙には二十人以上の名前が記されていた。
夫はそんな簡単なことで許されるのかと訝しげだ。
「話してもらえるかどうかは分からないわ。それはあなた次第。何を質問するかは自分で考えてみてね。猶予は一週間よ。一週間後にこの話し合いの続きをしましょう」
「…つまり一週間後の私の返答次第で、離縁はやめてくれるんだなっ?!」
ちなみに私は嘘はつかない主義なので、離縁しないと約束しないでおく。
一週間の執行猶予の提案に夫は勢いよく立ち上がり、今にも家を出て行きそうだ。
やる気は買おう。
でももう日が暮れているから、今から訪ねたら迷惑でしかない。
鼻息荒い脳筋夫を諌めるのも妻として役目?かな…。
「リヴァイ、明日から一週間ね。フライングしたら、執行猶予は取り消しよ」
「絶対にしないっ!俺は待てが出来る男だ、信じてくれ」
はぁ~ん、待てが出来るだと…?
自分の暴れ棒に待てを教えこんでから言ってみろやっ!と悪態をつきたいところだが、娘の前で汚い言葉はご法度だ。
だから代わりに般若の顔でグワッと睨みつける。
察しろやっ……。
――ハッとする夫。どうやら心の声はしっかりと届いたようだ
「……調子に乗っていらぬことを言いました、どうか忘れてください。明日から頑張ります!!」
「分かればよろしい」
結婚生活五年目、以心伝心は完璧だった。
私は『ライラを見ててね』と夫の腕に目覚めた娘を預けて、夕食の準備に取り掛かる。
「ライラ、お父さんは頑張るから応援してくれっ」
きゃっきゃっとご機嫌な娘に真剣に話しかけている夫。きっと明日からその言葉通りに頑張るはずだ。
彼はちゃんと正解に辿り着いてくれるだろうか。
……なんとか辿り着いてもらわないと困るのよね。
◇ ◇ ◇
翌日の早朝。まだ鶏すら鳴いていない時間帯に夫はベッドの中にいる私に小声で尋ねてきた。
「カサナ、もう朝だからいいよな?!日が昇らなくても大丈夫だよな?!」
「…うーん、他所様の家を訪ねる時間帯ではないでしょ?」
半分寝ぼけていたけれど、夫が言わんとしていることは伝わっていた。
「分かっている。まずは早朝に出勤して有給休暇を申請する。だがすんなり認められる可能性は低い。上を脅すのにそれなりに時間が掛かるから今から出勤する。そして、一週間掛けて話を聞いて回るつもりだ」
騎士団は二十四時間年中無休だから誰かしらいるのだ。
有給休暇を取得するために上を脅迫するのはどうかと思うけれど、まあいい。
……犯罪でないから見ないふり。
ちゃんと考えて、仕事を休まなければ満足いく結果は得られないと判断したのだ。
それは彼がちゃんと向き合おうとしている証。
さすがは愛しの旦那様だ。
「いってらっしゃい、リヴァイ」
「行ってくるよ、カサナ」
私は上半身を起こして夫の唇に軽く口づけをする。いつも送り出す時にはこれを欠かしたことはない。
夫は小さな声で『まだ寝ていろ』と私に毛布を掛け直してから部屋から出ていき、すぐに玄関の扉が閉まる音が聞こえてきた。
「まーあぅー、ぱっぱっ」
「あら、ライラは早起きさんね」
夫は気遣って音を立てなかったけれど、ライラは目覚めてしまったようだ。
いつもよりは早い起床になるが、起きてしまうおうと立ち上がる。
――ガッタン…。
いきなり起き上がったせいだろう、立ちくらみを起こしよろけてしまう。ライラを抱いていなくて良かった。
『ちょっとだけ待ってね、ライラ』と蹲ったまま声を掛ける。
まだ一歳になってないけれど、お利口な娘は『まっま、』とご機嫌にお喋りをしながら待ってくれている。
良かった、ライラがいい子で、そして夫が出掛けた後で……。
私は立ちくらみが治まるといつものように家事をしながら、その合間に知人に宛てて数通手紙を書いた。『たぶん夫が訪ねていくと思うので、お時間をいただけたら幸いです』と。
これは私からの援護射撃。
我ながら本当に出来た妻だと思う。
変わって、リヴァイ!
………時間はあまりないからね……
頭を抱えながら夫は懸命に考えている。ここでどう答えるのが正解なのかを。
適当に誤魔化そうとしないところは褒めてあげたい。でもこのままではたぶん落第生になる。
男の感覚では娼館通いは裏切り行為ではない。
確かに妻にバレたくないことだが、妻を心から愛しているのは本当だし、誠心誠意謝ったら許される事くらいに捉えているから。
ある騎士の妻は煮えたぎる怒りを心の奥に隠し、贔屓がいる娼館に通いつめている夫にやんわりと釘を差した。
『あなた、ほどほどにしてくださいね』
『あれは商売だから、外で食事をするのと同じだ。心はちゃんと君にある』
『そんなの屁理屈だわ。後ろめたい事をしている自覚があるから内緒にしているんでしょ?』
『後ろめたい訳じゃない。高めの外食をしたら勿体ないと妻は怒るものだろ?だから、男はわざわざ言わない。それと同じだ。それに小遣いの範囲なんだから迷惑を掛けていないだろ?騎士の妻はこれくらい笑って許すもんだぞ』
騎士は妻の言葉を笑い飛ばしたそうだ。
開き直っているのではなく、それで済む話だと思っているようだったとその妻は言っていた。
ただ慰めることしか出来なかった私は、『もう疲れちゃったな…』と呟いた妻のその表情が忘れられない。
以前は涙を滲ませながら愚痴っていたが、その目にもう涙はなかった。
――宿っていたのは諦めだけ。
彼女はその一ヶ月後に家を出ていった。離縁はまだしていないと聞いている。
夫婦でその後どんな会話をして、その決断に至ったのかは知らない。
いや、何も話していない気がする。
夫にとっては話す価値もない些細なこと、だから彼女は夫に背を向けたのだろう。
その気持ちを妻達は理解できた。
でも夫達は違った。
『元気だしてください、副団長』
『飯に困っているでしょ?良かったらうちに食べに来てください』
『暫くしたらケロッと帰ってきますよ。奥さんはへそ曲げているだけですから』
夫曰く、こんなふうに励ましているという。
その騎士も『妻が帰ってきたら温かく迎えるつもりだ』と妻の帰りを待っており、仲間達からは『心が広い奴だ』と褒め称えられているらしい。
どちらも本音。悪気なんてないし彼女を見下しているつもりも毛頭ない。
本当に嫌になっちゃうくらい分かっていない。
――どんなに妻の心を傷つけているかを。
温かく迎えるって、なんで上から目線で言っているのっ?
心が広いって、妻が浮気をして夫が出ていった場合もそんな台詞を妻に言うのか?
――きっと言わない。出ていかれて当然だと呆れる。
それにね、ただ待っていても帰って来ない。
それが分からないから良き妻は出ていったのに…。
今ならまだ間に合うかもしれないのに、それにさえ気づけないでいる。
その騎士は妻を心から愛しているのは本当。
いつか大切な人を失ったことが分かったら、その騎士は後悔するのだろうな……。
可哀想だと思わない。
――他人の夫には厳しい私。
彼女は『騎士の妻の鑑のような人』で、その夫である騎士も部下に慕われている良い人だ。
それでもこうなるのだ。
時代とともに女性側の意識が変化していったら、何年後または何十年後にこんな夫婦がきっと増えるのだろう。
このままでは、リヴァイだって……。
そんな彼は見たくないな。
愛ゆえに自分の夫には甘くなる。
だから私が彼を変えると心に誓った。
愛しの旦那様の未来は私が守って見せますとも!
リヴァイ、覚悟はいいかしら?
いつの日かこんな妻を持ったことを彼が感謝する日がくるはず。
それは遠くない未来かな……
その時には私は救いの神のように崇められるかもしれないと思うと、ちょっとだけ気分がいい。
『女神様、仏様!』
『むむっ、私は死んでないわよ、リヴァイ!』
『うぁっ、間違えた!ごめん、カサナ』
こんなくだらない会話をして二人で笑いたい。
……出来たらいいな……
ライラがふにゃふにゃと動き出した、これはあと少しで目覚める前兆。
「時間切れよ、リヴァイ」
「待ってくれっ、あと少しだけ――」
「自分でちゃんと考えようとしているのは偉いと思う。でも時は金なりよ、時間が勿体ないわ。だからヒントをあげる」
『時間切れ=離縁』ではないと分かって、夫は少しだけ安堵している。でも私の本気が伝わっているから、正座は崩していない。
足が痺れているのだろう、ぷるぷると震えているのに必死に我慢している。
こういう真っ直ぐなところは可愛い。思わず足を崩せばと甘い言葉が出そうになる。
……絆されちゃ、だめだめ。
ここはビシッと締めていこう。
「あなたは何をすればいいか分からないのでしょ?まずはこの人達から話を聞いてきて」
「話を聞くだけでいいのか…?」
私が差し出した紙には二十人以上の名前が記されていた。
夫はそんな簡単なことで許されるのかと訝しげだ。
「話してもらえるかどうかは分からないわ。それはあなた次第。何を質問するかは自分で考えてみてね。猶予は一週間よ。一週間後にこの話し合いの続きをしましょう」
「…つまり一週間後の私の返答次第で、離縁はやめてくれるんだなっ?!」
ちなみに私は嘘はつかない主義なので、離縁しないと約束しないでおく。
一週間の執行猶予の提案に夫は勢いよく立ち上がり、今にも家を出て行きそうだ。
やる気は買おう。
でももう日が暮れているから、今から訪ねたら迷惑でしかない。
鼻息荒い脳筋夫を諌めるのも妻として役目?かな…。
「リヴァイ、明日から一週間ね。フライングしたら、執行猶予は取り消しよ」
「絶対にしないっ!俺は待てが出来る男だ、信じてくれ」
はぁ~ん、待てが出来るだと…?
自分の暴れ棒に待てを教えこんでから言ってみろやっ!と悪態をつきたいところだが、娘の前で汚い言葉はご法度だ。
だから代わりに般若の顔でグワッと睨みつける。
察しろやっ……。
――ハッとする夫。どうやら心の声はしっかりと届いたようだ
「……調子に乗っていらぬことを言いました、どうか忘れてください。明日から頑張ります!!」
「分かればよろしい」
結婚生活五年目、以心伝心は完璧だった。
私は『ライラを見ててね』と夫の腕に目覚めた娘を預けて、夕食の準備に取り掛かる。
「ライラ、お父さんは頑張るから応援してくれっ」
きゃっきゃっとご機嫌な娘に真剣に話しかけている夫。きっと明日からその言葉通りに頑張るはずだ。
彼はちゃんと正解に辿り着いてくれるだろうか。
……なんとか辿り着いてもらわないと困るのよね。
◇ ◇ ◇
翌日の早朝。まだ鶏すら鳴いていない時間帯に夫はベッドの中にいる私に小声で尋ねてきた。
「カサナ、もう朝だからいいよな?!日が昇らなくても大丈夫だよな?!」
「…うーん、他所様の家を訪ねる時間帯ではないでしょ?」
半分寝ぼけていたけれど、夫が言わんとしていることは伝わっていた。
「分かっている。まずは早朝に出勤して有給休暇を申請する。だがすんなり認められる可能性は低い。上を脅すのにそれなりに時間が掛かるから今から出勤する。そして、一週間掛けて話を聞いて回るつもりだ」
騎士団は二十四時間年中無休だから誰かしらいるのだ。
有給休暇を取得するために上を脅迫するのはどうかと思うけれど、まあいい。
……犯罪でないから見ないふり。
ちゃんと考えて、仕事を休まなければ満足いく結果は得られないと判断したのだ。
それは彼がちゃんと向き合おうとしている証。
さすがは愛しの旦那様だ。
「いってらっしゃい、リヴァイ」
「行ってくるよ、カサナ」
私は上半身を起こして夫の唇に軽く口づけをする。いつも送り出す時にはこれを欠かしたことはない。
夫は小さな声で『まだ寝ていろ』と私に毛布を掛け直してから部屋から出ていき、すぐに玄関の扉が閉まる音が聞こえてきた。
「まーあぅー、ぱっぱっ」
「あら、ライラは早起きさんね」
夫は気遣って音を立てなかったけれど、ライラは目覚めてしまったようだ。
いつもよりは早い起床になるが、起きてしまうおうと立ち上がる。
――ガッタン…。
いきなり起き上がったせいだろう、立ちくらみを起こしよろけてしまう。ライラを抱いていなくて良かった。
『ちょっとだけ待ってね、ライラ』と蹲ったまま声を掛ける。
まだ一歳になってないけれど、お利口な娘は『まっま、』とご機嫌にお喋りをしながら待ってくれている。
良かった、ライラがいい子で、そして夫が出掛けた後で……。
私は立ちくらみが治まるといつものように家事をしながら、その合間に知人に宛てて数通手紙を書いた。『たぶん夫が訪ねていくと思うので、お時間をいただけたら幸いです』と。
これは私からの援護射撃。
我ながら本当に出来た妻だと思う。
変わって、リヴァイ!
………時間はあまりないからね……
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