344 / 376
18-9 不安な予感
しおりを挟む
「アリアドネ……?まさか!!」
マクシミリアンはアリアドネの姿を見て駆け寄ってきた。
「アリアドネじゃないか!一体何故ここに?!てっきりアイゼンシュタット城にいるかとばかり思っていたのに!」
そしてアリアドネの手を握りしめてくる。
「アリアドネに何するんだよ!」
何も知らないウリエルがマクシミリアンの手を払い除けた。
「え?この子供は?」
マクシミリアンが目を丸くしする。
「いけません、ウリエル様。こちらの方は『レビアス』王国の王太子殿下でいらっしゃるのですよ?」
慌ててアリアドネはウリエルを注意する。
「え?!お、王太子殿下だって!」
その言葉に驚くのはミカエルだった。
「この子達は?」
「はい、こちらの方達はエルウィン様の甥っ子でいらっしゃいますミカエル様とウリエル様です。お2人とも、王太子殿下に御挨拶なさって下さい」
アリアドネは慌てた様子で2人に声を掛けた。
「初めてお目にかかります。ミカエルと申します」
「ウリエルです。あの……ご、ごめんなさい……」
するとマクシミリアンは笑った。
「ハハハ……2人とも、利発そうな子供たちじゃないか」
4人の様子をその場にいた人々は誰一人口を挟める者はいなかった。
(一体何が起こってるんだ……?)
一方のスティーブもその様子を見届けているしか出来なかったが、すぐに我に返った。
「あ、あの!王太子殿下!先程の話ですが……!」
慌ててスティーブが声を掛けると、マクシミリアンは振り返った。
「あぁ。先程の『生命の雫』の件だろう?そのことについてアリアドネと2人きりで話がしたいんだ。いいだろう?アリアドネ」
マクシミリアンが意味深にアリアドネに笑みを浮かべる。
「え……?『生命の雫』?」
何のことか、さっぱり分からないアリアドネは首を傾げた。
「辺境伯の命に関わる大切な話だよ?」
「エルウィン様の命に関わる話ですか?!ぜ、是非お話をお聞かせ下さい!お願いします!」
必死になって頭を下げるアリアドネ。
「い、いや。しかし、2人きりで話など……」
何やら嫌な予感がしたスティーブは反対しようとした。
しかし……。
「何だ?お前は殿下に歯向かおうと言うのか?」
先程スティーブを止めた近衛兵が睨みつけてきた。
「……っ!」
悔しそうに口を閉ざすスティーブ。
「スティーブ様、私なら大丈夫ですから」
するとマクシミリアンは満足そうに笑みを浮かべ、アリアドネに手を差し伸べた。
「さて、それじゃ2人きりで話をしようか?とりあえずは……私の馬車においで?」
「は、はい……」
アリアドネは言われるままに手を伸ばすと、マクシミリアンはしっかり握りしめた。
「それでは馬車に行こう。他の者達は離れていてくれ」
『はい!』
声を揃える近衛兵達。
スティーブを含め、アイゼンシュタットの騎士たちは……なす術も無く見届けるしか無かった。
馬車に向かう2人を、特に不安な気持ちで見届けていたのはスティーブだった。
(果てしなく嫌な予感しか無いが……けれど、エルウィン様の命運を握るのはアリアドネしかいないかもしれない……)
一方のマティアスとカインも心配そうな表情でマクシミリアンとアリアドネを見つめていた。
そして、彼らの不安は的中することになる――。
マクシミリアンはアリアドネの姿を見て駆け寄ってきた。
「アリアドネじゃないか!一体何故ここに?!てっきりアイゼンシュタット城にいるかとばかり思っていたのに!」
そしてアリアドネの手を握りしめてくる。
「アリアドネに何するんだよ!」
何も知らないウリエルがマクシミリアンの手を払い除けた。
「え?この子供は?」
マクシミリアンが目を丸くしする。
「いけません、ウリエル様。こちらの方は『レビアス』王国の王太子殿下でいらっしゃるのですよ?」
慌ててアリアドネはウリエルを注意する。
「え?!お、王太子殿下だって!」
その言葉に驚くのはミカエルだった。
「この子達は?」
「はい、こちらの方達はエルウィン様の甥っ子でいらっしゃいますミカエル様とウリエル様です。お2人とも、王太子殿下に御挨拶なさって下さい」
アリアドネは慌てた様子で2人に声を掛けた。
「初めてお目にかかります。ミカエルと申します」
「ウリエルです。あの……ご、ごめんなさい……」
するとマクシミリアンは笑った。
「ハハハ……2人とも、利発そうな子供たちじゃないか」
4人の様子をその場にいた人々は誰一人口を挟める者はいなかった。
(一体何が起こってるんだ……?)
一方のスティーブもその様子を見届けているしか出来なかったが、すぐに我に返った。
「あ、あの!王太子殿下!先程の話ですが……!」
慌ててスティーブが声を掛けると、マクシミリアンは振り返った。
「あぁ。先程の『生命の雫』の件だろう?そのことについてアリアドネと2人きりで話がしたいんだ。いいだろう?アリアドネ」
マクシミリアンが意味深にアリアドネに笑みを浮かべる。
「え……?『生命の雫』?」
何のことか、さっぱり分からないアリアドネは首を傾げた。
「辺境伯の命に関わる大切な話だよ?」
「エルウィン様の命に関わる話ですか?!ぜ、是非お話をお聞かせ下さい!お願いします!」
必死になって頭を下げるアリアドネ。
「い、いや。しかし、2人きりで話など……」
何やら嫌な予感がしたスティーブは反対しようとした。
しかし……。
「何だ?お前は殿下に歯向かおうと言うのか?」
先程スティーブを止めた近衛兵が睨みつけてきた。
「……っ!」
悔しそうに口を閉ざすスティーブ。
「スティーブ様、私なら大丈夫ですから」
するとマクシミリアンは満足そうに笑みを浮かべ、アリアドネに手を差し伸べた。
「さて、それじゃ2人きりで話をしようか?とりあえずは……私の馬車においで?」
「は、はい……」
アリアドネは言われるままに手を伸ばすと、マクシミリアンはしっかり握りしめた。
「それでは馬車に行こう。他の者達は離れていてくれ」
『はい!』
声を揃える近衛兵達。
スティーブを含め、アイゼンシュタットの騎士たちは……なす術も無く見届けるしか無かった。
馬車に向かう2人を、特に不安な気持ちで見届けていたのはスティーブだった。
(果てしなく嫌な予感しか無いが……けれど、エルウィン様の命運を握るのはアリアドネしかいないかもしれない……)
一方のマティアスとカインも心配そうな表情でマクシミリアンとアリアドネを見つめていた。
そして、彼らの不安は的中することになる――。
33
あなたにおすすめの小説
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?
いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー
これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。
「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」
「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」
冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。
あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。
ショックで熱をだし寝込むこと1週間。
目覚めると夫がなぜか豹変していて…!?
「君から話し掛けてくれないのか?」
「もう君が隣にいないのは考えられない」
無口不器用夫×優しい鈍感妻
すれ違いから始まる両片思いストーリー
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】
白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語
※他サイトでも投稿中
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
妃殿下、私の婚約者から手を引いてくれませんか?
ハートリオ
恋愛
茶髪茶目のポッチャリ令嬢ロサ。
イケメン達を翻弄するも無自覚。
ロサには人に言えない、言いたくない秘密があってイケメンどころではないのだ。
そんなロサ、長年の婚約者が婚約を解消しようとしているらしいと聞かされ…
剣、馬車、ドレスのヨーロッパ風異世界です。
御脱字、申し訳ございません。
1話が長めだと思われるかもしれませんが会話が多いので読みやすいのではないかと思います。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる