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エピソード8 受難は続く、どこまでも
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バスを降りた私たちはホテルの前に集まった。
「うわあ・・・何て立派なホテルなんだろう・・・。」
改めてホテル見た私は感嘆のため息をついた。まるで白亜の宮殿のような作りのホテルの正面には大きな噴水が左右に並んで水を勢いよく噴き上げている。
するとガラス張りの大きな正面玄関からホテルマンたちが次々に現れると、私たちの前に勢ぞろいし、口ひげを蓄えた年配のロマンスグレーの男性が進み出て来ると言った。
「皆様、始めまして。私が当ホテルの支配人を務めさせていただいております。名家の子息御令嬢様方。ようこそ、おいで下さいました。皆様は今日から1週間こちらのホテルに滞在して頂きます。最高のサービスをご提供させて頂きますので、どうぞごゆっくりお寛ぎ下さいませ。もし当ホテルを気に入られた場合は是非今後とも御ひいきにお願い申し上げます。」
そしてホテルマンたちと一緒に頭を下げた。
え・・?1カ月このホテルに滞在するんじゃないの?私は隣に立つフォスティーヌに小声でさりげなく尋ねてみた。
「ねえ、フォスティーヌ。私たちは1カ月間このホテルを利用しないの?」
「ええ、そうよ。だっていくら素敵なホテルでも1カ月も同じ場所にいたらつまらないでしょう?料理に変化も見られないし。このホテルの次はコテージに移動するのよ?そこは世界中のセレブが利用するコテージなんだから。」
フォスティーヌは流石セレブらしい台詞を言う。
「あ・・・そ、そう。そう言うものなんだ・・。」
あまりのスケールの違いに私は眩暈すら感じていた。
「さあ、皆さまどうぞお入りください。全ての部屋がスイートルーム扱いになっております。どうぞお好きなお部屋をお使いください。」
おおっ!どの部屋を選ぶかも自由なんて・・・とてもではないがあり得ない話だ。
そしてこの話を聞いた貴族令嬢たちはきゃあきゃあ言いながら自分たちの荷物を放り出して王子様を囲んで、さっさとホテルの中へと入って行く。
「大変!遅れを取っちゃうわっ!なるべく王子様からのお部屋から近い部屋を確保しなくちゃ!それじゃ後はよろしくね!リアンナッ!」
そしてフォスティーヌは荷物をホテルのフロントに放置したまま王子様と女性集団の後を追う。
「やれやれ・・フォスティーヌったら・・荷物を私に運べって言うのね・・・。」
私は大きなキャリーケースを3つも置き去りにしたフォスティーヌを少しだけ恨むと、まずは自分の分のキャリーケースに手を掛けた時・・・。
「俺達が持ってやるよ。」
「え?」
背後から突然声を掛けられて振り向くと、そこにはやはり例の3人の男性達が立っていた。声を掛けたのはサングラスの男だった。そして強引に私の荷物に手を掛けたのは巻き毛の男。さらに黒髪男はスルリと肩に手を回して来た。ひいぃっ!
「ねえ・・君の名前教えてくれよ。もう他の女の子達は王子様にすっかり夢中になって俺達に見向きもしてくれないんだよね?」
黒髪男は熱い息を私の首に吹きかけて来る。
「あ、あのっ!ちょっと!」
怖くて身をよじるも、他の参加者の男性達は皆見て見ぬふりをしている。・・・と言うか、彼らが怖くて口を挟めない・・そんな感じだ。
「あ・・あううう・・。」
どうしよう・・怖いよ・・・何故着いたそうそうこんな目に・・。肝心のアレクは姿が見えないし・・。
「アレ?どうしたの?もしかして震えてる?かわいいねえ~?色っぽい服を着ているくせにビクビクしている姿がたまらないねえ?」
巻き毛男は嬉しそうに話している。その時・・・。
「お、おい!またお前らか?」
ひときわ背の高い男性がそこへ現れた。勿論その男性は・・
「アレクッ!」
私は安堵の声をあげた―。
「うわあ・・・何て立派なホテルなんだろう・・・。」
改めてホテル見た私は感嘆のため息をついた。まるで白亜の宮殿のような作りのホテルの正面には大きな噴水が左右に並んで水を勢いよく噴き上げている。
するとガラス張りの大きな正面玄関からホテルマンたちが次々に現れると、私たちの前に勢ぞろいし、口ひげを蓄えた年配のロマンスグレーの男性が進み出て来ると言った。
「皆様、始めまして。私が当ホテルの支配人を務めさせていただいております。名家の子息御令嬢様方。ようこそ、おいで下さいました。皆様は今日から1週間こちらのホテルに滞在して頂きます。最高のサービスをご提供させて頂きますので、どうぞごゆっくりお寛ぎ下さいませ。もし当ホテルを気に入られた場合は是非今後とも御ひいきにお願い申し上げます。」
そしてホテルマンたちと一緒に頭を下げた。
え・・?1カ月このホテルに滞在するんじゃないの?私は隣に立つフォスティーヌに小声でさりげなく尋ねてみた。
「ねえ、フォスティーヌ。私たちは1カ月間このホテルを利用しないの?」
「ええ、そうよ。だっていくら素敵なホテルでも1カ月も同じ場所にいたらつまらないでしょう?料理に変化も見られないし。このホテルの次はコテージに移動するのよ?そこは世界中のセレブが利用するコテージなんだから。」
フォスティーヌは流石セレブらしい台詞を言う。
「あ・・・そ、そう。そう言うものなんだ・・。」
あまりのスケールの違いに私は眩暈すら感じていた。
「さあ、皆さまどうぞお入りください。全ての部屋がスイートルーム扱いになっております。どうぞお好きなお部屋をお使いください。」
おおっ!どの部屋を選ぶかも自由なんて・・・とてもではないがあり得ない話だ。
そしてこの話を聞いた貴族令嬢たちはきゃあきゃあ言いながら自分たちの荷物を放り出して王子様を囲んで、さっさとホテルの中へと入って行く。
「大変!遅れを取っちゃうわっ!なるべく王子様からのお部屋から近い部屋を確保しなくちゃ!それじゃ後はよろしくね!リアンナッ!」
そしてフォスティーヌは荷物をホテルのフロントに放置したまま王子様と女性集団の後を追う。
「やれやれ・・フォスティーヌったら・・荷物を私に運べって言うのね・・・。」
私は大きなキャリーケースを3つも置き去りにしたフォスティーヌを少しだけ恨むと、まずは自分の分のキャリーケースに手を掛けた時・・・。
「俺達が持ってやるよ。」
「え?」
背後から突然声を掛けられて振り向くと、そこにはやはり例の3人の男性達が立っていた。声を掛けたのはサングラスの男だった。そして強引に私の荷物に手を掛けたのは巻き毛の男。さらに黒髪男はスルリと肩に手を回して来た。ひいぃっ!
「ねえ・・君の名前教えてくれよ。もう他の女の子達は王子様にすっかり夢中になって俺達に見向きもしてくれないんだよね?」
黒髪男は熱い息を私の首に吹きかけて来る。
「あ、あのっ!ちょっと!」
怖くて身をよじるも、他の参加者の男性達は皆見て見ぬふりをしている。・・・と言うか、彼らが怖くて口を挟めない・・そんな感じだ。
「あ・・あううう・・。」
どうしよう・・怖いよ・・・何故着いたそうそうこんな目に・・。肝心のアレクは姿が見えないし・・。
「アレ?どうしたの?もしかして震えてる?かわいいねえ~?色っぽい服を着ているくせにビクビクしている姿がたまらないねえ?」
巻き毛男は嬉しそうに話している。その時・・・。
「お、おい!またお前らか?」
ひときわ背の高い男性がそこへ現れた。勿論その男性は・・
「アレクッ!」
私は安堵の声をあげた―。
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