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第3章 16 フリードリッヒ3世の変異
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「え・・・?オ・オスカー様・・・?」
そんな馬鹿な。私はここに陛下がいると言われて連れて来られたのに・・何故この部屋に居るのはオスカーなのだろうか?
私は目をゴシゴシと擦りながら、再度見つめたがその姿はやはり何処からどう見てもオスカーである。
「な・・・何故ですか?何故・・オスカー様・・・貴方がここにいるのですか?」
私は声を震わせながら尋ねた。するとオスカーは満足げに言う。
「おお・・・そうか・・。アイリス・・・やはりお前の目に私はオスカーとして映っているのだな・・?」
オスカーは笑みを浮かべ、嬉しそうに一歩私に近付いてきた。
怖い・・・っ!
恐怖の為、私は思わず後ずさった。
「アイリス・・・・私はな・・・・お前の母・・アレクサンドラの事を・・・・本当に愛していたのだ・・。なのに、彼女が選んだのは・・・憎き男、クラウスだった。私は何としても彼女を手に入れたかった。その為には悪魔に魂を渡しても良いと思える程に・・・。」
「あ・・・悪魔・・・・?」
この部屋にいるオスカーは一体何者なのだ?先程私を襲ってきたオスカーなのだろうか?それとも本当にフリードリッヒ3世がオスカーの姿に自身を変えたのだろうか・・?フリードリッヒ3世の話はまだ続く。
「しかし・・・あの2人の絆を・・引き裂く事はついに出来なかった・・。イリヤ家の当主には代々守護精が付いていたのでな・・・。私は・・アレクサンドラを諦めるしか無かった・・。そして望まぬ結婚をし、2人の子供を授かった。その内の1人が・・アイリス、お前の婚約者であるオスカーだ。」
「!」
「私はアレクサンドラが娘を出産したことを知った。そこでイリヤ家に密偵を放ち・・ずっとお前を監視させていたのだよ?」
「・・・。」
い、いや・・怖い・・ここから先は聞きたくない・・・っ!
しかし私の願いは空しく、偽物オスカーの話は続く。
「アイリス・・・お前は時が流れていくにしたがって、ますます美しく成長していった・・・。そう、あの傾国の美女とうたわれたアレクサンドラ以上に・・・。だから私はお前とオスカーの婚姻を無理に進めたのだ・・・この意味が分かるか?」
私は震えが止まらず、その場で立っているのがやっとだった。だけど、おかしい。こんな話・・前世では無かった。だってあの時の彼らは・・・私を排除する事しか考えて居なかったはずなのに・・・?何故こんな事になってしまったの・・?
「本物のオスカーはもう諦めろ・・・。私は18年間もお前を待ち望んできたのだ・・。さあ、アイリス・・・私を正式な婚約者にすると誓え・・・っ!!」
「い・・いやあああっ!」
私は恐怖で耳を塞いでしゃがみ込んだ。するとその刹那、突然私のはめている指輪が眩いばかりに光を放ったのである。
「ギャアアアアッ!!目が・・・目があああっ!!」
眩しい光をまともに目に受けてしまったのか、偽オスカーが床に転がった。そして私はその時、はっきり見た。
偽オスカーの身体から人の形をしたどす黒い靄が抜けだして行く姿を。
「あ・・あれは・・・オスカー様に取りついている靄と同じ・・・?!」
そして、次に偽オスカーに視線を移すとそこに倒れていたのは・・今世で初めて見るフリードリッヒ3世が意識を失って倒れていたのである。
「い・・今の内に・・・。」
恐怖を押さえて、何とか立ち上がった私は逃げるように部屋を飛び出した。
目指すは先程まで私が会っていたオスカー。あの時・・・指輪から眩しい光が放たれた時、偽オスカーの身体から黒い靄が抜け出して、元の姿のフリードリッヒ3世に戻った。と言う事は、オスカーの身体にも光を当てれば・・・!
「オスカーは・・・助かるかもしれないわっ!!」
早く・・早く急がなくてはっ!
立ち止まると履いていたヒールを床に脱ぎ捨て、裸足になると再び先程のオスカーのいる部屋を目指して私は走り出した—。
そんな馬鹿な。私はここに陛下がいると言われて連れて来られたのに・・何故この部屋に居るのはオスカーなのだろうか?
私は目をゴシゴシと擦りながら、再度見つめたがその姿はやはり何処からどう見てもオスカーである。
「な・・・何故ですか?何故・・オスカー様・・・貴方がここにいるのですか?」
私は声を震わせながら尋ねた。するとオスカーは満足げに言う。
「おお・・・そうか・・。アイリス・・・やはりお前の目に私はオスカーとして映っているのだな・・?」
オスカーは笑みを浮かべ、嬉しそうに一歩私に近付いてきた。
怖い・・・っ!
恐怖の為、私は思わず後ずさった。
「アイリス・・・・私はな・・・・お前の母・・アレクサンドラの事を・・・・本当に愛していたのだ・・。なのに、彼女が選んだのは・・・憎き男、クラウスだった。私は何としても彼女を手に入れたかった。その為には悪魔に魂を渡しても良いと思える程に・・・。」
「あ・・・悪魔・・・・?」
この部屋にいるオスカーは一体何者なのだ?先程私を襲ってきたオスカーなのだろうか?それとも本当にフリードリッヒ3世がオスカーの姿に自身を変えたのだろうか・・?フリードリッヒ3世の話はまだ続く。
「しかし・・・あの2人の絆を・・引き裂く事はついに出来なかった・・。イリヤ家の当主には代々守護精が付いていたのでな・・・。私は・・アレクサンドラを諦めるしか無かった・・。そして望まぬ結婚をし、2人の子供を授かった。その内の1人が・・アイリス、お前の婚約者であるオスカーだ。」
「!」
「私はアレクサンドラが娘を出産したことを知った。そこでイリヤ家に密偵を放ち・・ずっとお前を監視させていたのだよ?」
「・・・。」
い、いや・・怖い・・ここから先は聞きたくない・・・っ!
しかし私の願いは空しく、偽物オスカーの話は続く。
「アイリス・・・お前は時が流れていくにしたがって、ますます美しく成長していった・・・。そう、あの傾国の美女とうたわれたアレクサンドラ以上に・・・。だから私はお前とオスカーの婚姻を無理に進めたのだ・・・この意味が分かるか?」
私は震えが止まらず、その場で立っているのがやっとだった。だけど、おかしい。こんな話・・前世では無かった。だってあの時の彼らは・・・私を排除する事しか考えて居なかったはずなのに・・・?何故こんな事になってしまったの・・?
「本物のオスカーはもう諦めろ・・・。私は18年間もお前を待ち望んできたのだ・・。さあ、アイリス・・・私を正式な婚約者にすると誓え・・・っ!!」
「い・・いやあああっ!」
私は恐怖で耳を塞いでしゃがみ込んだ。するとその刹那、突然私のはめている指輪が眩いばかりに光を放ったのである。
「ギャアアアアッ!!目が・・・目があああっ!!」
眩しい光をまともに目に受けてしまったのか、偽オスカーが床に転がった。そして私はその時、はっきり見た。
偽オスカーの身体から人の形をしたどす黒い靄が抜けだして行く姿を。
「あ・・あれは・・・オスカー様に取りついている靄と同じ・・・?!」
そして、次に偽オスカーに視線を移すとそこに倒れていたのは・・今世で初めて見るフリードリッヒ3世が意識を失って倒れていたのである。
「い・・今の内に・・・。」
恐怖を押さえて、何とか立ち上がった私は逃げるように部屋を飛び出した。
目指すは先程まで私が会っていたオスカー。あの時・・・指輪から眩しい光が放たれた時、偽オスカーの身体から黒い靄が抜け出して、元の姿のフリードリッヒ3世に戻った。と言う事は、オスカーの身体にも光を当てれば・・・!
「オスカーは・・・助かるかもしれないわっ!!」
早く・・早く急がなくてはっ!
立ち止まると履いていたヒールを床に脱ぎ捨て、裸足になると再び先程のオスカーのいる部屋を目指して私は走り出した—。
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