22 / 334
第1章
第22話 追加のリクエスト
しおりを挟む
「あとね。蜂蜜色の髪のご令嬢も。」
メイリが楽しそうにニコニコしながら追加リクエストをしてきた。
「沢山いるんだね。」
王子様とお姫様のペアを描いてくれっていうことが多かったから、今回もそうかと思ったら、リクエストは何人もの登場人物の集合した絵だった。どんどん増えていく要望にちょっとドキドキする。
「あとは……。」
「あとは?」
「……ピンク色の髪の令嬢。可愛らしい感じで。」
次の言葉を待っているとメイリがニコッとして言った。
「ピンク色?魔法属性なんだろう。火なのかな。」
「属性はよくわからないけど、体格はちょっと小柄なの。」
「ここまでで5人だね。他は?」
「他は……。」
メイリは顎に人差し指を添えて「うーん。」と少し考えた後ニコリと微笑んだ。
「赤い色の人も居た気がするんだけど、よく思い出せないの。とりあえず5人の絵を描いて!」
「わかった。……ポーズとかは……?」
「クリス兄様にお任せするわ。いつも素敵だもの。」
「……わかった……。」
結構無茶振りされた気がしたけど、褒められると嬉しくなってしまう。
青い色の髪は、青いキノコを砕いた色材を使ってみようとか、早速構想を練り出し始めた。
絵を描くことに気持ちが行ってしまうと早く描き始めたくて、つい急いで食事をしてしまう。
普段だったら母様に怒られてしまうけれど、母様は来客の対応でいないし、メイリも早く絵が見たいってワクワクしている。
だからメイリもマナー違反にならない程度に急ぎめに食事を進めている。
とは言っても、角兎のクリームシチューは凄く美味しいかったから、ちゃんとしっかり味わった。
辺境伯様達、何日居るのかな。辺境伯様達ば居る間は、狩りに行けないかもしれないからなぁ。お肉が足りるかな。
量が足りても、腐っちゃったらやだし。
冷やしておければ安心なんだけど。
レオノールさんとか氷属性が強そうだったから、氷出してくれないかな。
あ、ちょっと待って。凍らなくても冷たーい水でも良いんじゃない?
夏のスイカとか、冷たい水で冷やすし。
スイカ……?食べたことあったっけ……?
「クリス兄様?」
メイリが呼びかける声がして顔を上げた。お茶のカップを手にしたメイリがこちらを見ていた。
「また考え事?」
「あー……、ごめん。」
「もしかして何か凄いことを思い付いた?」
「凄いこと?」
「クリス兄様は時々素敵なことを思い付かれるって、ローレン兄様が言ってました。」
「そ、そう?」
ローレン兄上が褒めてくれてたなんて!照れる!
「でも大体はの時は、ただぼーっとしてるんだけど、って。」
「ええっ?」
「ふふっ。」
上げて落とすとは!
メイリが高等なテクニックを使い始めたぞ!
少し小首を傾げてイタズラっぽい目をして口の端を上げる。可愛い。
僕の妹は可愛いなぁ!
「凄いことでも何でもないんだけど、狩ってきたオオトカゲと角兎の肉を長持させたいなと思って。」
「干し肉を作れば良いのでは?」
「干し肉ばっかり食べることになっても辛くないか?」
「そうですね……。」
メイリは干し肉生活を想像したのか、唇をちょっと尖らせた。
「まあ、ちょっと狩りに行きにくいかなってだけで、絶対狩りに行けないってわけじゃないし。後で考えよう。
絵はメイリのイメージと合ってるかわからないから、とりあえず小さい板に一人ずつ描いてみるよ。」
「はいっ。楽しみです!」
メイリが嬉しそうに微笑んだ。メイリが楽しみにしてくれているから早く描き始めたい。
食後のお茶を急いで飲み込んだ。ちょっと熱かったけどね。
メイリが楽しそうにニコニコしながら追加リクエストをしてきた。
「沢山いるんだね。」
王子様とお姫様のペアを描いてくれっていうことが多かったから、今回もそうかと思ったら、リクエストは何人もの登場人物の集合した絵だった。どんどん増えていく要望にちょっとドキドキする。
「あとは……。」
「あとは?」
「……ピンク色の髪の令嬢。可愛らしい感じで。」
次の言葉を待っているとメイリがニコッとして言った。
「ピンク色?魔法属性なんだろう。火なのかな。」
「属性はよくわからないけど、体格はちょっと小柄なの。」
「ここまでで5人だね。他は?」
「他は……。」
メイリは顎に人差し指を添えて「うーん。」と少し考えた後ニコリと微笑んだ。
「赤い色の人も居た気がするんだけど、よく思い出せないの。とりあえず5人の絵を描いて!」
「わかった。……ポーズとかは……?」
「クリス兄様にお任せするわ。いつも素敵だもの。」
「……わかった……。」
結構無茶振りされた気がしたけど、褒められると嬉しくなってしまう。
青い色の髪は、青いキノコを砕いた色材を使ってみようとか、早速構想を練り出し始めた。
絵を描くことに気持ちが行ってしまうと早く描き始めたくて、つい急いで食事をしてしまう。
普段だったら母様に怒られてしまうけれど、母様は来客の対応でいないし、メイリも早く絵が見たいってワクワクしている。
だからメイリもマナー違反にならない程度に急ぎめに食事を進めている。
とは言っても、角兎のクリームシチューは凄く美味しいかったから、ちゃんとしっかり味わった。
辺境伯様達、何日居るのかな。辺境伯様達ば居る間は、狩りに行けないかもしれないからなぁ。お肉が足りるかな。
量が足りても、腐っちゃったらやだし。
冷やしておければ安心なんだけど。
レオノールさんとか氷属性が強そうだったから、氷出してくれないかな。
あ、ちょっと待って。凍らなくても冷たーい水でも良いんじゃない?
夏のスイカとか、冷たい水で冷やすし。
スイカ……?食べたことあったっけ……?
「クリス兄様?」
メイリが呼びかける声がして顔を上げた。お茶のカップを手にしたメイリがこちらを見ていた。
「また考え事?」
「あー……、ごめん。」
「もしかして何か凄いことを思い付いた?」
「凄いこと?」
「クリス兄様は時々素敵なことを思い付かれるって、ローレン兄様が言ってました。」
「そ、そう?」
ローレン兄上が褒めてくれてたなんて!照れる!
「でも大体はの時は、ただぼーっとしてるんだけど、って。」
「ええっ?」
「ふふっ。」
上げて落とすとは!
メイリが高等なテクニックを使い始めたぞ!
少し小首を傾げてイタズラっぽい目をして口の端を上げる。可愛い。
僕の妹は可愛いなぁ!
「凄いことでも何でもないんだけど、狩ってきたオオトカゲと角兎の肉を長持させたいなと思って。」
「干し肉を作れば良いのでは?」
「干し肉ばっかり食べることになっても辛くないか?」
「そうですね……。」
メイリは干し肉生活を想像したのか、唇をちょっと尖らせた。
「まあ、ちょっと狩りに行きにくいかなってだけで、絶対狩りに行けないってわけじゃないし。後で考えよう。
絵はメイリのイメージと合ってるかわからないから、とりあえず小さい板に一人ずつ描いてみるよ。」
「はいっ。楽しみです!」
メイリが嬉しそうに微笑んだ。メイリが楽しみにしてくれているから早く描き始めたい。
食後のお茶を急いで飲み込んだ。ちょっと熱かったけどね。
424
あなたにおすすめの小説
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる