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5 気付かされたこと
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カランカラン
ドアに取り付けられたベルを鳴らしながら、ヘンリーとキャロルを先頭に私たちはパスタ料理の店を出た。
「ああ、本当においしかったわ。ヘンリーの言うとおりね?」
キャロルはすっかり打ち解けた様子でヘンリーに話しかけた。
「気にいってもらえて良かったよ。」
ヘンリーはニコニコしながらキャロルに言う。・・確かにとてもおいしいパスタ屋さんで、私にとっては初めての店だった。・・どうしてこんなに素敵な店を知っているのに彼は私を連れてきてくれるどころか・・教えてもくれなかったのだろう?でも・・今となってはそんな事は些細な問題ではなかった。
断続的に締め付けるような頭痛で私は歩くのもやっとだった。馬車を待たせてある場所はレストランから5分程歩いた場所にある。痛みを耐えながら歩いていると、2人から距離が開いてしまった。
そんな様子の私に気づいたのか、ヘンリーは立ち止まって、一言二言何かキャロルに話しかけ・・・1人で私の方へ向かって駆け寄ってきた。
え?もしかして・。私の事が心配できてくれたのだろうか?ところが私の元へやってきた彼は言った。
「おい、何故そんなに離れて歩く?もたもたするなよ。キャロルがお前を心配しているじゃないか。・・ん?お前・・顔色何だか悪くないか?」
その時、ようやくヘンリーは私の体調が悪いことに気づいたようだった。
「う、うん・・実は頭がすごく痛くて・・・。この後も・・確かキャロルを連れてどこか行く予定だったんだよね・・?」
「ああ、そうだ。」
「それじゃ・・悪いけど・・2人だけで行ってくれる?私は・・・辻馬車を拾って先に屋敷に帰っているから。」
「ああ、そうだな。その方がいいだろう。キャロルには俺から伝えておくから。それじゃな。あ、そうだ。お前の屋敷に最後連れて行ってあげればいいんだろう?」
「うん。そう・・・。学校が始まるまでは・・私の家で暮らすことになるから・・。」
ズキズキ痛む頭を押さえながら返事をした。
「分かった、じゃあな。」
ヘンリーは返事をするとキャロルの元へ走り去って行く。その姿は・・何だか嬉しそうにう見えた。
「ひょっとして・・私、邪魔者だったのかな・・?」
ぽつりとつぶやいた。私は2人が仲良さそうにしている姿を見るのが辛かったので、背を向けると、1人辻馬車の乗り場へ頭痛を押さえながら向かった―。
****
午後3時半―
「まあ!テアッ・・・貴女1人で家に帰って来たの?」
辻馬車に乗って1人で屋敷に帰ってきた私を出迎えた母は驚いた様子で尋ねてきた。
「うん。ちょっと・・・頭が痛くてたまらなかったから、ヘンリーにキャロルの観光案内をお願いして、一足先に帰って来たの・・。痛み止めを飲んだら休むわ。」
ふらふらと歩く私に母が部屋まで付き添ってくれた。そして歩きながら言う。
「それにしてもヘンリーは冷たい人よね。仮にもテアは許嫁なのに・・たった一人で家に帰して、キャロルの為に観光案内を続けるなんて・・。あの子はこれから大学を卒業するまでの4年間、この町で暮らすというのに。大体、子供の頃からヘンリーは貴女に対して冷たかったし・・。」
母はため息をつきながら言う。
そうか・・・。母もヘンリーがどこか冷たいことに気づいていたのか。
「全く・・それもこれもお父さんがお酒の酔っぱらった席で勝手に娘の許嫁を決めてしまったからだわ。」
母は怒り心頭で言う。
「・・・・。」
私は黙って母の話を聞いていた。ひょっとして・・ヘンリーも母と同じ考えだったのだろうか?父親に・・お酒の席で勝手に決められてしまった許嫁の私が気に入らなくて・・冷たい態度を取っていたのだろうか?
今回、ヘンリーがキャロルに接する態度で私は気づいてしまった。
私は・・おそらく彼によく思われていなかったのだ―。
ドアに取り付けられたベルを鳴らしながら、ヘンリーとキャロルを先頭に私たちはパスタ料理の店を出た。
「ああ、本当においしかったわ。ヘンリーの言うとおりね?」
キャロルはすっかり打ち解けた様子でヘンリーに話しかけた。
「気にいってもらえて良かったよ。」
ヘンリーはニコニコしながらキャロルに言う。・・確かにとてもおいしいパスタ屋さんで、私にとっては初めての店だった。・・どうしてこんなに素敵な店を知っているのに彼は私を連れてきてくれるどころか・・教えてもくれなかったのだろう?でも・・今となってはそんな事は些細な問題ではなかった。
断続的に締め付けるような頭痛で私は歩くのもやっとだった。馬車を待たせてある場所はレストランから5分程歩いた場所にある。痛みを耐えながら歩いていると、2人から距離が開いてしまった。
そんな様子の私に気づいたのか、ヘンリーは立ち止まって、一言二言何かキャロルに話しかけ・・・1人で私の方へ向かって駆け寄ってきた。
え?もしかして・。私の事が心配できてくれたのだろうか?ところが私の元へやってきた彼は言った。
「おい、何故そんなに離れて歩く?もたもたするなよ。キャロルがお前を心配しているじゃないか。・・ん?お前・・顔色何だか悪くないか?」
その時、ようやくヘンリーは私の体調が悪いことに気づいたようだった。
「う、うん・・実は頭がすごく痛くて・・・。この後も・・確かキャロルを連れてどこか行く予定だったんだよね・・?」
「ああ、そうだ。」
「それじゃ・・悪いけど・・2人だけで行ってくれる?私は・・・辻馬車を拾って先に屋敷に帰っているから。」
「ああ、そうだな。その方がいいだろう。キャロルには俺から伝えておくから。それじゃな。あ、そうだ。お前の屋敷に最後連れて行ってあげればいいんだろう?」
「うん。そう・・・。学校が始まるまでは・・私の家で暮らすことになるから・・。」
ズキズキ痛む頭を押さえながら返事をした。
「分かった、じゃあな。」
ヘンリーは返事をするとキャロルの元へ走り去って行く。その姿は・・何だか嬉しそうにう見えた。
「ひょっとして・・私、邪魔者だったのかな・・?」
ぽつりとつぶやいた。私は2人が仲良さそうにしている姿を見るのが辛かったので、背を向けると、1人辻馬車の乗り場へ頭痛を押さえながら向かった―。
****
午後3時半―
「まあ!テアッ・・・貴女1人で家に帰って来たの?」
辻馬車に乗って1人で屋敷に帰ってきた私を出迎えた母は驚いた様子で尋ねてきた。
「うん。ちょっと・・・頭が痛くてたまらなかったから、ヘンリーにキャロルの観光案内をお願いして、一足先に帰って来たの・・。痛み止めを飲んだら休むわ。」
ふらふらと歩く私に母が部屋まで付き添ってくれた。そして歩きながら言う。
「それにしてもヘンリーは冷たい人よね。仮にもテアは許嫁なのに・・たった一人で家に帰して、キャロルの為に観光案内を続けるなんて・・。あの子はこれから大学を卒業するまでの4年間、この町で暮らすというのに。大体、子供の頃からヘンリーは貴女に対して冷たかったし・・。」
母はため息をつきながら言う。
そうか・・・。母もヘンリーがどこか冷たいことに気づいていたのか。
「全く・・それもこれもお父さんがお酒の酔っぱらった席で勝手に娘の許嫁を決めてしまったからだわ。」
母は怒り心頭で言う。
「・・・・。」
私は黙って母の話を聞いていた。ひょっとして・・ヘンリーも母と同じ考えだったのだろうか?父親に・・お酒の席で勝手に決められてしまった許嫁の私が気に入らなくて・・冷たい態度を取っていたのだろうか?
今回、ヘンリーがキャロルに接する態度で私は気づいてしまった。
私は・・おそらく彼によく思われていなかったのだ―。
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