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10-15 ダリウスの蛮行、そして…
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「ダ、ダリウス…。何故鍵をかけたの…?」
アリアドネは震えながらダリウスに尋ねた。
「さっきも話しただろう?手を離せば君は何処かへ逃げようとするに決まっている。だから鍵を掛けたんじゃないか」
「だ、だからそんなことをしても私は逃げられないと話したでしょう?ここが何処かも分からないし…下には貴方の仲間が大勢いるじゃないの…。逃げないと約束するから…1人にしてもらいたいのだけど…」
何とか言葉を返すも、ますますダリウスは力強く抱き寄せてくる。それがアリアドネには恐怖だった。
「確かにそうだけど…鍵を掛けたのはそれだけが理由じゃない。君と2人きりの時間を誰にも邪魔されたくないからな」
「え…?」
するとダリウスがアリアドネの顎をつまみ、上を向かせると顔を近づけてきた。
「い、いやっ!やめてっ!!」
アリアドネは思い切り顔を背け、ダリウスを突き飛ばして距離を取った。
「うっ…」
思わぬ抵抗を受けたダリウスは自分から距離を空けたアリアドネを見つめた。
「これは驚いたな。油断したよ…まさか君が抵抗するとは思わなかったな…」
ダリウスは苦笑しながらゆっくりアリアドネに近付いてくる。
「こ、来ないで…」
アリアドネは壁に背をつけたまま震えながらダリウスに訴えた。
「酷いじゃないか?アリアドネ。あんなに俺たちは仲が良かっただろう?伯爵令嬢でありながら下働きに身を落とし、赤切れまで作って労働する君にクリームをあげたのは誰だい?」
「そ、それは感謝しているけど…クリームが欲しいとは一言も言っていないわ。そ、それに…わ、私は働くのが好きなのよ!自分の意思で働いているの!」
「確かに君は一度も俺に何かを強請ったことは無い。そういう環境で暮らせなかったからだろう?だが安心しろ。俺の国へ来れば次の王妃になれるんだ。欲しい物は何でも与えてやれる。もう労働しなくてすむんだぞ?」
「だ、だけど私は…!」
「ああ、分かってる。あの『戦場の暴君』と呼ばれるエルウィンの妻になる為に身代わりにされた哀れな女性だ。だが…その話も今日で終わりだ」
「え…?」
ダリウスの目つきが変わった。
「俺が今、ここで君の純潔を奪ってしまえば流石の奴だって妻にする気も失せるだろう?特にあの男は異常なほど潔癖なところがあるからな。誰にでも身体を許すような女を妻には娶りたくないだろうから」
「!!」
アリアドネはその言葉にダリウスが本気だということを悟った。
逃げ場が無いのは分かり切っていたが、少しでもダリウスから逃れようと後ずさった次の瞬間―。
ダリウスが素早く動き、アリアドネの左手首を捉えると強引にベッドの上に倒した。
「キャアッ!」
一瞬自分の身体がベッドに沈み込むも、アリアドネは必死になって起き上がった。
しかし、ダリウスが覆いかぶさってくると再びアリアドネを強くベッドに押し付けてきた。
「い、いや!やめてっ!離してっ!」
必死で暴れるアリアドネに対し、ダリウスは冷静だ。
「大丈夫だ、怖くない。この俺が愛する君を傷つけるはず無いだろう?格別に優しく抱いてやるよ…」
ダリウスの手がアリアドネの服に掛けられた。
「いやーっ!!や、やめてっ!!誰か…誰か助けてっ!!」
必死で叫ぶアリアドネ。
そして何故か脳裏にエルウィンの姿が過った。
「エルウィン様ーっ!」
気付けばアリアドネはエルウィンの名を叫んでいた。
その時―。
ガチャーンッ!!
突然部屋の窓が割れた。
そして激しく剣を交わす音が階下で聞こえ始めた。
「何だっ!まさか…奴らに追いつかれたのかっ?!」
ダリウスはアリアドネをベッドに抑えつけたまま顔を上げた次の瞬間…。
『そこかっ!!』
激しい金属音と共に、ドアが思い切りけ破られた。
「やめろっ!ダリウスッ!!」
そして部屋の中に剣を握りしめたエルウィンが飛び込んできた――。
アリアドネは震えながらダリウスに尋ねた。
「さっきも話しただろう?手を離せば君は何処かへ逃げようとするに決まっている。だから鍵を掛けたんじゃないか」
「だ、だからそんなことをしても私は逃げられないと話したでしょう?ここが何処かも分からないし…下には貴方の仲間が大勢いるじゃないの…。逃げないと約束するから…1人にしてもらいたいのだけど…」
何とか言葉を返すも、ますますダリウスは力強く抱き寄せてくる。それがアリアドネには恐怖だった。
「確かにそうだけど…鍵を掛けたのはそれだけが理由じゃない。君と2人きりの時間を誰にも邪魔されたくないからな」
「え…?」
するとダリウスがアリアドネの顎をつまみ、上を向かせると顔を近づけてきた。
「い、いやっ!やめてっ!!」
アリアドネは思い切り顔を背け、ダリウスを突き飛ばして距離を取った。
「うっ…」
思わぬ抵抗を受けたダリウスは自分から距離を空けたアリアドネを見つめた。
「これは驚いたな。油断したよ…まさか君が抵抗するとは思わなかったな…」
ダリウスは苦笑しながらゆっくりアリアドネに近付いてくる。
「こ、来ないで…」
アリアドネは壁に背をつけたまま震えながらダリウスに訴えた。
「酷いじゃないか?アリアドネ。あんなに俺たちは仲が良かっただろう?伯爵令嬢でありながら下働きに身を落とし、赤切れまで作って労働する君にクリームをあげたのは誰だい?」
「そ、それは感謝しているけど…クリームが欲しいとは一言も言っていないわ。そ、それに…わ、私は働くのが好きなのよ!自分の意思で働いているの!」
「確かに君は一度も俺に何かを強請ったことは無い。そういう環境で暮らせなかったからだろう?だが安心しろ。俺の国へ来れば次の王妃になれるんだ。欲しい物は何でも与えてやれる。もう労働しなくてすむんだぞ?」
「だ、だけど私は…!」
「ああ、分かってる。あの『戦場の暴君』と呼ばれるエルウィンの妻になる為に身代わりにされた哀れな女性だ。だが…その話も今日で終わりだ」
「え…?」
ダリウスの目つきが変わった。
「俺が今、ここで君の純潔を奪ってしまえば流石の奴だって妻にする気も失せるだろう?特にあの男は異常なほど潔癖なところがあるからな。誰にでも身体を許すような女を妻には娶りたくないだろうから」
「!!」
アリアドネはその言葉にダリウスが本気だということを悟った。
逃げ場が無いのは分かり切っていたが、少しでもダリウスから逃れようと後ずさった次の瞬間―。
ダリウスが素早く動き、アリアドネの左手首を捉えると強引にベッドの上に倒した。
「キャアッ!」
一瞬自分の身体がベッドに沈み込むも、アリアドネは必死になって起き上がった。
しかし、ダリウスが覆いかぶさってくると再びアリアドネを強くベッドに押し付けてきた。
「い、いや!やめてっ!離してっ!」
必死で暴れるアリアドネに対し、ダリウスは冷静だ。
「大丈夫だ、怖くない。この俺が愛する君を傷つけるはず無いだろう?格別に優しく抱いてやるよ…」
ダリウスの手がアリアドネの服に掛けられた。
「いやーっ!!や、やめてっ!!誰か…誰か助けてっ!!」
必死で叫ぶアリアドネ。
そして何故か脳裏にエルウィンの姿が過った。
「エルウィン様ーっ!」
気付けばアリアドネはエルウィンの名を叫んでいた。
その時―。
ガチャーンッ!!
突然部屋の窓が割れた。
そして激しく剣を交わす音が階下で聞こえ始めた。
「何だっ!まさか…奴らに追いつかれたのかっ?!」
ダリウスはアリアドネをベッドに抑えつけたまま顔を上げた次の瞬間…。
『そこかっ!!』
激しい金属音と共に、ドアが思い切りけ破られた。
「やめろっ!ダリウスッ!!」
そして部屋の中に剣を握りしめたエルウィンが飛び込んできた――。
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