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エピソード7 私は庶民
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青い海の見える美しい景色をバスが走ること約20分・・ついに私たちがこれから生活するホテルが見えてきた。海を一望できる崖の上にそびえ建つそのホテルはまるで白亜の宮殿。子息令嬢たちに・・・そして彼らに仕える使用人さん?達を含めてもせいぜい30人ほどしかいないのに、無駄に大きなお城のようなホテルを見て私は開いた口がふさがらなかった。まるで物語に出てくる王子様やお姫様が住んでいるお城だ。
「どうしたんだ?リア。そんな大きな口を開けて。間抜け面だぞ?」
クックッと面白そうにアレクが言う。
「そんなの当り前じゃないっ!だってあんなにすごいホテルなんだよっ?!しかも私たちはこれから1カ月もあそこで暮らすんだよ?!」
「そうかぁ・・・そんなにあのホテルがすごいのか?他の連中を見てみろよ。」
アレクの言葉に私は子息令嬢たちを見渡すと、男性陣はつまらなそうにスマホをいじっているし、女性人たちは王子様とお話するのに夢中になっている。
「リアだけだぜ?あのホテルを見て興奮してるのは。」
「いやいや・・・興奮て言い方は語弊があるでしょう?せめて喜んでると言って欲しいわ~。」
私はバスの窓にへばりついたまま言う。
「おい、リア・・・お前、本当に貴族なのか?」
突然の質問にギクリとする。
「そ、そうよ!落ちぶれてはいるけど・・一応男爵の爵位はあるんだから。それは・・確かにセレブではないけど・・。」
「リア・・・セレブじゃないのか?よくこのサマースクールに参加出来たな?」
アレクは不思議そうな顔で私を見る。
「だ、だって・・それは友達が私の分の旅費を全額負担してくれたから・・。」
「もしかして・・その友達か?リアに悪役令嬢をやれって命じたのは?旅費を面倒見てもらったから命令に逆らえないのか?」
ん・・?何かアレクの声が苛立ってるみたいだけど・・。
「あの・・別にそれだけじゃなくて・・父に命令されて・・。実は父は友達の親戚の家で執事として働いているから・・断れなくて・・。」
ごにょごにょと小声で言うと、アレクは呆れたように言う。
「はあ?何だその話・・・。それじゃまるで脅迫じゃないか・・。俺から言わせるとリアの友達の方が立派な悪役令嬢に見えるぞ?でも・・・。」
「でも・・?何?」
首を傾げるとアレクがニヤリと笑った。
「そのおかげでお前と会えたからよしとするか?」
「え?」
何故か意味深な言い方をするアレクに思わずドキリとする。が・・次の瞬間。
「何せ、リアみたいな庶民的な奴にお目にかかるのは久しぶりだからな~何か新鮮な反応を見れて色々楽しめそうだ。」
そしてニコニコと笑みを浮かべると私に言う。
「まあ、これから1ヶ月間・・仲良くしようぜ?どうせリアは王子には興味が無いんだろう?」
「ええ、これっぽっちも興味無いわ。」
「ふ~ん・・・。」
するとここで何故か微妙な顔つきになるアレク。
そうこうしている内にやがてバスはホテルの正面玄関の前で停車した。
「どれ、着いたようだな。」
アレクがバスの椅子から立ち上ったので、私も立ち上がった。するとアレクが突然耳元でささやいてきた。
「リア・・お前をナンパしていたあの3人には注意しておけよ。」
「え?」
「あいつら・・全員伯爵家の人間で親戚同士なんだ。女癖が悪いことで有名なんだよ。ああいう奴らは全員リストから排除したはずなのに・・ここへやって来たと言う事は・・おそらく偽名を使ってここへ来たのかもしれないな。」
アレクの言葉に私は尋ねた。
「へえ~・・。アレクさん。随分あの人たちの事について詳しいんですねぇ・・・。」
「あ、ああ・・まあな。っていうわけで・・あいつらには気をつけろ。困ったことがあれば相談しろよな?」
「うん。ありがとう。」
そして・・私はすぐにアレクを頼ることになるのだった―。
「どうしたんだ?リア。そんな大きな口を開けて。間抜け面だぞ?」
クックッと面白そうにアレクが言う。
「そんなの当り前じゃないっ!だってあんなにすごいホテルなんだよっ?!しかも私たちはこれから1カ月もあそこで暮らすんだよ?!」
「そうかぁ・・・そんなにあのホテルがすごいのか?他の連中を見てみろよ。」
アレクの言葉に私は子息令嬢たちを見渡すと、男性陣はつまらなそうにスマホをいじっているし、女性人たちは王子様とお話するのに夢中になっている。
「リアだけだぜ?あのホテルを見て興奮してるのは。」
「いやいや・・・興奮て言い方は語弊があるでしょう?せめて喜んでると言って欲しいわ~。」
私はバスの窓にへばりついたまま言う。
「おい、リア・・・お前、本当に貴族なのか?」
突然の質問にギクリとする。
「そ、そうよ!落ちぶれてはいるけど・・一応男爵の爵位はあるんだから。それは・・確かにセレブではないけど・・。」
「リア・・・セレブじゃないのか?よくこのサマースクールに参加出来たな?」
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「だ、だって・・それは友達が私の分の旅費を全額負担してくれたから・・。」
「もしかして・・その友達か?リアに悪役令嬢をやれって命じたのは?旅費を面倒見てもらったから命令に逆らえないのか?」
ん・・?何かアレクの声が苛立ってるみたいだけど・・。
「あの・・別にそれだけじゃなくて・・父に命令されて・・。実は父は友達の親戚の家で執事として働いているから・・断れなくて・・。」
ごにょごにょと小声で言うと、アレクは呆れたように言う。
「はあ?何だその話・・・。それじゃまるで脅迫じゃないか・・。俺から言わせるとリアの友達の方が立派な悪役令嬢に見えるぞ?でも・・・。」
「でも・・?何?」
首を傾げるとアレクがニヤリと笑った。
「そのおかげでお前と会えたからよしとするか?」
「え?」
何故か意味深な言い方をするアレクに思わずドキリとする。が・・次の瞬間。
「何せ、リアみたいな庶民的な奴にお目にかかるのは久しぶりだからな~何か新鮮な反応を見れて色々楽しめそうだ。」
そしてニコニコと笑みを浮かべると私に言う。
「まあ、これから1ヶ月間・・仲良くしようぜ?どうせリアは王子には興味が無いんだろう?」
「ええ、これっぽっちも興味無いわ。」
「ふ~ん・・・。」
するとここで何故か微妙な顔つきになるアレク。
そうこうしている内にやがてバスはホテルの正面玄関の前で停車した。
「どれ、着いたようだな。」
アレクがバスの椅子から立ち上ったので、私も立ち上がった。するとアレクが突然耳元でささやいてきた。
「リア・・お前をナンパしていたあの3人には注意しておけよ。」
「え?」
「あいつら・・全員伯爵家の人間で親戚同士なんだ。女癖が悪いことで有名なんだよ。ああいう奴らは全員リストから排除したはずなのに・・ここへやって来たと言う事は・・おそらく偽名を使ってここへ来たのかもしれないな。」
アレクの言葉に私は尋ねた。
「へえ~・・。アレクさん。随分あの人たちの事について詳しいんですねぇ・・・。」
「あ、ああ・・まあな。っていうわけで・・あいつらには気をつけろ。困ったことがあれば相談しろよな?」
「うん。ありがとう。」
そして・・私はすぐにアレクを頼ることになるのだった―。
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