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マルセルの章 ㊴ 君に伝えたかった言葉
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『キーナ』のホテルに滞在中、大学合格の知らせを受けた俺は既に学生寮に入寮していたカイの元を訪れた―。
「おめでとう、マルセル。君ならきっと合格できると思ったよ」
大学構内にあるカフェで向かい側に座るカイがコーヒーを飲みながら言った。
「ありがとうございます。これも全てカイのお陰です」
「それで?いつ『リンデン』に戻るんだい?」
「16時の列車で帰るつもりです。到着は明日の17時頃になると思います」
コーヒーを飲みながら俺は答えた。
「そうなのか?それでこっちにいつ頃から来れそうなんだい?確か5月からは授業が始まるだろう?」
「会社で引き継ぎ業務が色々あるので最低でも1週間はかかるかもしれません。恐らく4月の下旬には戻って来れると思います」
するとカイが言った。
「そうなのか…。実は明日から5月一杯、僕は別の分校で泊まり込みで合宿教育を受ける事になっているんだ。それが終わるまではマルセルと顔を合わせる機会は無い事になるな…」
「え?そんなものがあるのですか?」
「うん、多分マルセルも入学すれば同じ教育を受ける事になると思うけど…。だから今の内に伝えておくよ。アゼリアが最後に息を引き取ったあの丘を覚えているだろう?」
「ええ、勿論です」
あの時は本当にショックだった。木の下で眠るアゼリアがなかなか目を覚まさないと言ってヤンが俺達の所へ走って来た。そこで全員でアゼリアの元へ向かった時、既にアゼリアは息を引き取っていた。まるで眠る様に安らかな笑みを浮かべながら…。
たった1人きりで息を引き取らせてしまった。その事を思うと今でも胸が痛む。
「実はあの丘を買い取ったんだよ。そこにアゼリアとアゼリアのお母さんの墓を建てようと思ってね。もうすぐ完成する予定なんだ」
「え?!そうだったのですか?てっきり…王家の墓に入れておくものだとばかり思っていましたが…」
「アゼリアはあの丘から見える『リンデン』の町並みが大好きだったからね。あの丘にお墓が立っていれば…天国にいるアゼリアがいつでもあの景色を眺められるだろうと思ってね。それにエテルノ夫人も遺言で言っていたんだ。『お墓はアゼリアの隣にして欲しい』ってね」
「そう…だったんですか…」
「そこで提案なんだけど…5月の連休を利用してヨハン先生やオリバーさん達を呼んで皆でアゼリアのお墓参りに行かないかい?」
アゼリアのお墓参り…。あの美しい丘で…。
「行きます…勿論、行くに決まっています」
当然俺の返事は決まっていた。
そしてその日の夜、俺は夜行列車で『リンデン』へ帰った―。
****
屋敷に帰ってこれたのは翌日の18時を過ぎていた。
「お帰りなさいませ、マルセル様」
ドアマンが迎えに出てくれた。
「ああ、ただいま。ところで母さんはどうしている?」
「恐らくお部屋にいらっしゃると思います」
「ありがとう。では早速行ってみるとしよう」
ドアマンに荷物を預けると、大股で母の自室へと向かった。
母の部屋の前に立つと、深呼吸して心を落ち着かせるとノックした
コンコン
「誰?」
すぐに部屋の中から母の声がする。
「マルセルです。『キーナ』からただいま戻って参りました。
「ああ、お帰りマルセル。中へお入りなさい」
「はい。失礼致します」
扉を開けて部屋の中へ入ると、ちょうど母は書き物をしていた。そして顔を上げると言った。
「マルセル、丁度良い所へ来たわね。今日オルグレイン家のメッセンジャーがイングリットさんからの手紙を届けに来たのよ」
「えっ?!」
イングリット嬢からの手紙…?!
そして母は机の上に白い封筒を置いた―。
「おめでとう、マルセル。君ならきっと合格できると思ったよ」
大学構内にあるカフェで向かい側に座るカイがコーヒーを飲みながら言った。
「ありがとうございます。これも全てカイのお陰です」
「それで?いつ『リンデン』に戻るんだい?」
「16時の列車で帰るつもりです。到着は明日の17時頃になると思います」
コーヒーを飲みながら俺は答えた。
「そうなのか?それでこっちにいつ頃から来れそうなんだい?確か5月からは授業が始まるだろう?」
「会社で引き継ぎ業務が色々あるので最低でも1週間はかかるかもしれません。恐らく4月の下旬には戻って来れると思います」
するとカイが言った。
「そうなのか…。実は明日から5月一杯、僕は別の分校で泊まり込みで合宿教育を受ける事になっているんだ。それが終わるまではマルセルと顔を合わせる機会は無い事になるな…」
「え?そんなものがあるのですか?」
「うん、多分マルセルも入学すれば同じ教育を受ける事になると思うけど…。だから今の内に伝えておくよ。アゼリアが最後に息を引き取ったあの丘を覚えているだろう?」
「ええ、勿論です」
あの時は本当にショックだった。木の下で眠るアゼリアがなかなか目を覚まさないと言ってヤンが俺達の所へ走って来た。そこで全員でアゼリアの元へ向かった時、既にアゼリアは息を引き取っていた。まるで眠る様に安らかな笑みを浮かべながら…。
たった1人きりで息を引き取らせてしまった。その事を思うと今でも胸が痛む。
「実はあの丘を買い取ったんだよ。そこにアゼリアとアゼリアのお母さんの墓を建てようと思ってね。もうすぐ完成する予定なんだ」
「え?!そうだったのですか?てっきり…王家の墓に入れておくものだとばかり思っていましたが…」
「アゼリアはあの丘から見える『リンデン』の町並みが大好きだったからね。あの丘にお墓が立っていれば…天国にいるアゼリアがいつでもあの景色を眺められるだろうと思ってね。それにエテルノ夫人も遺言で言っていたんだ。『お墓はアゼリアの隣にして欲しい』ってね」
「そう…だったんですか…」
「そこで提案なんだけど…5月の連休を利用してヨハン先生やオリバーさん達を呼んで皆でアゼリアのお墓参りに行かないかい?」
アゼリアのお墓参り…。あの美しい丘で…。
「行きます…勿論、行くに決まっています」
当然俺の返事は決まっていた。
そしてその日の夜、俺は夜行列車で『リンデン』へ帰った―。
****
屋敷に帰ってこれたのは翌日の18時を過ぎていた。
「お帰りなさいませ、マルセル様」
ドアマンが迎えに出てくれた。
「ああ、ただいま。ところで母さんはどうしている?」
「恐らくお部屋にいらっしゃると思います」
「ありがとう。では早速行ってみるとしよう」
ドアマンに荷物を預けると、大股で母の自室へと向かった。
母の部屋の前に立つと、深呼吸して心を落ち着かせるとノックした
コンコン
「誰?」
すぐに部屋の中から母の声がする。
「マルセルです。『キーナ』からただいま戻って参りました。
「ああ、お帰りマルセル。中へお入りなさい」
「はい。失礼致します」
扉を開けて部屋の中へ入ると、ちょうど母は書き物をしていた。そして顔を上げると言った。
「マルセル、丁度良い所へ来たわね。今日オルグレイン家のメッセンジャーがイングリットさんからの手紙を届けに来たのよ」
「えっ?!」
イングリット嬢からの手紙…?!
そして母は机の上に白い封筒を置いた―。
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