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第9章 11 女神リオスの過去 ①
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恋人オスカーとの短い逢瀬を過ごした私は黄金色に輝く天界へと帰ってきた。人間界と天界を繋ぐ白亜の神殿に戻ると、頭上から声が降って来た。
「リオス、又人間界へ降りていたのか?」
見上げるとそこには黄金色に輝く空を背に、同族の神であるロキが神殿の柱の上に座っている。何て罰当たりな・・!私は我慢が出来ず、強い口調でロキを咎めた。
「ロキ、そんなところに座って何をしているの?そこは大事な神柱なのよ?神王に対する冒涜よ。降りてきなさいっ!」
するとロキは意地悪そうな笑みを浮かべるとヒラリと柱から飛び降り、私の眼前に立ち塞がると言った。
「へぇ・・・自由と平等の象徴である女神が・・そんな事を言うなんてな?」
そして青い髪をかき上げると言った。
「それとこれとは別問題よ。私達は・・神王によって作られた存在なのだから。神王だけは絶対的な存在でしょう?」
言いながら私はロキから距離を取った。私は昔からロキの事が苦手だったのだ。
「まぁ・・・そんなつれない事を言うなよ・・・お前は数少ない女神なんだから。」
言いながらロキは私の髪をすくいあげて、そこに口付けを落とす。
「な、何をするの?!やめてっ!」
背筋に鳥肌が立ち、私はロキを突き飛ばして彼の手から逃れた。
「ハッ・・・!相変わらずだな・・お前は。その美しい外見からは考えられない位、時折残酷な事をする・・。俺がお前を以前からどんな目で見つめてきたか・・分かっているだろう?」
言いながら私の右腕を強くねじ上げてきた。
「や、やめて・・痛いわ・・・放してちょうだい。」
「お前が抵抗を辞めたら・・放してやるさ。」
ロキは耳元でぞっとする声で囁く。
「だ、誰が貴方に・・・!」
するとロキはさらに腕をねじり上げる。
「リオス・・・お前は人間の男には触れさせるのに・・・同じ神である俺の事は拒絶すると言うのか・・?!」
「な、なぜ・・・ロキがその事を知ってるのよ・・・?ま、まさか・・・?」
「ああ。地上を写す水鏡でお前とあの人間の男の様子をずっと見てきたのさ・・・。リオス・・俺の愛しい女が・・・たかがちっぽっけな人間の男に抱かれる姿を・・どれだけ嫉妬に狂いながら俺が見てきたと思うっ?!」
ロキの目には・・狂気が宿っていた。
「あ・・貴方と言う男は・・最低よっ!よ、よくもそんな恥知らずな事を・・!」
思わず羞恥と怒りで身体が震える。
「俺はなぁ・・・これ以上お前があいつにいいように抱かれている姿を見るのはもう限界なんだよっ!」
言いながら、ロキは私を押し倒して来た。いくら暴れようともびくともしないし、こんな時に限って他の神の気配を感じない。
「い、いや・・やめて・・。ア・・アスターッ!!」
私は助けを求めるべく自分の精霊の名を叫んだ。すると途端に右手にはめていた指輪から私の生み出した精霊のアスターが現れ、私がロキに押し倒されている姿を見て叫んだ。
「あ・・!ロキ様っ!リオス様に何をしているのですかっ?!おやめくださいっ!」
そしてロキに掴みかかった。
「ええいっ!離せっ!たかが・・精霊の分際で・・神に逆らうのかっ?!」
「いいえっ!僕の神様は・・・リオスさまだけですっ!」
そしてアスターは自分の持つ光の力を解き放った。
「ギャアアアッ!!」
ロキはアスターの眩しい光で視力を奪われ、絶叫した。
「お・・おのれ・・・何所にこんな力が・・・!」
悶えるロキには目もくれず、アスターは私の手を取ると走り出した。
「リオス様っ!今のうちですっ!」
「ええ!アスターッ!」
私とアスターは手を取り合って、自分の神殿へと向かった。走りながら私とアスターは微笑みあった。
アスター。
貴方は私が作りだした精霊だけど・・私にとって大切な存在よ―。
「リオス、又人間界へ降りていたのか?」
見上げるとそこには黄金色に輝く空を背に、同族の神であるロキが神殿の柱の上に座っている。何て罰当たりな・・!私は我慢が出来ず、強い口調でロキを咎めた。
「ロキ、そんなところに座って何をしているの?そこは大事な神柱なのよ?神王に対する冒涜よ。降りてきなさいっ!」
するとロキは意地悪そうな笑みを浮かべるとヒラリと柱から飛び降り、私の眼前に立ち塞がると言った。
「へぇ・・・自由と平等の象徴である女神が・・そんな事を言うなんてな?」
そして青い髪をかき上げると言った。
「それとこれとは別問題よ。私達は・・神王によって作られた存在なのだから。神王だけは絶対的な存在でしょう?」
言いながら私はロキから距離を取った。私は昔からロキの事が苦手だったのだ。
「まぁ・・・そんなつれない事を言うなよ・・・お前は数少ない女神なんだから。」
言いながらロキは私の髪をすくいあげて、そこに口付けを落とす。
「な、何をするの?!やめてっ!」
背筋に鳥肌が立ち、私はロキを突き飛ばして彼の手から逃れた。
「ハッ・・・!相変わらずだな・・お前は。その美しい外見からは考えられない位、時折残酷な事をする・・。俺がお前を以前からどんな目で見つめてきたか・・分かっているだろう?」
言いながら私の右腕を強くねじ上げてきた。
「や、やめて・・痛いわ・・・放してちょうだい。」
「お前が抵抗を辞めたら・・放してやるさ。」
ロキは耳元でぞっとする声で囁く。
「だ、誰が貴方に・・・!」
するとロキはさらに腕をねじり上げる。
「リオス・・・お前は人間の男には触れさせるのに・・・同じ神である俺の事は拒絶すると言うのか・・?!」
「な、なぜ・・・ロキがその事を知ってるのよ・・・?ま、まさか・・・?」
「ああ。地上を写す水鏡でお前とあの人間の男の様子をずっと見てきたのさ・・・。リオス・・俺の愛しい女が・・・たかがちっぽっけな人間の男に抱かれる姿を・・どれだけ嫉妬に狂いながら俺が見てきたと思うっ?!」
ロキの目には・・狂気が宿っていた。
「あ・・貴方と言う男は・・最低よっ!よ、よくもそんな恥知らずな事を・・!」
思わず羞恥と怒りで身体が震える。
「俺はなぁ・・・これ以上お前があいつにいいように抱かれている姿を見るのはもう限界なんだよっ!」
言いながら、ロキは私を押し倒して来た。いくら暴れようともびくともしないし、こんな時に限って他の神の気配を感じない。
「い、いや・・やめて・・。ア・・アスターッ!!」
私は助けを求めるべく自分の精霊の名を叫んだ。すると途端に右手にはめていた指輪から私の生み出した精霊のアスターが現れ、私がロキに押し倒されている姿を見て叫んだ。
「あ・・!ロキ様っ!リオス様に何をしているのですかっ?!おやめくださいっ!」
そしてロキに掴みかかった。
「ええいっ!離せっ!たかが・・精霊の分際で・・神に逆らうのかっ?!」
「いいえっ!僕の神様は・・・リオスさまだけですっ!」
そしてアスターは自分の持つ光の力を解き放った。
「ギャアアアッ!!」
ロキはアスターの眩しい光で視力を奪われ、絶叫した。
「お・・おのれ・・・何所にこんな力が・・・!」
悶えるロキには目もくれず、アスターは私の手を取ると走り出した。
「リオス様っ!今のうちですっ!」
「ええ!アスターッ!」
私とアスターは手を取り合って、自分の神殿へと向かった。走りながら私とアスターは微笑みあった。
アスター。
貴方は私が作りだした精霊だけど・・私にとって大切な存在よ―。
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