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第3章 2 入れ替わり後の初めてのチェンジ
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良く晴れた土曜日・・・。
「おはようございます・・・お父様・・。」
私はお父様の待つダイニングルームへとやってきた。するとそこには父がエアー縄跳びをしながら待っていた。
「おお、おはよう。私の可愛いロザリアや。お前に言われた通り、毎朝の日課の朝食前のエアー縄跳びを続けているぞ?やはり効果が表れてくると嬉しいものだのぉ?」
お父様はさわやかな笑顔で私を見た。もうその体系は以前のように太った身体ではない。身体はすっきりと痩せ、あれほど肉に埋もれて見えなかった首と顔の境目も今ではくっきり分かれている。何より驚きなのが、ツルツルだった頭に少しずつ毛穴が復活し、今では羽毛のような毛が生え始めている事だった。
「お父様・・・まだまだ剥げてはおりますが・・大分頭頂部がまぶしくなくなってきましたね。それに体重もすっかり減って・・・・。」
思わず涙ぐんで言うと、お父様は怪訝そうな顔をして私を見た。
「うん・・?どうしたのだい?ロザリア。毎日私と顔を合わせていると言うのに・・今朝は随分としおらしいではないか?」
お父様に指摘されて私は、ハッとなった。やはり・・・お父様は私の変化に気づいてしまったのだろうか?なので慌てて取り繕った。
「い、いえ。そんな事はありません。さ、さあ・・お父様。食事を頂きませんか?」
私は朝食のテーブルを見て・・むなしい気持ちになってしまった。
うう・・・何て乏しい食事なのだろう。テーブルの上には私の大好きな糖分たっぷりの炭水化物が無い。あるのはミルクボウルに入ったドライフルーツ入りのグラノーラに牛乳。無糖ヨーグルトに砂糖を入れずに果実の糖分だけで作ったジャム、そしてサラダだけなんて・・・。
「どれ、頂こうかな。今朝のメニューもとても健康に良く、美味しそうだ。」
あのお父様の言葉とは思えないセリフを聞いて私は絶句してしまった。まさか・・そこまでお父様は里香さんに洗脳されてしまったのだろうか・・?!
すると頭の中で突然里香さんの声が響き渡ってきた。
《 こらぁっ!誰が洗脳よっ!人聞きの悪い事言わないで頂戴っ!貴女のお父さんがあんなに痩せてすっきりしたのは、全ては私と貴女のお父さんの努力の賜物なんだからっ!余分な脂をとらなくなったから・・・頭頂部の毛穴だって復活してきたのよ!とにかく今日は学校がお休みな事だし、お試しで私と貴女は1日身体を入れ変わった状態にしておくのよ?私はここで休んでるけど・・いつでもあなたが道を踏み外さないように見張っていると言う事を忘れないでねっ?! 》
《 はいぃっ!わ・・分かりましたっ!で、でも・・・食事の量が少なすぎです。これではあんまりです・・・。 》
頭の中の里香さんに話しかけると意外な事を言われた。
《 いいえ、それはきっと大丈夫。貴女の身体はこれだけの食事量でもう満足いく身体に変わっているはずだから。試してみなさいよ。 》
う~ん・・・いまいち里香さんの言葉を信用しきれないが・・ここは試すしかないだろう。
「ロザリアや、どうしたのだい?先ほどから難しい顔で黙ったままだが・・食べないのかい?」
お父様が首を傾げながら心配そうに尋ねてきた。
「い、いえ。何でもありません。それではいただきましょう。」
「ああ、そうだな。ロザリア。」
そして私とお父様は・・・朝食を食べ始めたのだが・・・やはり、里香さんの言った通り・・・この朝食で私は十分事足りたのだった。
すると満足げな里香さんの声が聞こえてくる。
《 よし、私の言ったとおりだったでしょう?それじゃ次は厨房に行って調理実習の練習よっ!いきなり料理が出来なくなったら不審がられるでしょう?でも・・たぶん私の技術と知識を受け継いでいるからきっとうまくいくはずよ。 》
《 そ、そんな・・・少し休ませてくださいよ・・・。 》
思わず頭の中の里香さんに訴えるもぴしゃりと言われてしまった。
《 駄目よっ!今の貴女には・・・休んでいる暇なんかないのよっ! 》
《 そ、そんなぁ・・・・。 》
私の長い1日は・・・まだまだ始まったばかりである―。
「おはようございます・・・お父様・・。」
私はお父様の待つダイニングルームへとやってきた。するとそこには父がエアー縄跳びをしながら待っていた。
「おお、おはよう。私の可愛いロザリアや。お前に言われた通り、毎朝の日課の朝食前のエアー縄跳びを続けているぞ?やはり効果が表れてくると嬉しいものだのぉ?」
お父様はさわやかな笑顔で私を見た。もうその体系は以前のように太った身体ではない。身体はすっきりと痩せ、あれほど肉に埋もれて見えなかった首と顔の境目も今ではくっきり分かれている。何より驚きなのが、ツルツルだった頭に少しずつ毛穴が復活し、今では羽毛のような毛が生え始めている事だった。
「お父様・・・まだまだ剥げてはおりますが・・大分頭頂部がまぶしくなくなってきましたね。それに体重もすっかり減って・・・・。」
思わず涙ぐんで言うと、お父様は怪訝そうな顔をして私を見た。
「うん・・?どうしたのだい?ロザリア。毎日私と顔を合わせていると言うのに・・今朝は随分としおらしいではないか?」
お父様に指摘されて私は、ハッとなった。やはり・・・お父様は私の変化に気づいてしまったのだろうか?なので慌てて取り繕った。
「い、いえ。そんな事はありません。さ、さあ・・お父様。食事を頂きませんか?」
私は朝食のテーブルを見て・・むなしい気持ちになってしまった。
うう・・・何て乏しい食事なのだろう。テーブルの上には私の大好きな糖分たっぷりの炭水化物が無い。あるのはミルクボウルに入ったドライフルーツ入りのグラノーラに牛乳。無糖ヨーグルトに砂糖を入れずに果実の糖分だけで作ったジャム、そしてサラダだけなんて・・・。
「どれ、頂こうかな。今朝のメニューもとても健康に良く、美味しそうだ。」
あのお父様の言葉とは思えないセリフを聞いて私は絶句してしまった。まさか・・そこまでお父様は里香さんに洗脳されてしまったのだろうか・・?!
すると頭の中で突然里香さんの声が響き渡ってきた。
《 こらぁっ!誰が洗脳よっ!人聞きの悪い事言わないで頂戴っ!貴女のお父さんがあんなに痩せてすっきりしたのは、全ては私と貴女のお父さんの努力の賜物なんだからっ!余分な脂をとらなくなったから・・・頭頂部の毛穴だって復活してきたのよ!とにかく今日は学校がお休みな事だし、お試しで私と貴女は1日身体を入れ変わった状態にしておくのよ?私はここで休んでるけど・・いつでもあなたが道を踏み外さないように見張っていると言う事を忘れないでねっ?! 》
《 はいぃっ!わ・・分かりましたっ!で、でも・・・食事の量が少なすぎです。これではあんまりです・・・。 》
頭の中の里香さんに話しかけると意外な事を言われた。
《 いいえ、それはきっと大丈夫。貴女の身体はこれだけの食事量でもう満足いく身体に変わっているはずだから。試してみなさいよ。 》
う~ん・・・いまいち里香さんの言葉を信用しきれないが・・ここは試すしかないだろう。
「ロザリアや、どうしたのだい?先ほどから難しい顔で黙ったままだが・・食べないのかい?」
お父様が首を傾げながら心配そうに尋ねてきた。
「い、いえ。何でもありません。それではいただきましょう。」
「ああ、そうだな。ロザリア。」
そして私とお父様は・・・朝食を食べ始めたのだが・・・やはり、里香さんの言った通り・・・この朝食で私は十分事足りたのだった。
すると満足げな里香さんの声が聞こえてくる。
《 よし、私の言ったとおりだったでしょう?それじゃ次は厨房に行って調理実習の練習よっ!いきなり料理が出来なくなったら不審がられるでしょう?でも・・たぶん私の技術と知識を受け継いでいるからきっとうまくいくはずよ。 》
《 そ、そんな・・・少し休ませてくださいよ・・・。 》
思わず頭の中の里香さんに訴えるもぴしゃりと言われてしまった。
《 駄目よっ!今の貴女には・・・休んでいる暇なんかないのよっ! 》
《 そ、そんなぁ・・・・。 》
私の長い1日は・・・まだまだ始まったばかりである―。
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