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10-5 作戦会議
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エルウィンの命により南塔の精鋭部隊の団長、15名が中庭に設置された円筒の砦にある会議室に集められた。
その中にはスティーブはもちろん、エデルガルトの姿もある。
「皆、集まってくれて感謝する。越冬期間が開けたばかりだが、緊急事態が発生した。越冬期間を前に、『アイデン』の領民と偽り、城に侵入していた人物がいたのだ」
「何だって?」
「城に侵入者が…?」
「領民と偽るとは…」
彼等の間に動揺が走る。
「シュミット、地図を出せ」
エルウィンがシュミットに命じた。
「はい」
シュミットが地図を広げるとテーブルの上に置いた。
するとエルウィンが地図のある一部を指さした。
「我が城が越冬期間中、ここ、『アイデン』より西に位置する少国家『カフィア』から1名の間者が紛れ込んでいた。その人物の名はダリウス。越冬期間に入る数ヶ月前から領民として潜んでいた模様だ。そいつが本日、越冬期間開けと同時にこの城かある人物を拉致した」
「拉致…?」
「一体誰が拉致されたんだ?」
「重要人物なのか…?」
状況がまだよく理解できていない団長たちはざわめいた。
「「…」」
シュミットとスティーブは黙ってエルウィンの言葉を待つ。
するとエデルガルトが手を上げた。
「エルウィン様。拉致された人物は誰なのですか?『カフィア』国の者が拉致するほど重要人物なのでしょうか?」
「それは…っ!」
スティーブが言いかけた時、エルウィンが手を上げてそれを制した。
「そうだ、重要人物だ。拉致されたのはアリアドネ・ステニウス伯爵令嬢。俺の妻になるべくこの城にやってきた女性だ」
「「!!」」
エルウィンの言葉に一瞬で団員たちがざわめき、シュミットとスティーブが驚愕の表情を浮かべる。
「なんですと?エルウィン様に…そのようなお相手の方がいらしたのですか?」
エデルガルトが目を見開いた。
「ああ、そうだ。今まで黙っていてすまなかった」
エルウィンはスティーブやシュミットの顔を見ることもなく、ざわつく団員たちに頭を下げた。
「まさかエルウィン様にそのような御方が…」
「なら、重要人物に違いない」
「敵は何と大胆な真似を…」」
「これは我らに対する宣戦布告だ!」
「エルウィン様!敵はアリアドネ様を人質として連れ去ったのであれば、すぐに兵を挙げないとお命が危険ですっ!」
1人の団長が声を挙げた。
「勿論すぐにでも兵を挙げるるつもりだが…大事にするつもりはない。敵に我らの動きを悟られるわけにはいかないからな。恐らく敵もそれ程の大人数で移動してるとは思えない。何しろ越冬期間中に一個師団もの兵が身を隠せるような場所など存在しない。しかも相手は王国といえど、少国家だ。恐らく少数部隊で行動しているはずだ。もしかすると、敵は我らを分断させて城を襲ってくる可能性もある。奴等は少数精鋭部隊で追う。だが、領地に入られれば厄介だ。その前に必ず奴等を追い詰める!奴等は砂漠の民、雪には不慣れだ。何としても敵が『アイデン』を抜け出す前に追いつくのだ!地の利は我らにあるっ!」
そしてエルウィンはシュミットに命じた。
「シュミットッ!お前は早駆けの馬で付近の領民達に怪しい者達を近隣で見かけなかったか聞き込みをしてくるのだっ!その間我らは挙兵の準備に入るっ!」
『はいっ!!』
その場にいる者全員が大きく返事をした―。
その中にはスティーブはもちろん、エデルガルトの姿もある。
「皆、集まってくれて感謝する。越冬期間が開けたばかりだが、緊急事態が発生した。越冬期間を前に、『アイデン』の領民と偽り、城に侵入していた人物がいたのだ」
「何だって?」
「城に侵入者が…?」
「領民と偽るとは…」
彼等の間に動揺が走る。
「シュミット、地図を出せ」
エルウィンがシュミットに命じた。
「はい」
シュミットが地図を広げるとテーブルの上に置いた。
するとエルウィンが地図のある一部を指さした。
「我が城が越冬期間中、ここ、『アイデン』より西に位置する少国家『カフィア』から1名の間者が紛れ込んでいた。その人物の名はダリウス。越冬期間に入る数ヶ月前から領民として潜んでいた模様だ。そいつが本日、越冬期間開けと同時にこの城かある人物を拉致した」
「拉致…?」
「一体誰が拉致されたんだ?」
「重要人物なのか…?」
状況がまだよく理解できていない団長たちはざわめいた。
「「…」」
シュミットとスティーブは黙ってエルウィンの言葉を待つ。
するとエデルガルトが手を上げた。
「エルウィン様。拉致された人物は誰なのですか?『カフィア』国の者が拉致するほど重要人物なのでしょうか?」
「それは…っ!」
スティーブが言いかけた時、エルウィンが手を上げてそれを制した。
「そうだ、重要人物だ。拉致されたのはアリアドネ・ステニウス伯爵令嬢。俺の妻になるべくこの城にやってきた女性だ」
「「!!」」
エルウィンの言葉に一瞬で団員たちがざわめき、シュミットとスティーブが驚愕の表情を浮かべる。
「なんですと?エルウィン様に…そのようなお相手の方がいらしたのですか?」
エデルガルトが目を見開いた。
「ああ、そうだ。今まで黙っていてすまなかった」
エルウィンはスティーブやシュミットの顔を見ることもなく、ざわつく団員たちに頭を下げた。
「まさかエルウィン様にそのような御方が…」
「なら、重要人物に違いない」
「敵は何と大胆な真似を…」」
「これは我らに対する宣戦布告だ!」
「エルウィン様!敵はアリアドネ様を人質として連れ去ったのであれば、すぐに兵を挙げないとお命が危険ですっ!」
1人の団長が声を挙げた。
「勿論すぐにでも兵を挙げるるつもりだが…大事にするつもりはない。敵に我らの動きを悟られるわけにはいかないからな。恐らく敵もそれ程の大人数で移動してるとは思えない。何しろ越冬期間中に一個師団もの兵が身を隠せるような場所など存在しない。しかも相手は王国といえど、少国家だ。恐らく少数部隊で行動しているはずだ。もしかすると、敵は我らを分断させて城を襲ってくる可能性もある。奴等は少数精鋭部隊で追う。だが、領地に入られれば厄介だ。その前に必ず奴等を追い詰める!奴等は砂漠の民、雪には不慣れだ。何としても敵が『アイデン』を抜け出す前に追いつくのだ!地の利は我らにあるっ!」
そしてエルウィンはシュミットに命じた。
「シュミットッ!お前は早駆けの馬で付近の領民達に怪しい者達を近隣で見かけなかったか聞き込みをしてくるのだっ!その間我らは挙兵の準備に入るっ!」
『はいっ!!』
その場にいる者全員が大きく返事をした―。
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