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ヤンの章 ㉑ アゼリアの花に想いを寄せて
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「ちょっと待って、メロディ!何所へ行くの?」
「2人だけでお昼を食べながら話が出来る場所よ!」
メロディは僕の左手を握りしめたまま、どんどん渡り廊下を歩いていく。メロディも僕もお弁当を持参して学校へ来ているので、2人共お弁当を手に歩いていた―。
****
あの後、食堂でばったり会ったメロディは何故か僕を睨み付けた後、こう言った。
「ヤンッ!2人だけで大事な話があるの。行くわよ!」
「え?だって今ここでお弁当を…」
「そうよ、ヤンは私達と一緒にお昼を食べるのよ」
「メロディは今日はオルガ達と一緒にお昼を食べるんでしょう?」
サビナとノエミが交互に訴える。するとメロディが言った。
「委員会の大事な用が出来たのよ。ほら、もうすぐ卒業式じゃない?それに向けての話があるのよ。だから悪いけどヤンを借りていくわよ。ほら、早くして」
「う、うん…」
僕とメロディは文化委員会に所属している。確かに卒業式は文化委員会の役割だけど…。
「な、何よっ!私たちは3年生だから委員会は引退した筈でしょう?!」
「そうよっ!大体私達の卒業式を企画するのは在校生達じゃない!」
ノエミとサビナが反論する。
「後輩たちからアドバイスが欲しいと頼まれたのよ。私達の卒業式の為に新しい事を考えたいからって」
「あ…そうだったの?」
「なら…仕方ないわね」
2人が残念そうに言う。
「ごめんね。数学の勉強を見てあげる事になっていたのに…」
僕は謝った。
「え?何ですって?数学?」
メロディが2人に問いかけてきた。
「あなた達、数学で分からないところをヤンに教えて貰いたかったの?だったら私が教えてあげるわよ。やっぱり勉強するなら女子同士の方がいいんじゃないかしら?」
「え?!」
「メロディが?!」
「そう言えばメロディは数学が得意だったよね。この間も模試で満点取ったし」
メロディはピアノだけじゃなく勉強も得意だ。そんな彼女を僕は密かに尊敬していた。
「あ…え~と、そ、そのうちにね」
「ええ。急ぎじゃないから…」
ノエミとサビナの言葉にメロディは頷く。
「そういうわけだから…ヤンを借りていくわよ。ほら、来てちょうだい」
メロディは僕の腕を掴むと言った。
「う、うん…ごめんね。2人とも」
僕は立ち上がるとノエミとサビナに謝った。
「い、いいのよ」
「そうそう、委員会は大事だものね」
そして僕は2人に手を振るとメロディに手を引かれて食堂を後にしたわけだけど…。
「ねぇ、メロディ。委員会の教室はこっち側じゃないよ?」
何故かメロディは校舎の裏庭へ続く渡り廊下を進んでいく。
「当たり前じゃないの。委員会の話なんて嘘だもの」
メロディは前を向いて歩きながら返事をした。
「え?そうなの?だったら何で…」
するとメロディはピタリと足を止めた。そこは丁度裏庭に出る入り口だった。
「何でですって…?」
メロディが肩を震わせている。
「メロディ…?」
するとメロディは振り向いた。
「それはこっちの台詞よ!どういう事よ!ノエミとサビナと一緒に食堂にいるなんて!あの2人がヤンの事狙ってるの知らなかったの?!」
「え…?ええっ?!」
僕はその言葉に驚いた―。
「2人だけでお昼を食べながら話が出来る場所よ!」
メロディは僕の左手を握りしめたまま、どんどん渡り廊下を歩いていく。メロディも僕もお弁当を持参して学校へ来ているので、2人共お弁当を手に歩いていた―。
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あの後、食堂でばったり会ったメロディは何故か僕を睨み付けた後、こう言った。
「ヤンッ!2人だけで大事な話があるの。行くわよ!」
「え?だって今ここでお弁当を…」
「そうよ、ヤンは私達と一緒にお昼を食べるのよ」
「メロディは今日はオルガ達と一緒にお昼を食べるんでしょう?」
サビナとノエミが交互に訴える。するとメロディが言った。
「委員会の大事な用が出来たのよ。ほら、もうすぐ卒業式じゃない?それに向けての話があるのよ。だから悪いけどヤンを借りていくわよ。ほら、早くして」
「う、うん…」
僕とメロディは文化委員会に所属している。確かに卒業式は文化委員会の役割だけど…。
「な、何よっ!私たちは3年生だから委員会は引退した筈でしょう?!」
「そうよっ!大体私達の卒業式を企画するのは在校生達じゃない!」
ノエミとサビナが反論する。
「後輩たちからアドバイスが欲しいと頼まれたのよ。私達の卒業式の為に新しい事を考えたいからって」
「あ…そうだったの?」
「なら…仕方ないわね」
2人が残念そうに言う。
「ごめんね。数学の勉強を見てあげる事になっていたのに…」
僕は謝った。
「え?何ですって?数学?」
メロディが2人に問いかけてきた。
「あなた達、数学で分からないところをヤンに教えて貰いたかったの?だったら私が教えてあげるわよ。やっぱり勉強するなら女子同士の方がいいんじゃないかしら?」
「え?!」
「メロディが?!」
「そう言えばメロディは数学が得意だったよね。この間も模試で満点取ったし」
メロディはピアノだけじゃなく勉強も得意だ。そんな彼女を僕は密かに尊敬していた。
「あ…え~と、そ、そのうちにね」
「ええ。急ぎじゃないから…」
ノエミとサビナの言葉にメロディは頷く。
「そういうわけだから…ヤンを借りていくわよ。ほら、来てちょうだい」
メロディは僕の腕を掴むと言った。
「う、うん…ごめんね。2人とも」
僕は立ち上がるとノエミとサビナに謝った。
「い、いいのよ」
「そうそう、委員会は大事だものね」
そして僕は2人に手を振るとメロディに手を引かれて食堂を後にしたわけだけど…。
「ねぇ、メロディ。委員会の教室はこっち側じゃないよ?」
何故かメロディは校舎の裏庭へ続く渡り廊下を進んでいく。
「当たり前じゃないの。委員会の話なんて嘘だもの」
メロディは前を向いて歩きながら返事をした。
「え?そうなの?だったら何で…」
するとメロディはピタリと足を止めた。そこは丁度裏庭に出る入り口だった。
「何でですって…?」
メロディが肩を震わせている。
「メロディ…?」
するとメロディは振り向いた。
「それはこっちの台詞よ!どういう事よ!ノエミとサビナと一緒に食堂にいるなんて!あの2人がヤンの事狙ってるの知らなかったの?!」
「え…?ええっ?!」
僕はその言葉に驚いた―。
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