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65 1人きりの外出
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まぶしい光がカーテンの隙間から漏れて、私の顔を直撃した。
「ううう・・ま、眩しい・・・。」
ごろりと太陽に背を向け、パチリと目を覚ますと隣で寝ていたはずのキャロルの姿が見えない。
「あら・・・キャロル・・?」
むくりと起き上がってベッドの上から部屋をグルリと見渡してもキャロルの姿はどこにも無い。
「おかしいわね・・・?どこへ行ったのかしら・・・?」
とりあえずベッドから降りた私は着替えをするためにクローゼットへ向かった。
ガチャ
クローゼットを開けると、ハンガーにぶら下がっているワンピースをじっと見つめた。
「うん。このワンピースにしましょう。」
私はクローゼッの中に手を伸ばし・・1着のワンピースを手に取った。
日差しも強く、熱くなりそうだったので半そでの涼し気な花柄の少し丈の長いワンピースに着替えて部屋の振り子時計を見ると時刻は7時15分をさしている。
「こんなに朝早くからキャロルはどこへ行ったのかしら・・?」
とりあえず、髪をとかしたらダイニングルームに顔を出してみよう・・。
私はドレッサーに向かうと手早く髪をとかした―。
長い廊下を歩き、何人かのメイドやフットマンとすれ違った。朝の挨拶ついで皆にキャロルの行方を聞いたけれども、誰も知らなかった。
「どこへ行ったのかしら・・・?折角今日は2人で色々出かけようと思っていたのに・・。」
そう、もうあのヘンリーから私は自分を解放した。これからは大好きなキャロルや友人たちと楽しい大学生活を送ろうと決めたのだから。
「・・結局キャロルの行き先が不明のまま・・ダイニングルームへついてしまったわ・・・。」
ダイニングルーム前の大きな扉の前で立ち止まると、私は扉を開けた。
キイイイ~・・・
扉を開けてダイニングルームに足を踏み入れても、やはりキャロルの姿は見られない。ついでに言えば母の姿も見当たらない。
いるのは朝食の準備をしてくれている1人のフットマンだけだった。
「あ、おはようございます。テア様。」
「え。ええ。あの・・キャロルか母の姿を見ていないかしら?」
「はい・・見かけておりません。」
フットマンは申し訳なさそうに言う。
「そう・・・・。」
どうしよう・・・ダイニングルームにやってきたものの、キャロルも母も不在なのでこのまま1人で朝食を食べても良いのか迷っていると、そこへメイドのマリが慌てた様子でやってきた。
「おはようございます、テア様。」
「おはよう、マリ。どうしたの?そんなに慌てた様子で。」
「あ、あの・・実はキャロル様から今朝お手紙を預かっていたのです。」
「え?キャロルから?」
するとマリがエプロンのポケットから真っ白な封筒を出しながら言った。
「今朝6時頃の事です。廊下のお掃除をしていたところ、テア様のお部屋からキャロル様が出てこられたのです。そしてテア様はまだ眠っているので、私に手紙を預かって欲しいと言って渡してこられたのです。」
「え・・手紙を・・?」
マリからキャロルの手紙を受け取ると私は礼を言った。
「ありがとう、マリ。」
「いいえ。それでは失礼致します。」
マリは頭を下げると部屋を出ていき・・・私はダイニングテーブルの椅子に座って手紙を開封した。
『おはよう、テア。今朝は突然いなくなってごめんね。急用ができてしまって出かけなくてはならなくなったの。残念だわ。せっかくテアと出かけたい場所があったのに・・。だから貴女だけでも行ってきて?チケットが無駄になってしまうから。』
手紙にはそう書かれていた。
「え・・?チケット・・?」
よく見ると封筒には細長い紙が入っていた。それはクラシックコンサートのチケットで場所は市立劇場、開演時間は午前10時となっていた。
「え?!午前10時・・た、大変っ!急がなくちゃ!」
折角キャロルが置いていってくれたチケット。無駄にするわけにはいかない。そこで私はフットマンに言った。
「お願い、朝食の準備をしてくれる?」
****
「う~ん・・・コンサートに行くんだから・・それなりの服装にした方がいいわよね・・?」
朝食を食べて部屋に戻った私はクローゼットを開けてぶら下がっているワンピースをじっと見て・・。
「そうね、これにしましょう。」
ハンガーに手を伸ばして私は1着のワンピースを手に取った。
「まあ、テア様。どちらかへお出かけですか?」
出掛けるために廊下を歩いているとメイドのマリにばったり会った。
「ええ。そうなの。」
「テア様・・とても素敵ですよ?」
マリはうっとりした目つきで言った。今私が来ているのは紺色のパフスリーブのひざ下丈のプリンセスラインのワンピースドレス。白い襟元がアクセントになっている。
「髪型も素敵ですし、お化粧もしてますか?凄くお綺麗ですよ?」
「そ、そうかしら・・あ、ありがとう。」
1人で出かけるのにちょっと気合入れすぎかと思ったけど、褒められれば悪い気はしない。
「それじゃ、マリ行ってくるわ。」
「はい、どうぞ素敵な時間を過ごされてきてください。」
マリはデートか何かと勘違いしているのだろうか?これが今日の外出は1人だと知られれば驚かれるかもしれない。
エントランスを出ると、すでにお願いしていた馬車が待機していた。
「おはようございます、テア様。」
御者が挨拶してきた。
「おはよう、それじゃ市立劇場まで行ってくれる?」
「はい、かしこまりました。」
私が馬車に乗り込むと、御者は馬車を走らせ始めた。馬車の窓から外を眺めるとキャロルの事を考えた。
「キャロル・・・急用って何かしら・・一緒に過ごしたかったのに・・。」
その時、私は気づいていなかった。
ヘンリーの乗った馬車が私の馬車をつけていたという事に―。
「ううう・・ま、眩しい・・・。」
ごろりと太陽に背を向け、パチリと目を覚ますと隣で寝ていたはずのキャロルの姿が見えない。
「あら・・・キャロル・・?」
むくりと起き上がってベッドの上から部屋をグルリと見渡してもキャロルの姿はどこにも無い。
「おかしいわね・・・?どこへ行ったのかしら・・・?」
とりあえずベッドから降りた私は着替えをするためにクローゼットへ向かった。
ガチャ
クローゼットを開けると、ハンガーにぶら下がっているワンピースをじっと見つめた。
「うん。このワンピースにしましょう。」
私はクローゼッの中に手を伸ばし・・1着のワンピースを手に取った。
日差しも強く、熱くなりそうだったので半そでの涼し気な花柄の少し丈の長いワンピースに着替えて部屋の振り子時計を見ると時刻は7時15分をさしている。
「こんなに朝早くからキャロルはどこへ行ったのかしら・・?」
とりあえず、髪をとかしたらダイニングルームに顔を出してみよう・・。
私はドレッサーに向かうと手早く髪をとかした―。
長い廊下を歩き、何人かのメイドやフットマンとすれ違った。朝の挨拶ついで皆にキャロルの行方を聞いたけれども、誰も知らなかった。
「どこへ行ったのかしら・・・?折角今日は2人で色々出かけようと思っていたのに・・。」
そう、もうあのヘンリーから私は自分を解放した。これからは大好きなキャロルや友人たちと楽しい大学生活を送ろうと決めたのだから。
「・・結局キャロルの行き先が不明のまま・・ダイニングルームへついてしまったわ・・・。」
ダイニングルーム前の大きな扉の前で立ち止まると、私は扉を開けた。
キイイイ~・・・
扉を開けてダイニングルームに足を踏み入れても、やはりキャロルの姿は見られない。ついでに言えば母の姿も見当たらない。
いるのは朝食の準備をしてくれている1人のフットマンだけだった。
「あ、おはようございます。テア様。」
「え。ええ。あの・・キャロルか母の姿を見ていないかしら?」
「はい・・見かけておりません。」
フットマンは申し訳なさそうに言う。
「そう・・・・。」
どうしよう・・・ダイニングルームにやってきたものの、キャロルも母も不在なのでこのまま1人で朝食を食べても良いのか迷っていると、そこへメイドのマリが慌てた様子でやってきた。
「おはようございます、テア様。」
「おはよう、マリ。どうしたの?そんなに慌てた様子で。」
「あ、あの・・実はキャロル様から今朝お手紙を預かっていたのです。」
「え?キャロルから?」
するとマリがエプロンのポケットから真っ白な封筒を出しながら言った。
「今朝6時頃の事です。廊下のお掃除をしていたところ、テア様のお部屋からキャロル様が出てこられたのです。そしてテア様はまだ眠っているので、私に手紙を預かって欲しいと言って渡してこられたのです。」
「え・・手紙を・・?」
マリからキャロルの手紙を受け取ると私は礼を言った。
「ありがとう、マリ。」
「いいえ。それでは失礼致します。」
マリは頭を下げると部屋を出ていき・・・私はダイニングテーブルの椅子に座って手紙を開封した。
『おはよう、テア。今朝は突然いなくなってごめんね。急用ができてしまって出かけなくてはならなくなったの。残念だわ。せっかくテアと出かけたい場所があったのに・・。だから貴女だけでも行ってきて?チケットが無駄になってしまうから。』
手紙にはそう書かれていた。
「え・・?チケット・・?」
よく見ると封筒には細長い紙が入っていた。それはクラシックコンサートのチケットで場所は市立劇場、開演時間は午前10時となっていた。
「え?!午前10時・・た、大変っ!急がなくちゃ!」
折角キャロルが置いていってくれたチケット。無駄にするわけにはいかない。そこで私はフットマンに言った。
「お願い、朝食の準備をしてくれる?」
****
「う~ん・・・コンサートに行くんだから・・それなりの服装にした方がいいわよね・・?」
朝食を食べて部屋に戻った私はクローゼットを開けてぶら下がっているワンピースをじっと見て・・。
「そうね、これにしましょう。」
ハンガーに手を伸ばして私は1着のワンピースを手に取った。
「まあ、テア様。どちらかへお出かけですか?」
出掛けるために廊下を歩いているとメイドのマリにばったり会った。
「ええ。そうなの。」
「テア様・・とても素敵ですよ?」
マリはうっとりした目つきで言った。今私が来ているのは紺色のパフスリーブのひざ下丈のプリンセスラインのワンピースドレス。白い襟元がアクセントになっている。
「髪型も素敵ですし、お化粧もしてますか?凄くお綺麗ですよ?」
「そ、そうかしら・・あ、ありがとう。」
1人で出かけるのにちょっと気合入れすぎかと思ったけど、褒められれば悪い気はしない。
「それじゃ、マリ行ってくるわ。」
「はい、どうぞ素敵な時間を過ごされてきてください。」
マリはデートか何かと勘違いしているのだろうか?これが今日の外出は1人だと知られれば驚かれるかもしれない。
エントランスを出ると、すでにお願いしていた馬車が待機していた。
「おはようございます、テア様。」
御者が挨拶してきた。
「おはよう、それじゃ市立劇場まで行ってくれる?」
「はい、かしこまりました。」
私が馬車に乗り込むと、御者は馬車を走らせ始めた。馬車の窓から外を眺めるとキャロルの事を考えた。
「キャロル・・・急用って何かしら・・一緒に過ごしたかったのに・・。」
その時、私は気づいていなかった。
ヘンリーの乗った馬車が私の馬車をつけていたという事に―。
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