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第10章 1 無限ループの果てに
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< アイリス・・・・。>
誰かが私を呼んでいる・・・。ゆっくり目を開けると光り輝く神殿が目の前にそびえたっていた。
「え・・・?ここは・・・天界・・?」
そこは見覚えのある場所だった。金色に輝く空には虹がかかり、そして足元は白い雲で覆われている。・・そう、この世界は今からずっと昔・・・まだ私が女神リオスと呼ばれていた頃に住んでいた天界だ。
< アイリス・・・ようやく全ての記憶を取り戻したのだな・・? >
その声はまさか・・・?!
「神王様っ?!」
すると、一瞬目の前が眩しく光り輝き・・・そこには私たちの生みの親である金の長い髪の若く美しい・・神王様が立っていた。
「神王様・・・申し訳ございませんでした・・私は大変な罪を犯してしまいました・・・。女神でありながら・・人間の男性と恋に堕ち・・・地上の争いに干渉してしまいました。そしてロキがあのような事になったのも全て私の責任です・・。」
すると神王様が言った。
「ロキの事は自業自得だ・・・。だが、アイリス。お前はもう罪を償った。だからこうして記憶を取り戻し・・今お前の目の前に私が現れたのだ。」
罪を償う・・・?だけど私には何も心当たりが無かった。
「あの・・お言葉ですが、神王様。私は何も罪を償っておりませんが・・?」
「いや・・お前の記憶には残っていないかもしれないが・・魂は覚えているはずだ。アイリス・・今までにお前は何度となく違う姿で生まれ変わっては・・・最終的にお前が愛した男・・オスカーによって殺され続けてきたのだ。時には2人は親子だった時もあれば・・兄妹だった時もあるが・・いずれもお前が前世の記憶を引き継げない限り、永遠に・・・それこそ無限ループのように続くはずだったのだ・・。しかしそこには本来、お前の贖罪に・・・残酷な死は含まれてはいなかった。お前がオスカーによってずっと殺され続けてきたのは『ロキの呪い』のせいだ。」
「え・・?そ、そんな・・・!」
それでは・・オスカーも今まで何度も何度も私と同じ時間を生きていた・・?
「度重なる転生で・・お前の魂は疲弊しきっていた・・・。しかし、前回は奇跡が起こった。お前はオスカーに殺されることなく、罪人として島流しにされた。そこで私は確信した。そろそろお前の罪が許されるときがやってきたのだと・・・それで前の世界で私はお前の精霊アスターと引き合わせてやることにしたのだ。アスターはお前がロキによって殺された時に消滅してしまったから私が復活させ・・あの島でめぐり会わせてやったのだ。」
「そう・・・だったのですね・・・?」」
すると神王は言った。
「アイリス・・今世でようやくお前の罪は浄化された。記憶を取り戻し・・そして再びオスカーと結ばれた。後は・・・もう何をするべきか分かるだろう?」
「はい・・・分かります・・!」
「そうか・・・なら目を覚ますのだ。アイリス・・お前はもうただの人間だ。女神に戻ることは2度とないだろう・・。お前と言葉を交わすのも・・これが最後だ・・。うまくやるのだぞ?アイリス・・・。」
やがて・・徐々に声は遠くなり・・そして・・。
私は目を開けた。
気付くと私の眼前にはドーム型の広々とした天井がうつりこんでいた。ここは何処なのだろうと身をよじり・・自分が赤いカーペットの上に転がっている事に気が付いた。慌てて起き上がると私の衣装は胸元迄覆われた真っ白なシルクのドレスになっており、頭からは長いヴェールがかぶせられている。
「こ・・これは・・ひょっして・・・ウェディングドレス・・・?」
思わず呟くと、大広間に声が響き渡った。
「アイリス・・・ようやく目が覚めたのだな・・・。」
声の方を見つめると、そこには黄金に輝くマントを羽織ったオスカーが目の前の玉座の前に立っていた―。
誰かが私を呼んでいる・・・。ゆっくり目を開けると光り輝く神殿が目の前にそびえたっていた。
「え・・・?ここは・・・天界・・?」
そこは見覚えのある場所だった。金色に輝く空には虹がかかり、そして足元は白い雲で覆われている。・・そう、この世界は今からずっと昔・・・まだ私が女神リオスと呼ばれていた頃に住んでいた天界だ。
< アイリス・・・ようやく全ての記憶を取り戻したのだな・・? >
その声はまさか・・・?!
「神王様っ?!」
すると、一瞬目の前が眩しく光り輝き・・・そこには私たちの生みの親である金の長い髪の若く美しい・・神王様が立っていた。
「神王様・・・申し訳ございませんでした・・私は大変な罪を犯してしまいました・・・。女神でありながら・・人間の男性と恋に堕ち・・・地上の争いに干渉してしまいました。そしてロキがあのような事になったのも全て私の責任です・・。」
すると神王様が言った。
「ロキの事は自業自得だ・・・。だが、アイリス。お前はもう罪を償った。だからこうして記憶を取り戻し・・今お前の目の前に私が現れたのだ。」
罪を償う・・・?だけど私には何も心当たりが無かった。
「あの・・お言葉ですが、神王様。私は何も罪を償っておりませんが・・?」
「いや・・お前の記憶には残っていないかもしれないが・・魂は覚えているはずだ。アイリス・・今までにお前は何度となく違う姿で生まれ変わっては・・・最終的にお前が愛した男・・オスカーによって殺され続けてきたのだ。時には2人は親子だった時もあれば・・兄妹だった時もあるが・・いずれもお前が前世の記憶を引き継げない限り、永遠に・・・それこそ無限ループのように続くはずだったのだ・・。しかしそこには本来、お前の贖罪に・・・残酷な死は含まれてはいなかった。お前がオスカーによってずっと殺され続けてきたのは『ロキの呪い』のせいだ。」
「え・・?そ、そんな・・・!」
それでは・・オスカーも今まで何度も何度も私と同じ時間を生きていた・・?
「度重なる転生で・・お前の魂は疲弊しきっていた・・・。しかし、前回は奇跡が起こった。お前はオスカーに殺されることなく、罪人として島流しにされた。そこで私は確信した。そろそろお前の罪が許されるときがやってきたのだと・・・それで前の世界で私はお前の精霊アスターと引き合わせてやることにしたのだ。アスターはお前がロキによって殺された時に消滅してしまったから私が復活させ・・あの島でめぐり会わせてやったのだ。」
「そう・・・だったのですね・・・?」」
すると神王は言った。
「アイリス・・今世でようやくお前の罪は浄化された。記憶を取り戻し・・そして再びオスカーと結ばれた。後は・・・もう何をするべきか分かるだろう?」
「はい・・・分かります・・!」
「そうか・・・なら目を覚ますのだ。アイリス・・お前はもうただの人間だ。女神に戻ることは2度とないだろう・・。お前と言葉を交わすのも・・これが最後だ・・。うまくやるのだぞ?アイリス・・・。」
やがて・・徐々に声は遠くなり・・そして・・。
私は目を開けた。
気付くと私の眼前にはドーム型の広々とした天井がうつりこんでいた。ここは何処なのだろうと身をよじり・・自分が赤いカーペットの上に転がっている事に気が付いた。慌てて起き上がると私の衣装は胸元迄覆われた真っ白なシルクのドレスになっており、頭からは長いヴェールがかぶせられている。
「こ・・これは・・ひょっして・・・ウェディングドレス・・・?」
思わず呟くと、大広間に声が響き渡った。
「アイリス・・・ようやく目が覚めたのだな・・・。」
声の方を見つめると、そこには黄金に輝くマントを羽織ったオスカーが目の前の玉座の前に立っていた―。
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