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第24話 悪役令嬢の兄、実況中継する
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「なるほど…あの娘がノエルというアルフォンソ王子のデート相手か…。王子と違って彼女はデートに着て来る服としては中々良いチョイスかもしれない」
兄がノエルをガン見しながらブツブツ呟いている。
「ええ、彼女がノエルです。どうです?中々美少女だと思いませんか?」
「う~む…確かにそうとは言える…だがアリーナよ。安心しろ。お前のほうがずっと美人だ。だから自信を持つといい」
「はぁ…そうですか。ありがとうございます」
これは…褒め言葉として受け取って良いのだろうか?一応礼を述べておいた。
「あ!見ろっ!ついにノエルが王子に接触するぞ!」
兄の言葉に視線をそらせていた私も慌てて2人に注目する。
「よし、王子がノエルに気付いたぞ?しかし…何だ?2人とも微妙な表情を浮かべている。恐らく彼女の方は王子の着ている白いスーツ姿に戸惑いつつも、大輪のバラの花束に内心喜んでいる節が見受けられる。一方、王子の方はどうだ?相当衝撃を受けているようだ。何しろ目は見開き、口はぽかんと開けたままだからな。あの様子では全身に冷や汗をかいているかもしれない」
兄は何故か丁寧に実況中継を始めた。
けれど…。
「ええ…確かに妙ですね?何故あんなに驚いているんでしょう?あ…もしかしてノエルとのデートの約束を忘れて他の女性と待ち合わせをしていたのでしょうか?」
「な、何ぃっ!だ、だとしたら絶対に許せんぞっ!妹と言う婚約者がいながらノエルとデートの約束をしたくせに、それすら忘れて別の女性とデートの待ち合わせをしていたのか?!いくら王子といえども最低だ!クズだっ!阿呆だっ!女性の敵だっ!」
兄は仮にも王子でアルフォンソ様のことをクズだの阿呆だのと罵っている。
あ~あ…いいのかなぁ…こんな事王子の関係者の耳に入れば不敬罪に問われないだろうか。
「あ!見ろっ!2人の間に動きがあったぞっ?!」
兄の叫びに私は再び2人の動向に注目した。
「ノエルという女性が王子に笑顔で何か話しかけているぞ?しかし、王子の顔色は浮かない…何やら彼女が話せば話すほど益々不機嫌になっていくぞ?あっ!どうしたんだ?突然ノエルが怒り出したようだ。何やら興奮した様子で王子に詰め寄っているが…どうした、王子っ!首を振って何か訴えているぞ!」
まるでスポーツ中継の実況アナウンサーのごとく、兄の口は流暢に言葉を紡ぎ出す。兄にこのような才能があるとは思わなかった。
「ああ!つ、ついに…ついに事態は大きく動いた!ノエルが王子に背中を向けて去っていくぞ!かなり怒っているようだ!一方…王子の方はどうした?何やら意気消沈下した様子で噴水近くのベンチに腰を下ろしてうなだれてしまった!しかもバラの花束を抱えたまま!」
兄は身を乗り出して喚いている。
「一体…何があったの?」
どうしてノエルはあんなに怒って去ってしまったのだろう?それに…アルフォンソ王子は何故あんなに傷ついた顔をしているのか…。
分からない。
私はそれとも何かまずいことをしてしまったのだろうか…?
「お兄様…」
「何だ?妹よ」
「今日の監視はここまでですっ!私…今から王子の元へ行ってきます!」
「え?何だって?!アリーナッ!どこへ行くんだよっ!」
しかし、私は兄の静止を振り切って…うなだれているアルフォンソ王子の元へ駆けて行った―。
兄がノエルをガン見しながらブツブツ呟いている。
「ええ、彼女がノエルです。どうです?中々美少女だと思いませんか?」
「う~む…確かにそうとは言える…だがアリーナよ。安心しろ。お前のほうがずっと美人だ。だから自信を持つといい」
「はぁ…そうですか。ありがとうございます」
これは…褒め言葉として受け取って良いのだろうか?一応礼を述べておいた。
「あ!見ろっ!ついにノエルが王子に接触するぞ!」
兄の言葉に視線をそらせていた私も慌てて2人に注目する。
「よし、王子がノエルに気付いたぞ?しかし…何だ?2人とも微妙な表情を浮かべている。恐らく彼女の方は王子の着ている白いスーツ姿に戸惑いつつも、大輪のバラの花束に内心喜んでいる節が見受けられる。一方、王子の方はどうだ?相当衝撃を受けているようだ。何しろ目は見開き、口はぽかんと開けたままだからな。あの様子では全身に冷や汗をかいているかもしれない」
兄は何故か丁寧に実況中継を始めた。
けれど…。
「ええ…確かに妙ですね?何故あんなに驚いているんでしょう?あ…もしかしてノエルとのデートの約束を忘れて他の女性と待ち合わせをしていたのでしょうか?」
「な、何ぃっ!だ、だとしたら絶対に許せんぞっ!妹と言う婚約者がいながらノエルとデートの約束をしたくせに、それすら忘れて別の女性とデートの待ち合わせをしていたのか?!いくら王子といえども最低だ!クズだっ!阿呆だっ!女性の敵だっ!」
兄は仮にも王子でアルフォンソ様のことをクズだの阿呆だのと罵っている。
あ~あ…いいのかなぁ…こんな事王子の関係者の耳に入れば不敬罪に問われないだろうか。
「あ!見ろっ!2人の間に動きがあったぞっ?!」
兄の叫びに私は再び2人の動向に注目した。
「ノエルという女性が王子に笑顔で何か話しかけているぞ?しかし、王子の顔色は浮かない…何やら彼女が話せば話すほど益々不機嫌になっていくぞ?あっ!どうしたんだ?突然ノエルが怒り出したようだ。何やら興奮した様子で王子に詰め寄っているが…どうした、王子っ!首を振って何か訴えているぞ!」
まるでスポーツ中継の実況アナウンサーのごとく、兄の口は流暢に言葉を紡ぎ出す。兄にこのような才能があるとは思わなかった。
「ああ!つ、ついに…ついに事態は大きく動いた!ノエルが王子に背中を向けて去っていくぞ!かなり怒っているようだ!一方…王子の方はどうした?何やら意気消沈下した様子で噴水近くのベンチに腰を下ろしてうなだれてしまった!しかもバラの花束を抱えたまま!」
兄は身を乗り出して喚いている。
「一体…何があったの?」
どうしてノエルはあんなに怒って去ってしまったのだろう?それに…アルフォンソ王子は何故あんなに傷ついた顔をしているのか…。
分からない。
私はそれとも何かまずいことをしてしまったのだろうか…?
「お兄様…」
「何だ?妹よ」
「今日の監視はここまでですっ!私…今から王子の元へ行ってきます!」
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