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ガラガラガラガラ・・・・
揺れる馬車の中、ヘンリーとキャロルが向かい合わせに座っている。
「ほら、キャロル。あれがこの街のシンボルでもある凱旋門だよ。」
「まあ・・あれがそうなのね?とても大きくて綺麗ね~。」
2人は仲睦まじげに窓の外を眺めながら楽しそうに話をしている。一方の私はキャロルの隣に座り、1人蚊帳の外状態だった。キャロルとヘンリーは完全に2人だけの世界にはまり、私は存在を忘れられているようだった。
それでも大事な親友と大好きな許嫁が仲良くしているのだから・・良いことだと思わなければと自分自身に言い聞かせた。
心の中で小さくため息をついて窓の外をぼんやり眺めていると、不意にヘンリーに大きな声で呼ばれた。
「おい!テアッ!」
「え?な、何?」
慌ててヘンリーの方を向くと、何故か怒った顔で私を見ている。え・・?私何か怒らせるようなことをしてしまったのだろうか?
「何じゃないだろう?さっきからキャロルがお前を呼んでいるのに、なんで無視しているんだ?」
「え?よ、呼んでいたの?ごめんね。ちょっとぼんやりしちゃっていたから。」
慌ててキャロルに謝罪すると、彼女は心配そうな顔で私に言った。
「大丈夫・・・?テア。もしかして私のせいかしら?暑い中で私を待っていてくれたし・・それに荷物も運んでくれたりしたから疲れちゃったんじゃないの?」
「キャロル・・・。」
やっぱりキャロルは優しい。だから私は彼女が好きなんだ。するとヘンリーが言った。
「大丈夫だよ、キャロル。テアは頑丈にできているんだ。それくらいで疲れるような人間じゃないさ。そうだろう?テア。」
同意を求めてくるヘンリー。
本当は・・キャロルの言う通り、暑さでばてているのは分かっていたけれども、ここヘンリーの言葉を否定するわけにはいかない。
「うん。私なら大丈夫だから気にしないで。」
本当はさっきから頭がズキズキ痛むけど、無理にこらえて笑顔を向ける。
「そう・・?ならいいけど・・。それで、テア。私たち、どこかでお昼を食べようって話をしていたの。ヘンリーの話だと、おいしいパスタ屋さんがあるらしいんだけど・・・そこに行ってもいいかしら?」
「ええ。私は何処でも構わないわ。」
2人で話を進めている・・・その事実が少しだけ私の胸をチクリと傷つける。だけど、この街の事に詳しいのはヘンリー。そしてゲストはキャロルなのだから2人の意見が優先されて当然と自分の胸に言い聞かせた。
それに・・私は今までヘンリーが見つけてくれたお店で食事をしたことがない。いつも私が自分でガイドブックや人づてに聞いた話をもとに、ヘンリーを誘って食事に連れて行っていた。だから彼の選んだお店に興味があったのも事実だ。
「フフ・・・パスタ料理・・・どんなお店か楽しみだわ。」
「味なら保証するよ。任せて?もう何度も足を運んでいる店だけど。本当においしいから。」
嬉しそうに言うキャロルに対し、ヘンリーは優しい笑顔とまなざしを向けて語り掛けている。え・・?何度も行ってるの?私は一度も連れて行って貰ったことがないのに?
その話を聞いたキャロルが私に話しかけてきた。
「まあ、それじゃテアも行ったことがあるのね?」
「え?え~と・・私は・・。」
するとヘンリーが口を挟んできた。
「当然何度も行ったことがあるよな?」
言いながら私の事を物凄い目でじろりと睨みつけてきた。その迫力は凄いものだった。まるで余計なことは一切話すなと警告されているような錯覚に陥るほどに。
「え、ええ。勿論何度も行ってるわ。」
・・私はとっさにキャロルに嘘をついてしまった。そしてヘンリーをチラリと見るも、彼の視線はもう私の方を向いてもいない。
この時になって、私は初めて気が付いた。
ひょっとして・・私はヘンリーに嫌われていたのだろうか・・?と―。
揺れる馬車の中、ヘンリーとキャロルが向かい合わせに座っている。
「ほら、キャロル。あれがこの街のシンボルでもある凱旋門だよ。」
「まあ・・あれがそうなのね?とても大きくて綺麗ね~。」
2人は仲睦まじげに窓の外を眺めながら楽しそうに話をしている。一方の私はキャロルの隣に座り、1人蚊帳の外状態だった。キャロルとヘンリーは完全に2人だけの世界にはまり、私は存在を忘れられているようだった。
それでも大事な親友と大好きな許嫁が仲良くしているのだから・・良いことだと思わなければと自分自身に言い聞かせた。
心の中で小さくため息をついて窓の外をぼんやり眺めていると、不意にヘンリーに大きな声で呼ばれた。
「おい!テアッ!」
「え?な、何?」
慌ててヘンリーの方を向くと、何故か怒った顔で私を見ている。え・・?私何か怒らせるようなことをしてしまったのだろうか?
「何じゃないだろう?さっきからキャロルがお前を呼んでいるのに、なんで無視しているんだ?」
「え?よ、呼んでいたの?ごめんね。ちょっとぼんやりしちゃっていたから。」
慌ててキャロルに謝罪すると、彼女は心配そうな顔で私に言った。
「大丈夫・・・?テア。もしかして私のせいかしら?暑い中で私を待っていてくれたし・・それに荷物も運んでくれたりしたから疲れちゃったんじゃないの?」
「キャロル・・・。」
やっぱりキャロルは優しい。だから私は彼女が好きなんだ。するとヘンリーが言った。
「大丈夫だよ、キャロル。テアは頑丈にできているんだ。それくらいで疲れるような人間じゃないさ。そうだろう?テア。」
同意を求めてくるヘンリー。
本当は・・キャロルの言う通り、暑さでばてているのは分かっていたけれども、ここヘンリーの言葉を否定するわけにはいかない。
「うん。私なら大丈夫だから気にしないで。」
本当はさっきから頭がズキズキ痛むけど、無理にこらえて笑顔を向ける。
「そう・・?ならいいけど・・。それで、テア。私たち、どこかでお昼を食べようって話をしていたの。ヘンリーの話だと、おいしいパスタ屋さんがあるらしいんだけど・・・そこに行ってもいいかしら?」
「ええ。私は何処でも構わないわ。」
2人で話を進めている・・・その事実が少しだけ私の胸をチクリと傷つける。だけど、この街の事に詳しいのはヘンリー。そしてゲストはキャロルなのだから2人の意見が優先されて当然と自分の胸に言い聞かせた。
それに・・私は今までヘンリーが見つけてくれたお店で食事をしたことがない。いつも私が自分でガイドブックや人づてに聞いた話をもとに、ヘンリーを誘って食事に連れて行っていた。だから彼の選んだお店に興味があったのも事実だ。
「フフ・・・パスタ料理・・・どんなお店か楽しみだわ。」
「味なら保証するよ。任せて?もう何度も足を運んでいる店だけど。本当においしいから。」
嬉しそうに言うキャロルに対し、ヘンリーは優しい笑顔とまなざしを向けて語り掛けている。え・・?何度も行ってるの?私は一度も連れて行って貰ったことがないのに?
その話を聞いたキャロルが私に話しかけてきた。
「まあ、それじゃテアも行ったことがあるのね?」
「え?え~と・・私は・・。」
するとヘンリーが口を挟んできた。
「当然何度も行ったことがあるよな?」
言いながら私の事を物凄い目でじろりと睨みつけてきた。その迫力は凄いものだった。まるで余計なことは一切話すなと警告されているような錯覚に陥るほどに。
「え、ええ。勿論何度も行ってるわ。」
・・私はとっさにキャロルに嘘をついてしまった。そしてヘンリーをチラリと見るも、彼の視線はもう私の方を向いてもいない。
この時になって、私は初めて気が付いた。
ひょっとして・・私はヘンリーに嫌われていたのだろうか・・?と―。
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